後手番大山先生の手を考えます。
第1問
あまり見ない手ですが、実戦的かもしれません。
A 34飛 B 45歩 C 65金
第2問
駒得を目指します。
A 34銀 B 66歩 C 54銀
第3問
寄せ合いは勝ちでしょうか?読んでみましょう。
A 46歩 B 52銀 C 54銀
第4問
最後は詰め将棋、ここからならば難しくないでしょう。
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
あまり見ない手ですが、実戦的かもしれません。
A 34飛 B 45歩 C 65金
第2問
駒得を目指します。
A 34銀 B 66歩 C 54銀
第3問
寄せ合いは勝ちでしょうか?読んでみましょう。
A 46歩 B 52銀 C 54銀
第4問
最後は詰め将棋、ここからならば難しくないでしょう。
今日の棋譜20190423
昭和41年5月、升田幸三先生と第25期名人戦第4局です。
大山先生の中飛車です。
升田先生は57金戦法(金立ち戦法)です。これは玉が薄くなるので勝率の悪い指し方だと思うのですが、昔は時々指されました。
振り飛車側は中飛車のままではなく三間飛車で受けることのほうが多いです。
升田先生は3筋と5筋両方をつっかけました。これは珍しいです。5筋の歩を交換してじっくり指すことのほうが多いのです。
3筋を攻めてから
角を追い、5筋の歩を取り込みます。
大山先生は金を繰り出してしまいました。「玉頭金」はかなり珍しいです。77銀75歩同歩76歩86銀84角というのは金が死ななくて後手が良さそう。
升田先生は56銀とぶつけ、76金に
55銀から97角。かなり積極的ですが、76金が目障りなのに大丈夫でしょうか?
銀をぶつけ
交換になり、銀を打たれます。
升田先生の角が狭いですね。56金67歩成同銀同金同玉というのも怖いので
角金交換になりました。
駒得で指しやすい大山先生は4筋の歩を捨てて
角を出て銀を打たせ
角を打ち込みます。
馬を作れば金を失った薄さがカバーできそう、大山先生が有利です。
ゆっくりできない升田先生は3筋を攻め
67歩には同玉ですか。
これで飛車の取り合いの時には、67玉のほうが受けやすいと見たのですね。
二枚換えなので形勢は互角に近くなっています。45歩にどう応じるかは悩ましいところで
升田先生は手抜いて41飛。52銀45飛成で先手玉が堅いということでしょう。大山先生は馬で王手。升田先生は合駒を打つ方が良いのかもしれませんが
56玉とかわしたくなるのもわかります。金を取られて、まだ先手玉が大丈夫だとも見えるのです。
61金を取ったら47歩成。
後手玉は詰めろ、ではないですね。49馬の利きがあります。ということは大山先生の勝ちでしょう。
46金から銀をはがして45歩。先手玉が少し広いので読みにくいのですが、全部詰んでいるようです。
ここまで。
大山先生の連敗から連勝です。このシリーズ、終盤の詰む詰まないで決まっているような、きわどい将棋が多くて面白いです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/05/18
手合割:平手
先手:升田幸三9段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 5六歩(57)
6 5四歩(53)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二玉(62)
19 5八金(49)
20 8二玉(72)
21 3六歩(37)
22 7二銀(71)
23 5七金(58)
24 4三銀(42)
25 4六金(57)
26 3二飛(52)
27 1六歩(17)
28 5二金(41)
29 1五歩(16)
30 6四歩(63)
31 3五歩(36)
32 7四歩(73)
33 5五歩(56)
34 6三金(52)
35 3四歩(35)
36 同 銀(43)
37 3八飛(28)
38 4三銀(34)
39 3四歩打
40 5一角(33)
41 5四歩(55)
42 同 金(63)
43 5七銀(48)
44 6五金(54)
45 5六銀(57)
46 7六金(65)
47 5五銀(56)
48 6二角(51)
49 9七角(88)
50 7三銀(72)
51 6四銀(55)
52 同 銀(73)
53 同 角(97)
54 7三銀打
55 5五角(64)
56 6六歩打
57 同 角(55)
58 同 金(76)
59 同 歩(67)
60 4五歩(44)
61 5六金(46)
62 4六歩(45)
63 同 金(56)
64 4四角(62)
65 5五銀打
66 7一角(44)
67 5四歩打
68 4九角打
69 3九飛(38)
70 2七角成(49)
71 3三歩成(34)
72 同 桂(21)
73 3四歩打
74 6七歩打
75 同 玉(78)
76 2八馬(27)
77 3三歩成(34)
78 3九馬(28)
79 3二と(33)
80 4五歩打
81 4一飛打
82 4九馬(39)
83 5六玉(67)
84 4六歩(45)
85 6一飛成(41)
86 4七歩成(46)
87 7二金打
88 9三玉(82)
89 7一龍(61)
90 4六金打
91 同 銀(55)
92 同 と(47)
93 同 玉(56)
94 4五歩打
95 同 玉(46)
96 4四歩打
97 5五玉(45)
98 4五飛打
99 5六玉(55)
100 6七銀打
101 同 銀(68)
102 3八馬(49)
103 投了
まで102手で後手の勝ち
20190423今日の一手
3月9日の名南将棋大会から、HさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
銀(歩歩)と金桂の交換で、馬成銀VS成銀の作り合い、先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は64馬45桂と持ち駒金桂で4枚。(後には62成銀や29飛も使えそうです。)
