名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20190425

2019-04-25 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

安全第一です。

A 82銀  B 82玉  C 55歩

 

第2問

 

玉の囲い方は?

A 63玉  B 84歩  C 62金

 

第3問

 

素直に応じたくないです。

A 54銀  B 44歩  C 35歩

 

第4問

 

飛車を切りました。継続手は?

A 66歩  B 46歩  C 36歩

 

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大山将棋研究(1231);中飛車に玉頭位取り(升田幸三)

2019-04-25 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190425

昭和41年6月、升田幸三先生と第25期名人戦第6局です。

大山先生の中飛車です。

升田先生は端棒銀をねらいました。タイミングとしては少し早くて、美濃囲いを確定された後のほうが良いのですが、82銀を強制できます。

右銀も66に出て

引き角にして85銀。

何をねらっているのかと思ったら、結局7筋の位を取り

2手損ですが玉頭位取りに収まりました。これは第1局での先手大山先生の陣形と似ています。

升田先生は金で4筋の歩を交換し、位も取ってしまいました。

バランスで左金を58に上がるのですが、先手玉が薄くなります。

飛車交換には応じられません。

ここに歩を打たれても2筋の関係は対等なので

右翼は互いに手を出しにくいです。先手番だということもあるし、升田先生が動くというのはわかりますが、玉の薄い方から手を出すのではうまくいかないほうが多いです。

少し駒組みが進んでから54歩と取り込み

銀をぶつけますが、うまくいく感じがありません。

大山先生は35歩。24飛とすれば64に利くので

53歩から銀金を交換するところまでは妥当です。いまさら26飛とか35歩とかも指しにくいのでしょう、升田先生は守りの桂を跳ねて

71角の利きを止めておきます。64歩でも困りそうですが

角を殺して少し希望が出てきました。

怖いところですが54銀打には角を出ます。

大山先生は飛車を切って36歩。36同飛は56角~65銀があります。

升田先生は36歩は無視して攻めるしかなさそうです。角を取り飛車を打ち込んで

飛車を成りこみます。結構厳しそうですが

竜を逃げるわけにもいきません。切るしかなくて

と金を作って勝負。

ここで投了なのですが、62金は詰めろでも58飛に合駒を使わねばなりません。48金と手を戻しても59角が詰めろで困ります。寄せ合い負けでした。

 

升田先生の序盤の構想が実現しませんでした。予定変更で玉頭位取りの薄い形では失敗です。作戦負けの時は自分から動かないほうが良いものですが、升田先生の性格から仕方ないのでしょう。2連勝から4連敗で終わりました。内容は面白いです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/06/08
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 9六歩(97)
10 9四歩(93)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 6八銀(79)
14 7二玉(62)
15 7七銀(68)
16 5四歩(53)
17 8六銀(77)
18 8二銀(71)
19 5六歩(57)
20 5三銀(42)
21 5七銀(48)
22 4二金(41)
23 5八金(49)
24 4三金(42)
25 6六銀(57)
26 3三角(22)
27 7九角(88)
28 6四歩(63)
29 2五歩(26)
30 2二飛(52)
31 8五銀(86)
32 4五歩(44)
33 7七桂(89)
34 4四銀(53)
35 7五歩(76)
36 8四歩(83)
37 7六銀(85)
38 8三銀(82)
39 8六歩(87)
40 8二玉(72)
41 5七金(58)
42 5一角(33)
43 4六歩(47)
44 同 歩(45)
45 同 金(57)
46 7二金(61)
47 4五歩打
48 5三銀(44)
49 3六歩(37)
50 6二銀(53)
51 5八金(69)
52 6三銀(62)
53 5七角(79)
54 2四歩(23)
55 同 歩(25)
56 同 飛(22)
57 2五歩打
58 2二飛(24)
59 3七桂(29)
60 6二角(51)
61 4七金(46)
62 2六歩打
63 4八金(58)
64 1四歩(13)
65 2九飛(28)
66 4二金(43)
67 5五歩(56)
68 5二金(42)
69 4六角(57)
70 3三桂(21)
71 2四歩(25)
72 2一飛(22)
73 5四歩(55)
74 同 銀(63)
75 5五銀(66)
76 6三銀(54)
77 6四銀(55)
78 3五歩(34)
79 5三歩打
80 同 金(52)
81 同 銀成(64)
82 同 角(62)
83 6五桂(77)
84 7一角(53)
85 5五角(46)
86 4四歩打
87 5三歩打
88 2四飛(21)
89 6一金打
90 5四銀打
91 4四角(55)
92 同 飛(24)
93 同 歩(45)
94 3六歩(35)
95 7一金(61)
96 同 金(72)
97 3二飛打
98 7二金(71)
99 2六飛(29)
100 3七歩成(36)
101 2一飛成(26)
102 4一歩打
103 同 龍(21)
104 6一歩打
105 同 龍(41)
106 7一金打
107 同 龍(61)
108 同 玉(82)
109 5二歩成(53)
110 8二玉(71)
111 6二と(52)
112 4八と(37)
113 7二と(62)
114 同 銀(83)
115 投了
まで114手で後手の勝ち

