☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年2月、大内延介先生と第37期名人挑戦者リーグです。

久しぶりにどちらが飛車を振るかというやり取りで、大内先生が三間飛車で石田流を目指します。

大山先生は66歩としているので持久戦のようですが、左美濃とか穴熊ではなく

玉頭位取りかと思えたのですが、矢倉で引き角です。石田流に対しては珍しい対策です。

大内先生は2筋の歩を交換し

3筋の歩も交換します。

大山先生は手損は気にせずじっくり歩を押し上げていきます。こういう指し方は大山先生だけでしょう。

2筋の歩も伸ばして攻めを誘います。大内先生が4筋から仕掛ければ大山先生は金を動員します。

飛車も使うのは振り飛車感覚でしょうか。

銀を2筋に繰り替えて

棒銀で使います。これは最近(2004、一昨年女流棋戦でもみました)でもみられた、石田崩しの棒金の代案、銀を使う構想です。阿部隆先生はこの棋譜を知って考えたのかなあ?

ゆっくりしていると端攻めで13の角を追われてしまうので、大内先生は攻撃続行あるのみ。36歩と突きだせば、大山先生は金で守ります。

37歩成同金46歩、これで45桂を狙うのですが

35歩同銀46金。これで大山先生は駒得になりそう。

飛車交換ですが、大山先生は銀を得しています。

大内先生は と金を使い、大山先生の43歩はそれに対抗して41飛から42歩成の意味。33銀成と桂を取っているのは遅いのですね。

大内先生は13角を使いたい、飛車を切って角を打ちます。

35角から58と、これで68と を防ぎにくいだろうと。

大山先生はここで角を取るのが良いタイミングで、馬を引かせます。

と金を作れば

手順に馬を守りに使われたようですが、大山先生は大きな駒得です。52馬が攻めに使えないのも大きいのです。

大内先生は左桂を加えれば攻め駒が4枚になりそうで、大山先生は受けきれるかどうか。

79金から馬を引き付けて

左桂を攻めに使われたようですが、69の銀を取れば

攻め駒は3枚。歩を使った攻めもないので、受けきれそうです。

大内先生は2枚換えで角を取って攻めるのですが、攻め駒は2枚に。

竜取りが目当てでしたか。でも竜を逃げれば99馬では88銀から馬を取られそうです。

結局29の桂を取るくらいの手ではどうしようもありません。あとは大山先生が寄せる番で、12飛から

62歩を逃げたので平凡に銀を打ち込んで

アマチュアのような攻めですが、自玉に怖いところがないので余裕です。

投了図。
大山先生の、見たことのない石田流対策でした。昔のひねり飛車、あるいは棒金戦法などで居飛車の玉が薄くて苦労することを思えば、金銀2枚の矢倉でもしっかりしているということなのでしょう。覚えておいて使ってみたくなります。
石田流から2筋や3筋の歩を交換しないときはどう指すのでしょう。あとで出てこないかなあ、と期待しておきます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:大内延介8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6七金(58)
18 6四歩(63)
19 2六歩(27)
20 7二銀(71)
21 2五歩(26)
22 3四飛(32)
23 6八銀(79)
24 3三桂(21)
25 7九角(88)
26 1四歩(13)
27 7七銀(68)
28 5二金(41)
29 8八玉(78)
30 1三角(22)
31 7八金(69)
32 2四歩(23)
33 同 歩(25)
34 同 飛(34)
35 2六歩打
36 3四飛(24)
37 4六歩(47)
38 3六歩(35)
39 同 歩(37)
40 同 飛(34)
41 3七歩打
42 3四飛(36)
43 4七銀(48)
44 4四歩(43)
45 3六歩(37)
46 4三銀(42)
47 2五歩(26)
48 4五歩(44)
49 5七金(67)
50 3五歩打
51 3八飛(28)
52 3六歩(35)
53 同 銀(47)
54 3五歩打
55 2七銀(36)
56 4四銀(43)
57 2六銀(27)
58 3六歩(35)
59 4七金(57)
60 3七歩成(36)
61 同 金(47)
62 4六歩(45)
63 3五歩打
64 同 銀(44)
65 4六金(37)
66 3七歩打
67 3五銀(26)
68 3八歩成(37)
69 3四銀(35)
70 4九飛打
71 3五歩打
72 4八と(38)
73 4三歩打
74 7九飛成(49)
75 同 金(78)
76 5七角打
77 3六金(46)
78 3五角(13)
79 7八金(79)
80 5八と(48)
81 4一飛打
82 6八と(58)
83 同 銀(77)
84 同 角成(57)
85 3五金(36)
86 同 馬(68)
87 4二歩成(43)
88 3四馬(35)
89 5二と(42)
90 同 馬(34)
91 1一飛成(41)
92 4五桂(33)
93 1三角打
94 6九銀打
95 6八金(78)
96 5八金打
97 7九金打
98 6八金(58)
99 同 角成(13)
100 5八金打
101 3五馬(68)
102 5七桂成(45)
103 6九金(79)
104 同 金(58)
105 5七馬(35)
106 7九銀打
107 同 馬(57)
108 同 金(69)
109 同 玉(88)
110 5七角打
111 6八香打
112 6七金打
113 7七銀打
114 6八金(67)
115 同 銀(77)
116 6六角成(57)
117 3一龍(11)
118 5六馬(66)
119 6七銀打
120 2九馬(56)
121 1二飛打
122 4二歩打
123 6二歩打
124 5一金(61)
125 6一銀打
126 同 銀(72)
127 同 歩成(62)
128 同 金(51)
129 6三金打
130 同 馬(52)
131 6一龍(31)
132 6二銀打
133 7五桂打
134 投了
まで133手で先手の勝ち

