☆ 昨日の復習
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/b6/82d537b1ce594e2129329f494ee4f223.png)
先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年2月、米長邦雄先生と第37期名人挑戦者リーグ(A級順位戦)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/8c/df50d71c5063867c6c22a12f46969f72.png)
大山先生の四間飛車に米長先生は玉頭位取りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f4/d042724128d73bdc32de673e15e1f69a.png)
大山先生は石田流に組み替えて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/ae/0dd1c22410c8fa1c5bc3b8b9985b85f2.png)
6筋の1歩交換に2筋から動きます。早い時期にこの筋をやられたら、居飛車はどう指すのだろうなあ?というのがわからなかったのですが、やっとその棋譜に出会えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/98/120ee96403fbcc80822c9a41a4534f2a.png)
24同歩では飛車を抑え込まれるので、米長先生は17桂と頑張ったのですが、桂の跳ね違えの手筋があり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/66/e0be6cea12103eb577d6be9e90fcbd33.png)
桂馬が死にました。中央に跳ね違えば大体は有利になるものなのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/46/7bdf574c45145dc361c858d48428cc00.png)
ただし後手は歩切れなので桂馬と2歩の交換はあまり差がないです。互いに陣形を整備した後で、米長先生は動いてきなさいと歩を垂らし
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/40/43447addd05050b593deb348a3507585.png)
当然の25歩に35歩から飛車の取り合いです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/29/1b4e7d7dccc84db0680449dda6a63677.png)
飛車の打ちあいは41飛のほうが厳しく(63歩成がある)、これをどう受けるかですが大山先生の51桂はもったいなかったです。節約して先手を取る51金左ではないかと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/17/493b71873f1312766ebcbd55c7cc2d94.png)
と金と成桂の作り合いで後手十分に見えるのですが、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/84/79c27e3d18802653e4fa0b6f6a6ffbc8.png)
33歩成から31飛成が受けにくく、37の成桂を取られてしまうのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/44/5818f50ff2ea875637c65aa1a8e55b69.png)
でも直後に両取りがあって、まだ後手よしに見えるのですが、ここで12と(両取り逃げるべからず)が好手。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/a0/268e68bf809448d76f95872fcf2dc83d.png)
銀香交換でも、玉の小びんに手を付けたところは米長先生が十分です。(ここで細かいことを言えば、28竜ではなくて38竜ではないかと。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/92/400d23b9d85b84768f2f8c613d5bef0d.png)
桂香を配置して(玉頭戦は数の勝負なので持ち駒は打っておくほうが良いものです)好調子。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/fa/8936407423c150828a49db64d169003d.png)
大山先生は香をずらして銀を投入し、懸命に受けます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/29/eb45d16ff51c402cd52a31c6382a9668.png)
ここで銀を逃げにくい(75銀は97角、85銀は77桂)ので
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/c6/52d68b65ae6ea8bd0516641af4ffd1c5.png)
75香が返し技ですが、77桂と跳ねて清算を催促したのが米長先生の好手。とにかく駒の数の勝負です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/4e/d86d28f4756339a88f8d15468bd65495.png)
大山先生は24角と横からけん制するのですが、米長先生は軽く73歩成と捨てて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/1d/914e050b0abfedc244de0507f9190eda.png)
桂を跳ねれば銀は逃げられません(74桂の筋がある)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/fc/66281e5fe8341b556ff86651ea92143a.png)
銀を取った後は平凡に玉を追っていき
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/9b/c2d527a03acedf69c6f904b8f2615869.png)
手を戻します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/2b/0d7ed12f83abe6f673476dd269733cd5.png)
76桂は厳しい反撃なのですが、35歩が好手。35同角は42に利きが減るので63歩成から詰んでしまう(63同金と取れない)のです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/82/2316d367f038019de1579a70c15bb5f1.png)
桂馬のお代わり攻めには、桂をもらったので45桂から