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20190425今日の一手(その865);良い形で受ける

2019-04-25 | 今日の一手

20190425今日の一手

 

3月9日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは先手の美濃囲いのほうが一路深いです。

先手の攻め駒は持ち駒銀1枚。

後手の攻め駒は65桂と持ち駒銀で2枚。33角を使おうとしています。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

対抗型の急戦では、居飛車が玉が薄くて攻め駒が多い、振り飛車は玉が堅くて攻め駒が少ないという形になります。問題図では銀交換から後手だけ右桂を使い、さらに角も使って攻めようとしてきました。

先手としては駒得で受ける(45歩か65桂を取る)か、飛角桂をさばくか、というのがおおまかな方針です。棋風で分かれると言ってもよいでしょう。

後手のねらいとしては角をさばく54歩のほかに46歩同銀57銀という筋があります。それに対応した手を指しましょう。

 

 

○ 45同歩とすれば54歩が

気になることろです。でも中飛車なのですからこんな攻めは歓迎できるはず。さばきの振り飛車ならば77桂同桂成同角

とすれば、44桂や44銀をねらえます。後手は指し過ぎなので65銀で収めようとするのですが、44桂22玉54歩同銀46金

これくらいで十分です。

 

抑え込もうと思えば66銀と打ち

64歩54歩63銀

36歩54銀37角54銀56歩

こんな調子です。

 

 

× 実戦は66歩でした。

駒得を目指したのですが、取り切るまでが怖いです。46歩の取り込みを同金とできず、48金引47銀

飛車を横に逃げると55角があります。65歩58銀成同金寄55角77角同角成同桂55角

形は飛歩歩と銀桂の交換で損をしていません。玉も堅く攻め駒は4枚で十分、と言いたいのですが後手の55角が好点です。77桂も守りにくいし(さばけることもない)、歩切れで攻める筋が見当たりません。これは次第に苦しくなるのです。

 

 

○ 77桂とぶつけると

46歩に同金57銀65桂

57銀を打たせてカウンターをねらえます。今度は飛車を取られて二枚換えの順は、左桂がさばけているので歓迎です。46銀成に73桂成81飛47歩

45成桂ならば72銀

後手の飛車が詰んでいます。(後手の飛の逃げる位置が良くなかったとは言えるのですが、横に逃げていると成桂を使いやすいです。)

 

57金と打てば

46歩58金同金55角72銀

これも先手有利です。

 

 

× 受けの手としては66銀

桂頭の銀で受けるのは手堅そうです。しかし46歩同金24角が厄介で、56飛57銀

というのが受けにくい(57同飛が最善だが)です。

 

68角と受けても

69銀や78銀があります。はっきり不利とも言い切れませんが、銀を打った効果は薄いです。

 

 

○ 銀をう打つならば56銀

のほうが形が良いです。46歩に48金引

取れないのがしゃくですが、47銀と打ちこまれても大丈夫です。

54歩ならば65銀55角54銀

(54銀ではなく77角でもまずます)と捨てる手があります。99角成77角同馬同桂

ならばさばけていますし

 

54同金ならば55飛同金73角52飛44桂

両取りがきれいに決まります。

 

後手が54歩ではなく64歩と我慢しても66歩

桂を取れます。この場合は65で歩がぶつかるほうが好都合です。

 

 

× 48銀の受けは

46歩に56金だと64歩

66歩には67銀がありますから面白くありません。

 

46歩に同金として24角

これの受け方が厄介なのです。金取りを受けて(47銀右とか)45歩同金57銀という筋もあるので、56飛と受ければ57銀

が嫌だというのは66銀の時を同じです。

△ 56金とかわすと

64歩と受けさせて45歩と取れば十分です。よって46歩65金47銀

となるのですが、金を先にかわしているので受けやすいです。57飛86歩同歩88歩97桂89歩成48歩

互角くらいです。

 

× 48金上の受けは

46歩同金24角が嫌だというのは同じこと。47銀打

と埋めるほうが粘れますが、45歩同金57銀44歩33金

44歩は気持ちよくても、自陣は受けにくい形です。

 

 

× 68角と受けると

46歩同金86歩同歩57銀

57同角同桂成同飛86飛

強引にさばかれてみると面白くないのです。44歩同金45歩43金44桂・・・と攻めることはできますが

これくらいの図でも自信はありません。角を失い飛車がさばけていない(攻め駒になっていない)ので、後手の反撃のほうが速いです。

 

☆ まとめ

後手が無理をしていると思えば45同歩

から受けます。45歩の位が大きいので良い形だなあという感覚です。(この駒得は味が良いです。)

取ったら危ういと思えば銀を埋めるのですが、56銀が一番良いです。

位の下に銀があるほうが好形です。

危ないのは実戦の66歩です。

桂を取り切るまでに相手からどれだけの攻めがあるか、読まずに指せる手ではありません。

これは56金

とするのも同じこと。読んでみた結果としてはこちらが優りました。

さばくならば77桂

がすっきりしています。65桂をタダで取ろうなんて欲張らないほうが無難です。

やはり駒得は味が悪いものなのです。

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