先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年2月、大内延介先生と第37期名人挑戦者リーグです。

久しぶりにどちらが飛車を振るかというやり取りで、大内先生が三間飛車で石田流を目指します。

大山先生は66歩としているので持久戦のようですが、左美濃とか穴熊ではなく

玉頭位取りかと思えたのですが、矢倉で引き角です。石田流に対しては珍しい対策です。

大内先生は2筋の歩を交換し

3筋の歩も交換します。

大山先生は手損は気にせずじっくり歩を押し上げていきます。こういう指し方は大山先生だけでしょう。

2筋の歩も伸ばして攻めを誘います。大内先生が4筋から仕掛ければ大山先生は金を動員します。

飛車も使うのは振り飛車感覚でしょうか。

銀を2筋に繰り替えて

棒銀で使います。これは最近(2004、一昨年女流棋戦でもみました)でもみられた、石田崩しの棒金の代案、銀を使う構想です。阿部隆先生はこの棋譜を知って考えたのかなあ?

ゆっくりしていると端攻めで13の角を追われてしまうので、大内先生は攻撃続行あるのみ。36歩と突きだせば、大山先生は金で守ります。

37歩成同金46歩、これで45桂を狙うのですが

35歩同銀46金。これで大山先生は駒得になりそう。

飛車交換ですが、大山先生は銀を得しています。

大内先生は と金を使い、大山先生の43歩はそれに対抗して41飛から42歩成の意味。33銀成と桂を取っているのは遅いのですね。

大内先生は13角を使いたい、飛車を切って角を打ちます。

35角から58と、これで68と を防ぎにくいだろうと。

大山先生はここで角を取るのが良いタイミングで、馬を引かせます。

と金を作れば

手順に馬を守りに使われたようですが、大山先生は大きな駒得です。52馬が攻めに使えないのも大きいのです。

大内先生は左桂を加えれば攻め駒が4枚になりそうで、大山先生は受けきれるかどうか。

79金から馬を引き付けて

左桂を攻めに使われたようですが、69の銀を取れば

攻め駒は3枚。歩を使った攻めもないので、受けきれそうです。

大内先生は2枚換えで角を取って攻めるのですが、攻め駒は2枚に。

竜取りが目当てでしたか。でも竜を逃げれば99馬では88銀から馬を取られそうです。

結局29の桂を取るくらいの手ではどうしようもありません。あとは大山先生が寄せる番で、12飛から

62歩を逃げたので平凡に銀を打ち込んで

アマチュアのような攻めですが、自玉に怖いところがないので余裕です。

投了図。
大山先生の、見たことのない石田流対策でした。昔のひねり飛車、あるいは棒金戦法などで居飛車の玉が薄くて苦労することを思えば、金銀2枚の矢倉でもしっかりしているということなのでしょう。覚えておいて使ってみたくなります。
石田流から2筋や3筋の歩を交換しないときはどう指すのでしょう。あとで出てこないかなあ、と期待しておきます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:大内延介8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6七金(58)
18 6四歩(63)
19 2六歩(27)
20 7二銀(71)
21 2五歩(26)
22 3四飛(32)
23 6八銀(79)
24 3三桂(21)
25 7九角(88)
26 1四歩(13)
27 7七銀(68)
28 5二金(41)
29 8八玉(78)
30 1三角(22)
31 7八金(69)
32 2四歩(23)
33 同 歩(25)
34 同 飛(34)
35 2六歩打
36 3四飛(24)
37 4六歩(47)
38 3六歩(35)
39 同 歩(37)
40 同 飛(34)
41 3七歩打
42 3四飛(36)
43 4七銀(48)
44 4四歩(43)
45 3六歩(37)
46 4三銀(42)
47 2五歩(26)
48 4五歩(44)
49 5七金(67)
50 3五歩打
51 3八飛(28)
52 3六歩(35)
53 同 銀(47)
54 3五歩打
55 2七銀(36)
56 4四銀(43)
57 2六銀(27)
58 3六歩(35)
59 4七金(57)
60 3七歩成(36)
61 同 金(47)
62 4六歩(45)
63 3五歩打
64 同 銀(44)
65 4六金(37)
66 3七歩打
67 3五銀(26)
68 3八歩成(37)
69 3四銀(35)
70 4九飛打
71 3五歩打
72 4八と(38)
73 4三歩打
74 7九飛成(49)
75 同 金(78)
76 5七角打
77 3六金(46)
78 3五角(13)
79 7八金(79)
80 5八と(48)
81 4一飛打
82 6八と(58)
83 同 銀(77)
84 同 角成(57)
85 3五金(36)
86 同 馬(68)
87 4二歩成(43)
88 3四馬(35)
89 5二と(42)
90 同 馬(34)
91 1一飛成(41)
92 4五桂(33)
93 1三角打
94 6九銀打
95 6八金(78)
96 5八金打
97 7九金打
98 6八金(58)
99 同 角成(13)
100 5八金打
101 3五馬(68)
102 5七桂成(45)
103 6九金(79)
104 同 金(58)
105 5七馬(35)
106 7九銀打
107 同 馬(57)
108 同 金(69)
109 同 玉(88)
110 5七角打
111 6八香打
112 6七金打
113 7七銀打
114 6八金(67)
115 同 銀(77)
116 6六角成(57)
117 3一龍(11)
118 5六馬(66)
119 6七銀打
120 2九馬(56)
121 1二飛打
122 4二歩打
123 6二歩打
124 5一金(61)
125 6一銀打
126 同 銀(72)
127 同 歩成(62)
128 同 金(51)
129 6三金打
130 同 馬(52)
131 6一龍(31)
132 6二銀打
133 7五桂打
134 投了
まで133手で先手の勝ち