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e5/710318d367dd6d2128ebd994cb19802c.png)
詰みがありました。
私が位取りを好きなので、米長先生のほうが良いと思って解説しすぎたかもしれません。形勢自体はずっと互角に近いのです。64手目の51桂でわずかに米長先生が良くなってからはそのわずかな差をずっとキープし続けて、最後の詰み筋までぴったりきれいに着地した、という名局です。大山米長戦はよい将棋が多いですね。
どちらを持ってもよいのですが、先手をもって玉頭戦を楽しむのをお勧めします。盤面にある駒の数がものをいうので、持ち駒はどんどん打ってしまうのがコツです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 4三銀(32)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 8二玉(72)
19 7五歩(76)
20 3五歩(34)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 7七銀(68)
24 7二銀(71)
25 7六銀(77)
26 3二飛(42)
27 1六歩(17)
28 4二角(33)
29 2六飛(28)
30 3四飛(32)
31 5七銀(48)
32 3三桂(21)
33 6六歩(67)
34 6四歩(63)
35 6五歩(66)
36 同 歩(64)
37 同 銀(76)
38 2四歩(23)
39 1七桂(29)
40 2五歩(24)
41 同 桂(17)
42 4五桂(33)
43 4六銀(57)
44 2四歩打
45 6四歩打
46 2五歩(24)
47 同 飛(26)
48 2四歩打
49 2六飛(25)
50 5二金(41)
51 6八金(69)
52 1二香(11)
53 6七金(58)
54 5四歩(53)
55 2三歩打
56 3六歩(35)
57 同 歩(37)
58 2五歩(24)
59 3五歩(36)
60 2六歩(25)
61 3四歩(35)
62 3八飛打
63 4一飛打
64 5一桂打
65 2二歩成(23)
66 3七桂成(45)
67 3三歩成(34)
68 同 角(42)
69 3一飛成(41)
70 4二角(33)
71 3七龍(31)
72 同 飛成(38)
73 同 銀(46)
74 3五飛打
75 1二と(22)
76 3七飛成(35)
77 7四歩(75)
78 2八龍(37)
79 7六香打
80 7四歩(73)
81 6六桂打
82 7五歩(74)
83 同 香(76)
84 7三歩打
85 7四歩打
86 8四銀打
87 7三歩成(74)
88 同 桂(81)
89 同 香成(75)
90 同 銀(72)
91 7四歩打
92 6二銀(73)
93 7六桂打
94 7五香打
95 7七桂(89)
96 7六香(75)
97 同 銀(65)
98 2四角(42)
99 7三歩成(74)
100 同 銀(62)
101 6五桂(77)
102 7七歩打
103 同 角(88)
104 7五歩打
105 7三桂成(65)
106 同 玉(82)
107 7四歩打
108 6二玉(73)
109 5四桂(66)
110 5三玉(62)
111 6五銀(76)
112 7六桂打
113 3五歩打
114 6八桂成(76)
115 同 金(67)
116 7六桂打
117 4五桂打
118 同 歩(44)
119 4四銀打
120 同 銀(43)
121 同 角(77)
122 4三玉(53)
123 2三飛打
124 投了
まで123手で先手の勝ち
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/b6/82d537b1ce594e2129329f494ee4f223.png)
先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年2月、米長邦雄先生と第37期名人挑戦者リーグ(A級順位戦)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/8c/df50d71c5063867c6c22a12f46969f72.png)
大山先生の四間飛車に米長先生は玉頭位取りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f4/d042724128d73bdc32de673e15e1f69a.png)
大山先生は石田流に組み替えて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/ae/0dd1c22410c8fa1c5bc3b8b9985b85f2.png)
6筋の1歩交換に2筋から動きます。早い時期にこの筋をやられたら、居飛車はどう指すのだろうなあ?というのがわからなかったのですが、やっとその棋譜に出会えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/98/120ee96403fbcc80822c9a41a4534f2a.png)
24同歩では飛車を抑え込まれるので、米長先生は17桂と頑張ったのですが、桂の跳ね違えの手筋があり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/66/e0be6cea12103eb577d6be9e90fcbd33.png)
桂馬が死にました。中央に跳ね違えば大体は有利になるものなのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/46/7bdf574c45145dc361c858d48428cc00.png)
ただし後手は歩切れなので桂馬と2歩の交換はあまり差がないです。互いに陣形を整備した後で、米長先生は動いてきなさいと歩を垂らし
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/40/43447addd05050b593deb348a3507585.png)
当然の25歩に35歩から飛車の取り合いです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/29/1b4e7d7dccc84db0680449dda6a63677.png)
飛車の打ちあいは41飛のほうが厳しく(63歩成がある)、これをどう受けるかですが大山先生の51桂はもったいなかったです。節約して先手を取る51金左ではないかと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/17/493b71873f1312766ebcbd55c7cc2d94.png)
と金と成桂の作り合いで後手十分に見えるのですが、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/84/79c27e3d18802653e4fa0b6f6a6ffbc8.png)
33歩成から31飛成が受けにくく、37の成桂を取られてしまうのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/44/5818f50ff2ea875637c65aa1a8e55b69.png)
でも直後に両取りがあって、まだ後手よしに見えるのですが、ここで12と(両取り逃げるべからず)が好手。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/a0/268e68bf809448d76f95872fcf2dc83d.png)
銀香交換でも、玉の小びんに手を付けたところは米長先生が十分です。(ここで細かいことを言えば、28竜ではなくて38竜ではないかと。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/92/400d23b9d85b84768f2f8c613d5bef0d.png)
桂香を配置して(玉頭戦は数の勝負なので持ち駒は打っておくほうが良いものです)好調子。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/fa/8936407423c150828a49db64d169003d.png)
大山先生は香をずらして銀を投入し、懸命に受けます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/29/eb45d16ff51c402cd52a31c6382a9668.png)
ここで銀を逃げにくい(75銀は97角、85銀は77桂)ので
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/c6/52d68b65ae6ea8bd0516641af4ffd1c5.png)
75香が返し技ですが、77桂と跳ねて清算を催促したのが米長先生の好手。とにかく駒の数の勝負です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/4e/d86d28f4756339a88f8d15468bd65495.png)
大山先生は24角と横からけん制するのですが、米長先生は軽く73歩成と捨てて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/1d/914e050b0abfedc244de0507f9190eda.png)
桂を跳ねれば銀は逃げられません(74桂の筋がある)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/fc/66281e5fe8341b556ff86651ea92143a.png)
銀を取った後は平凡に玉を追っていき
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/9b/c2d527a03acedf69c6f904b8f2615869.png)
手を戻します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/2b/0d7ed12f83abe6f673476dd269733cd5.png)
76桂は厳しい反撃なのですが、35歩が好手。35同角は42に利きが減るので63歩成から詰んでしまう(63同金と取れない)のです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/82/2316d367f038019de1579a70c15bb5f1.png)
桂馬のお代わり攻めには、桂をもらったので45桂から
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e5/710318d367dd6d2128ebd994cb19802c.png)
詰みがありました。
私が位取りを好きなので、米長先生のほうが良いと思って解説しすぎたかもしれません。形勢自体はずっと互角に近いのです。64手目の51桂でわずかに米長先生が良くなってからはそのわずかな差をずっとキープし続けて、最後の詰み筋までぴったりきれいに着地した、という名局です。大山米長戦はよい将棋が多いですね。
どちらを持ってもよいのですが、先手をもって玉頭戦を楽しむのをお勧めします。盤面にある駒の数がものをいうので、持ち駒はどんどん打ってしまうのがコツです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 4三銀(32)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 8二玉(72)
19 7五歩(76)
20 3五歩(34)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 7七銀(68)
24 7二銀(71)
25 7六銀(77)
26 3二飛(42)
27 1六歩(17)
28 4二角(33)
29 2六飛(28)
30 3四飛(32)
31 5七銀(48)
32 3三桂(21)
33 6六歩(67)
34 6四歩(63)
35 6五歩(66)
36 同 歩(64)
37 同 銀(76)
38 2四歩(23)
39 1七桂(29)
40 2五歩(24)
41 同 桂(17)
42 4五桂(33)
43 4六銀(57)
44 2四歩打
45 6四歩打
46 2五歩(24)
47 同 飛(26)
48 2四歩打
49 2六飛(25)
50 5二金(41)
51 6八金(69)
52 1二香(11)
53 6七金(58)
54 5四歩(53)
55 2三歩打
56 3六歩(35)
57 同 歩(37)
58 2五歩(24)
59 3五歩(36)
60 2六歩(25)
61 3四歩(35)
62 3八飛打
63 4一飛打
64 5一桂打
65 2二歩成(23)
66 3七桂成(45)
67 3三歩成(34)
68 同 角(42)
69 3一飛成(41)
70 4二角(33)
71 3七龍(31)
72 同 飛成(38)
73 同 銀(46)
74 3五飛打
75 1二と(22)
76 3七飛成(35)
77 7四歩(75)
78 2八龍(37)
79 7六香打
80 7四歩(73)
81 6六桂打
82 7五歩(74)
83 同 香(76)
84 7三歩打
85 7四歩打
86 8四銀打
87 7三歩成(74)
88 同 桂(81)
89 同 香成(75)
90 同 銀(72)
91 7四歩打
92 6二銀(73)
93 7六桂打
94 7五香打
95 7七桂(89)
96 7六香(75)
97 同 銀(65)
98 2四角(42)
99 7三歩成(74)
100 同 銀(62)
101 6五桂(77)
102 7七歩打
103 同 角(88)
104 7五歩打
105 7三桂成(65)
106 同 玉(82)
107 7四歩打
108 6二玉(73)
109 5四桂(66)
110 5三玉(62)
111 6五銀(76)
112 7六桂打
113 3五歩打
114 6八桂成(76)
115 同 金(67)
116 7六桂打
117 4五桂打
118 同 歩(44)
119 4四銀打
120 同 銀(43)
121 同 角(77)
122 4三玉(53)
123 2三飛打
124 投了
まで123手で先手の勝ち