後手番二上先生の手を考えます。
第1問
これは単なるクイズですが、二上先生の趣向です。
A 45歩 B 23玉 C 43玉
第2問
先手の34歩に対応します。
A 34角 B 46角 C 66角
第3問
受け方は?
A 45同銀 B 57角成 C 47歩
第4問
これで有利になりました。
A 35同馬 B 26飛 C 21香
後手番二上先生の手を考えます。
第1問
これは単なるクイズですが、二上先生の趣向です。
A 45歩 B 23玉 C 43玉
第2問
先手の34歩に対応します。
A 34角 B 46角 C 66角
第3問
受け方は?
A 45同銀 B 57角成 C 47歩
第4問
これで有利になりました。
A 35同馬 B 26飛 C 21香
今日の棋譜20190429
昭和41年7月、二上達也先生と第8期棋聖戦第3局です。
大山先生の四間飛車に二上先生は持久戦です。
大山先生は拒否できたのですが、二上先生の玉頭位取りになりました。
先手の38飛に備えて23玉~32飛というのは見たことがありますが、43玉とするのは初めてみました。
38飛とされないのに32飛とまわり
中住まいにしました。二上先生は玉を固める将棋は好まない/向いていないのですが、これならば面白くなりそうです。
2筋の歩を交換
したら、大山先生が動き出します。24歩と垂らして
23歩成をねらっていきます。
二上先生は2筋を謝り
桂を跳ねて4筋を受けますが
こんなところに角を打たれ、23角成が受かりません。
大山先生は角を成る前に銀をぶつけ、交換するのは得かどうかよくわかりませんが
43銀を打ってもらえるならば悪くはないでしょう。
二上先生にも角打ちがあり
33桂を取られても99香を取って馬の交換、これならば互角です。
大山先生らしい自玉を固める手ですが、こう指すのならば前に銀交換で後手にだけ銀を打たせた効果はなくなります。
桂も打ってしまうのは粘るだけではなく
4筋を攻めようというのですが
馬で飛取りになるのでは失敗か。
銀飛の取り合いは46馬が大きいです。
なので馬飛取りに銀を引きますが
26飛と切られては当てが外れました。2,3,4筋に歩が利くので、二上先生の攻めは切れません。
飛車を打ち、角を捨てるのは勝負手です。
これで後手玉も危ないのですが
31竜ではなく52銀成26歩62金打という寄せ合いが足りないようなのです。31竜は攻防の位置ですが
二上先生は51飛で手を稼ぎ、26銀を取りました。
後手玉に詰み筋はなく、先手玉は詰めろ。どこかで21飛が詰めろ逃れの詰めろになると良いのですが、ここで打つと(詰めろ逃れの詰めろですが)27角成を同飛成しかないので後手のほうの詰めろ逃れになります。
二上先生に詰めろ以上の手が続きます。居飛車党の終盤型ですから、縦の攻めを間違えることはないでしょう。
37の地点を攻めて詰めろは続きます。
しつこく攻めて
もう受けなしです。
ここまで。
この作戦は二上先生にはあっているかもしれません。相振りは好まない大山先生対策にぴったりかも。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/07/12
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 4二銀(31)
17 3八銀(39)
18 4四歩(43)
19 6七銀(78)
20 4三銀(42)
21 4六歩(47)
22 5三銀(62)
23 5八金(69)
24 3五歩(34)
25 4七金(58)
26 3四銀(43)
27 2六歩(27)
28 2四歩(23)
29 2七銀(38)
30 4三玉(32)
31 5六銀(67)
32 3二飛(82)
33 6五歩(66)
34 5二玉(43)
35 3八金(49)
36 7二金(61)
37 3六歩(37)
38 同 歩(35)
39 同 金(47)
40 3五歩打
41 3七金(36)
42 4二金(41)
43 7五歩(76)
44 2五歩(24)
45 同 歩(26)
46 同 銀(34)
47 2四歩打
48 3四銀(25)
49 4五歩(46)
50 同 歩(44)
51 3六歩打
52 8八角成(22)
53 同 飛(68)
54 2二歩打
55 4八飛(88)
56 3三桂(21)
57 3五歩(36)
58 同 銀(34)
59 2三歩成(24)
60 同 歩(22)
61 3四角打
62 6二玉(52)
63 3六銀(27)
64 同 銀(35)
65 同 金(37)
66 4三銀打
67 2三角成(34)
68 3五歩打
69 2六金(36)
70 6六角打
71 3四歩打
72 9九角成(66)
73 3三歩成(34)
74 同 馬(99)
75 同 馬(23)
76 同 飛(32)
77 2七銀打
78 2三飛(33)
79 3七桂打
80 6六角打
81 4四歩打
82 同 銀(53)
83 4五銀(56)
84 4七歩打
85 同 飛(48)
86 4六歩打
87 同 飛(47)
88 5七角成(66)
89 4四銀(45)
90 4六馬(57)
91 2四歩打
92 同 飛(23)
93 3五銀(44)
94 2六飛(24)
95 同 銀(35)
96 2五歩打
97 2二飛打
98 3二香打
99 3五角打
100 同 香(32)
101 4二飛成(22)
102 5二金打
103 5三銀打
104 7一玉(62)
105 3一龍(42)
106 5一飛打
107 4一金打
108 2六歩(25)
109 5一金(41)
110 2七歩成(26)
111 同 金(38)
112 8二玉(71)
113 5二金(51)
114 4九角打
115 3八歩打
116 2六歩打
117 同 金(27)
118 5二銀(43)
119 同 銀成(53)
120 4七銀打
