名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20190409

2019-04-09 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

銀をどこに行くべきか。

A 43銀  B 45銀  C 65銀

 

第2問

 

ずっと受けに回ります。

A 35歩  B 45銀  C 84飛

 

第3問

 

結構うるさそうですが。

A 35同銀  B 43銀  C 57歩

 

第4問

 

顔面で受けます。

A 34歩  B 25歩  C 15同香

 

第5問

 

ここを乗り切れれば優勢になります。

A 15同歩  B 26歩  C 24歩

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1215);相矢倉(花村元司)

2019-04-09 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190409

昭和41年1月、花村元司先生と東京新聞杯です。

大山先生の角換わり拒否です。でもこの時代は26歩型の角換わりは指されていないはずです。花村先生が25歩を突いていないから、大山先生が44歩と止めるのも自然な流れなのかもしれません。

ここで24歩同歩同角と行けば乱戦ですが

決行しなければ相矢倉模様です。花村先生は5筋の位を取りました。(大山先生は旧型の5筋を突かない矢倉を指します。)

少し囲い合った後、大山先生は位に反発して銀をぶつけました。

銀交換はどちらが得でしょうか。花村先生は中飛車にして35歩とつっかけるのですが、これでは飛角銀の連携を取りにくいし、右桂を使いにくいので作戦負けなのかもしれません。

大山先生は銀を打って守ります。

花村先生は端に手を付け、銀を打って攻撃続行します。

大山先生は銀がぶつかったまま5筋を押さえ

銀を交換して54歩を払いました。後手が指しやすく見えます。

花村先生は銀を打ち

香を走るのですが

この形が攻めにくいのです。46銀同銀同歩35銀でも自信なし。

銀取りは放置して、飛車を端に使い、角を引きますが、銀を打たれて忙しいです。

24銀同角27香。銀を捨てて香を配置し

15歩と合わせました。15同歩14歩となれば寄せきれそうですが

これで切れ模様です。まだしも13歩成同桂14歩ではないかと思うのですが

26角同角同香と角をさばいたら角を打たれ

1筋を受けられて攻める筋が見えません。(この先が長いので省略が増えますが、大山先生が優勢です。)

それでも桂を使い

51角から馬を作り

苦労して攻め続けます。

駒を損するばかりでつらいのですが、香を打たせれば駒が手に入ります。

攻め駒は4枚なので後手玉を寄せられるかどうか。

食らいついていますが

桂銀銀と打って守られると攻め切れません。

馬を消されても

両取りを打って、闘志は衰えませんね。

とにかく攻め続けますが

自玉を固めるために駒を打たされると、駒損なので勝ち目がないです。

さすがに形つくりに近くなり

ここまで。170手の奮闘でしたが、ずっと大山先生が優勢の終盤でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/01/24
手合割:平手  
先手:花村元司8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 7六歩(77)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 8八銀(79)
8 4四歩(43)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 4八銀(39)
12 3二金(41)
13 5六歩(57)
14 2二銀(31)
15 6八角(77)
16 4二角(33)
17 7七銀(88)
18 3三銀(22)
19 5五歩(56)
20 5二金(61)
21 5七銀(48)
22 6二銀(71)
23 5六銀(57)
24 6四歩(63)
25 7八金(69)
26 6三銀(62)
27 6九玉(59)
28 4一玉(51)
29 7九玉(69)
30 3一玉(41)
31 8八玉(79)
32 5四歩(53)
33 同 歩(55)
34 同 銀(63)
35 5五歩打
36 6五銀(54)
37 同 銀(56)
38 同 歩(64)
39 5九金(49)
40 6三金(52)
41 5八飛(28)
42 2二玉(31)
43 3六歩(37)
44 9四歩(93)
45 3五歩(36)
46 9五歩(94)
47 1六歩(17)
48 1四歩(13)
49 5四歩(55)
50 4五銀打
51 1五歩(16)
52 同 歩(14)
53 3四歩(35)
54 同 銀(33)
55 1三歩打
56 同 香(11)
57 3五銀打
58 5七歩打
59 同 角(68)
60 5六歩打
61 7九角(57)
62 3五銀(34)
63 同 角(79)
64 5四金(63)
65 5五歩打
66 5三金(54)
67 2六角(35)
68 4三金(53)
69 3五銀打
70 8四飛(82)
71 2四歩(25)
72 同 歩(23)
73 1五香(19)
74 3四歩打
75 1三香成(15)
76 同 玉(22)
77 1八飛(58)
78 1四歩打
79 4八角(26)
80 5七銀打
81 2四銀(35)
82 同 角(42)
83 2七香打
84 3五角(24)
85 1五歩打
86 2四歩打
87 1四歩(15)
88 2三玉(13)
89 2六角(48)
90 同 角(35)
91 同 香(27)
92 3六角打
93 1七飛(18)
94 1一香打
95 5四歩(55)
96 3五銀打
97 5三歩成(54)
98 同 金(43)
99 2四香(26)
100 同 銀(35)
101 2五歩打
102 同 銀(24)
103 3七桂(29)
104 1六歩打
105 1九飛(17)
106 4七角成(36)
107 4五桂(37)
108 同 歩(44)
109 5一角打
110 5二金(53)
111 1五角成(51)
112 2四歩打
113 4一銀打
114 1四香(11)
115 3二銀(41)
116 同 玉(23)
117 2四馬(15)
118 2三歩打
119 4九飛(19)
120 4八香打
121 3三歩打
122 同 桂(21)
123 4八金(59)
124 同 銀成(57)
125 同 飛(49)
126 同 馬(47)
127 4一銀打
128 同 玉(32)
129 3三馬(24)
130 4二金打
131 4四香打
132 4三桂打
133 2三馬(33)
134 3二銀打
135 2二馬(23)
136 3三銀(32)
137 2三馬(22)
138 3二銀打
139 1三馬(23)
140 4四飛(84)
141 2三歩打
142 5七馬(48)
143 4六歩打
144 同 馬(57)
145 同 馬(13)
146 同 歩(45)
147 4五歩打
148 同 飛(44)
149 7二角打
150 3五飛(45)
151 2二歩成(23)
152 同 銀(33)
153 4四桂打
154 3八飛成(35)
155 5二桂成(44)
156 同 金(42)
157 6八金打
158 5九飛打
159 6九金打
160 4九飛成(59)
161 8一角成(72)
162 5七歩成(56)
163 4四桂打
164 6八と(57)
165 5二桂成(44)
166 同 玉(41)
167 6八金(69)
168 3九龍(38)
169 6九金打
170 4七歩成(46)
171 投了
まで170手で後手の勝ち