後手の攻め駒は46飛と持ち駒角で2枚。
総合すれば先手有利です。
☆大局観として
先手の劣っているのは玉の堅さですが、1手で後手玉よりは堅くなりません。攻撃力を生かして後手玉を薄くしていくほうが良いでしょう。
言い換えればどうやって後手玉を寄せるかという問題です。先手玉は薄いので、あまり駒を渡してはいけません。しかし45桂取りですし、どうやっても桂を渡して76桂を食らいそうです。76桂だけ受けても37桂があります。無傷では勝てないです。桂1枚は仕方ない(76桂79玉を想定)として、それ以上の駒を渡す時には注意が必要です。
△か× 受けとしては54馬
が桂取りを避けて76の地点にも利かせた手です。56歩同歩35角69玉
後手の攻めにも何とか耐えているのですが、桂を渡しにくい状態に変わりはありませんから難局です。
○ 攻める手を考えていきます。33桂成が自然な手です。
33同桂しかないでしょう。この時点で先手は金(+馬)得です。52成銀も自然な活用で後手は75角
が攻防の手に見えます。いくつか手段がありますが、41金21玉42金と攻めると76桂を打たれます。
79玉は57角成が危ないのですが、59玉とかわしておけば質駒42金を取られてもまだ先手玉は詰みません。後手が22金と逃げたら46馬同成銀31飛12玉13銀
詰み筋があります。(詰まさなくても勝ちです。)
他には75角に46馬
飛車を取ると、46同成銀41飛22玉42成銀25桂
これはちょっと怪しいです。(31銀13玉32成銀~33銀で何とか勝ちかも。)飛車を取ると後手の成銀が働いてきます。
75角を同馬と取ると
75同歩41金22玉42成銀25桂
32成銀同玉42銀76桂79玉
この先手玉が詰まないので勝ちです。つまり64馬が消えて桂銀を渡しても先手玉は詰まないのでした。
○か△ 33桂不成だと後手は22玉とかわすかもしれません。
余計な変化を与えるという意味では損です。(形勢不利なときに惑わす効果はありますが。)41桂成に53角
46馬同成銀52成銀35角打
攻防の手を指されて難しくなっていきます。66銀75角同銀57成銀59玉75歩42成銀
この順はどうにか先手の1手勝ちです。(多分後手勝ちになる順はありません。)
△ 53桂成も自然に見えますが
53同銀同馬42銀64馬75角
21桂と33桂の位置が違いますが、手番が後手になっているので苦労します。
あるいは53同馬に42角
もありますから、先手有利とはいえ単に33桂成よりも劣ります。
△ 24歩は
24同歩ならば利かしです。つまり33桂成同桂23歩
という攻め方もできます。(問題図から33桂成同桂24歩は37桂があった。)
でも24歩に同銀
取れる銀を逃げられた形です。52成銀45飛41金22玉42成銀同金同馬
銀桂を渡して後手の攻め駒は4枚です。でもまだ詰まされることはなく、76桂79玉47角に32金12玉22銀
後手玉は詰めろ。先手玉は88銀同金69角成(取ると詰み)89玉・・・詰みません。どうにか先手の勝ちのようです。
△ 実戦は46馬、飛車を取りました。
46同成銀で後手の攻め駒が3枚になります。71飛22玉24歩
というのも(先ほど見たように)良い感触ではありません。24同銀に52成銀
で寄せるのですが、71飛の位置が悪く、35角や93角、あるいは57成銀でも危ないところでした。見逃してもらって45成銀42成銀76桂79玉42金
先手玉が危なくなっているので何か受けておくほうが良いのですが、31銀33玉42銀不成同玉(ここまでは良いとしても受けるべき)72飛成33玉32金
44玉と逃げさせた位置が安定していて「王手は追う手」の典型、先手の敗勢です。
× 52成銀と使うのは
良い感じですが、45飛41金22玉42成銀同金同金76桂
よく出てきますが、桂銀を渡した形です。(さらに金の質駒があります。)76桂の王手に59玉は48角69玉57角成
詰めろです。59金に68歩が利くので後手の勝ちでしょう。
76桂に79玉とすると42銀
金の質駒を取られます。これが88銀同玉68角以下の詰めろなので後手の勝ちです。
○ 41金と捨てると
22玉には33桂成同銀31銀13玉15歩同歩26桂
という寄せ方です。
途中33桂成を同桂ならば52成銀
で寄せます。
当然ながら41金を取られる時が怖いのですが
46馬同成銀61飛51金
飛車の王手に後手は金か角を合駒するしかないのです。51同成銀同銀53桂打
31玉しかなくて51飛成から寄せて行くのは簡単です。
51同成銀に31玉
逃げ出されるのでしょうが、33桂成同銀41成銀22玉31銀12玉62飛成
また駒を使わせることができます。
後手が13玉と逃げた時には15歩同歩26桂
というのが寄せの手筋です。
☆ まとめ
受ける手はうまくいかないので(とわかったら)、なるべく駒を渡さないように攻めます。
でも桂は渡すことになるでしょう。さらに銀までは仕方ないとして、問題図で
後手が角銀桂を持っていると考えてください。それでも76桂79玉の形が何とか詰まないのです。
そこまでわかったら自然な順から読んでみます。33桂成同桂52成銀というのが受けにくい、まで見えれば合格点です。駒得しながら寄せて行くのですから、後手は受けにくいはずです。
そのほかの33桂不成、53桂成、24歩、52成銀などは劣る手なので(33桂成で良ければ)考えなくても良いです。
実戦の46馬は後手玉をにらむ好位置の馬を無くしてしまうのですから、第一感では困ります。
急いで攻めたい場合には(33桂成では勝てない時)41金の捨て駒も考えますが、これはご参考までに。
× 56金と打って
守りたい気もしますが、47飛成48歩37竜
金を使っただけの効果はあるかどうか。33桂成同桂52成銀
まあまあの形勢ではあります。
しかし56金を同飛
56同歩35角69玉22玉
これはかなり難しくなっています。