121 2七銀打
122 3六歩打
123 3九金打
124 3七歩成(36)
125 同 桂(29)
126 4五桂打
127 3五金(26)
128 3八銀成(47)
129 同 金(39)
130 2六歩打
131 4五金(35)
132 2七歩成(26)
133 同 金(38)
134 3九銀打
135 1七玉(28)
136 2七角成(49)
137 同 玉(17)
138 3八銀打
139 投了
まで138手で後手の勝ち
20190429今日の一手
3月9日の名南将棋大会から、KさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
少し前から見てみます。
中飛車に右四間飛車で攻められました。84歩を省略されているので危ない感じがしますが、61金のままもう1手早く攻められていたらもっと危ないところです。65同歩だと66の地点の利きが少なくてまずいのですが、68飛66歩同銀65歩57銀77角成同桂
これならばつぶれていないです。少し進んで
後手の自陣角で攻められる前に、先手から桂頭を攻め
後手が桂を交換したというのが問題図です。
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは57銀が離れているので後手玉のほうが堅いですが、先手の美濃囲いが一路遠いということもあり差はわずかです。同程度としておきましょう。
先手の攻め駒は68飛と持ち駒角桂で3枚。
後手の攻め駒は22角と持ち駒桂で2枚。
総合すれば先手もちです。
☆ 大局観として
先手の攻め駒が1枚多い、というのは後手に65歩を打たせたからです。この歩が拠点になるならば困りますが、現状は先手の飛車のほうが使いやすいです。
後手からは99角成が見えていますね。それを防ぐか、代償を得るか、言い換えれば受けるか攻めるかという分かれ目です。振り飛車党の棋風によって判断がわかれるところでしょう。
○ 受ける方から考えてみます。69飛が一番形が良いです。
後手は75歩くらいですが、74歩
73歩成は受けにくいのです。63金には46桂
銀を逃げれば65飛です。74金54桂同歩53角
歩切れではありますが、馬を作れば駒得です。
63金ではなく72飛には64桂
74飛52桂成同金61角
これも馬を作って駒得です。
74歩では73角としても
悪くはないです。61飛46銀76歩55歩
後手の76歩~77歩成が間に合わないように受けながら攻める感じです。でも後手から55同銀同銀57桂とか、77歩成同金71飛とか、ちょっと無理だけど攻められる筋はあります。73角よりも74歩のほうが良さそうです。
△ 77角と合わせると
77同角成同金22角(後手から交換しなければ先手から交換します)
もう一度打たれるのが嫌な感じです。66歩同歩73角
63飛46角成65桂
困っているようですが、66飛57桂成同馬66角同金69飛
馬ができているので悪いことはありません。77角か55歩で互角くらい。最善を続ければどうにかという感じです。
△ 実戦は66歩と受けました。
66同歩に同銀がうっかり。66同飛
銀の丸損ではだめですね。
66同歩に74歩
77歩同金65桂
73歩成64飛66銀77桂成同銀
ぎりぎりバランスが取れています。67金にも65歩同飛76銀です。
△ 98香は
振り飛車の手筋です。99角成74歩
というのは先手の得です。98馬と取られても馬が働かないから。
後手は99角成が甘いので75歩、これに74歩
と垂らします。これも先手よしに見えるのですが、76桂73歩成64飛58飛66歩
67歩成を受けにくいのでどうしたものか。59桂ではさえない(88桂成同金67歩成もある)し、55歩同銀56桂か、46角か、59飛67歩成74と か、ちょっと悩ましいです。
(この筋は69飛と引いていれば避けられたのです。)
○ 55桂と打つと
通常は得か損かよくわからない手ですが、73角や74歩が残っています。後手は55同銀と取るくらいしかなく、同歩同角74歩
36桂だけでは怖くないです。99角成73歩成64飛63歩
と金を作って攻めるか、
あるいは63歩で46銀として間合いを図り、66歩69飛98馬55銀打
飛車を追いかけてから66飛で先手有利です。
○ 攻めるならば74歩
が自然な手です。99角成には73歩成64飛63歩
99香を取られて馬を作られるというのは痛いのですが、と金で金か銀をはがせる形になれば駒得です。ここでは単に清算しない方が良い、つまり63同銀には76桂~63と 後手陣を乱して角の打ち込みを見るとよいでしょう。
○か△ 46角とすれば
99角成に91角成で対等ですが、76香
と打たれるのは少し痛いです。
香を取り合うのではなく74歩ならば
(74歩99角成に46角を打ったのと同じことですから違和感があるのですが)75香にも73歩成61飛63歩
78香成同飛67金が怖くないので先手よしです。63同銀には65飛とさばけます。
△か× 73角だと
99角成に74歩では甘いです。62角成同金46桂
としてどうか。銀を逃げれば65飛でまあまあ。44馬54桂同歩65飛76角
少し駒得ですが、後手は馬を作り反撃も利きます。
☆ まとめ
受けることを考えるならば、形の良い受けがよいです。
69飛、98香、66歩、77角、4つの比較ならば69飛でしょう。形だけで選んでもほぼあっているものです。
他には55桂が有効かどうか。これは良い場合も悪い場合もあるので、少し読んでみることです。(書きませんでしたが、77桂や88桂が劣るのはわかりますね。打たされ損です。)
攻めるならば、後手の99角成よりも有効な手を指さねばなりません。
46角(あるいは73角)~91角成では後手が先に香を取っていて76香と攻められます。
73角~62角成では駒得とは言えません。
74歩~73歩成が99角成に対抗しうる代償でした。