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20190409今日の一手(その857);玉を逃げ出す

2019-04-09 | 今日の一手

20190409今日の一手

 

2月16日の名南将棋大会から、AさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

歩歩と金銀の交換で竜の作り合いです。持ち歩はありますから、金銀得ですね。かなり駒得ですが、終盤なので評価は控えめです。

玉の堅さは(相手の駒を考えないで)後手のほうが少し堅いです。

先手の攻め駒は持ち駒角金銀桂で4枚。

後手の攻め駒は75桂86香の2枚ですが、16竜54角も加わるかもしれません。

総合すれば先手有利です。

 

☆ 大局観として

現状は先手玉が詰めろ。先手はかなりの駒得ですから、ここをしのぎ切れればというところです。後手玉に手がついていないので攻防の手段というのはなさそうで、しっかり守る手を考えます。

後手は54角が当たりになっているということもあり、76角同歩同竜という攻めも見えています。すると後手の攻め駒は4枚になるので、この図の受けは簡単ではありません。

先手としては駒得(76角と切られるとさらに駒得)なので、少々駒損の受けでもよいというのが心強いです。

 

 

△ 実戦は88歩でした。

これが常識的な受けです。76角同歩同竜77金

この図までは読めますね。後手は88香成同玉84香79玉87桂成(77香成同歩同桂成79玉84香でも同じ)

詰めろが続きます。ここで78金上と受けたのが悪手で、同成桂同金88金

で負けです。実戦では88金ではなく87香成77桂(敗着、77香ならば有利)という進行でしたが、寄せられてしまいました。

 

78金上ではなく97銀

ならばまだ難しいです。97同成桂78金上85竜86桂同竜同金同香69玉

という図で、受けきりではありませんが寄せ切られてはいません。

 

 

× 98銀では

76角同歩同竜77金87桂成同銀同香成

銀を渡すので詰まされます。

 

○ 98角だと

76角同歩に同竜を消しています。84香

77銀87桂成68銀98成桂同香89香成

問題図と比べると少し駒損ではありますが、16竜を攻めに使われないので受けやすいです。

 

△ 79金は良さそうな受けで

76角同歩同竜77歩

今度は脱出ルートもあるので歩合いで良いです。87竜69玉78香同金89竜

79金打99竜76銀

後手の攻め駒が多いので受けきりではありませんが、つぶされてもいません。駒得の分だけ先手が次第に良くなっていくのでしょう。どこかで後手玉攻略に動けば勝ちがあります。

 

 

○ 59金とすれば

脱出ルートができるのは同じことです。ただし76角同歩同竜77歩87香成69玉67桂成

では負けです。

 

角を取らずに79桂

67の地点を守らねばなりません。これならば優勢になります。

 

 

○ 手順前後ですが79桂

を先にして、76角69金または58金

でもよいです。

 

 

○ 58金が一番良い受けです。

76角同歩同竜69玉

67の地点に利きが増えているので、76角をすぐに取ることができます。76竜を追い返しつつ後手玉を寄せて行ければ勝ちが見えます。

 

 

△ 他の手としては79玉も早逃げで

76角同歩同竜77銀打87桂成78金打

駒を打つスペースができるのです。78同成桂同金84香55角58金

後手の攻めもしつこいですが、86銀同竜88香

これでどうにか息がつけたのかというくらいです。

 

 

× 他の受けは66歩は一応詰めろ逃れですが同竜

で無効です。

 

 

× 79銀は

76角同歩同竜

68玉67桂成59玉79竜

受けなしになります。

 

☆ まとめ

問題図では後手の攻め駒が4枚に近い(まだ2枚だけど76角同歩同竜とされる)ので、7筋に玉をとどめたままで受けきることが難しいのです。

ですから玉を右翼に脱出することを考えれば光明が見えてきます。

毎日大山先生の棋譜を並べていますが、よく出てきますよね。このテクニックを身に着けるだけでも終盤で逆転しやすくなると思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする