後手番大山先生の手を考えます。
第1問
桂を交換するかどうか。
A 45桂 B 44歩 C 25桂
第2問
少し読んでみましょう。
A 62飛 B 45飛 C 45銀
第3問
どこから攻めても良いようなところですが、これが一番速そうです。
A 86歩 B 56歩 C 57銀
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
桂を交換するかどうか。
A 45桂 B 44歩 C 25桂
第2問
少し読んでみましょう。
A 62飛 B 45飛 C 45銀
第3問
どこから攻めても良いようなところですが、これが一番速そうです。
A 86歩 B 56歩 C 57銀
今日の棋譜20190427
昭和41年6月、二上達也先生と第8期棋聖戦第2局です。
大山先生の向い飛車です。
二上先生の作戦は先手番でも変わらず、5筋の歩を交換して
銀を立ちます。先手番だし1筋を突き越してもいないので47金型だというのが前局と異なります。
飛車を5筋に回られたので中央の位を取ることになりました。
84歩をみて66角から
84に空間を作って仕掛けました。
途中46歩を利かされるのが悩ましいですが
ここに歩を打てれば手は続きます。22同飛は54歩ですね。
33桂には当然同桂成とするものなのですが、歩を払いたくなるのはわかります。
だけど25桂とかわされて、37桂成を見せられると攻めにくい感じがします。後手から44歩を打たれてはいけないので54歩から攻めるしかないですが
角を追われて、当然33角成としたくなります。(11角成とひねっても73角を受けにくいです。)
しかし飛車を切られてはまずいです。飛車を取るわけにもいかず
51馬~24馬でなんとかするしかないですが、56銀を取られてしまうので
飛金取りをかけても
ここでは銀桂と角の交換で駒損です。それ以上に玉の堅さに違いがあるので先手不利です。
手の流れとしては39飛成には25飛とするしかない(駒得ではある)ところですが、68飛は悪いので粘ろうという感じです。
でも大山先生の攻め駒は4枚あります。8筋に手がついて、68飛が壁になっています。
詰めろがかかり
飛車を逃げてもこの と金は取れず
受けはないです。
ここまで。
二上先生の戦法がひどいというわけではないのですが、自然な攻め方をしていないのでうまくいきません。終盤型の棋士の弱点なのでしょう。読みに自信があるのでちょっとおかしな手も読んでしまいます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/06/28
手合割:平手
先手:二上達也8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 5四歩(53)
11 5八金(49)
12 4三銀(32)
13 6八玉(59)
14 2二飛(82)
15 7八玉(68)
16 6二玉(51)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 3六歩(37)
20 7二玉(62)
21 4六歩(47)
22 8二玉(72)
23 1六歩(17)
24 1四歩(13)
25 6八銀(79)
26 7二銀(71)
27 5七銀(48)
28 6四歩(63)
29 4七金(58)
30 5二金(41)
31 5五歩(56)
32 同 歩(54)
33 同 角(88)
34 6三金(52)
35 5六銀(57)
36 7四歩(73)
37 8八角(55)
38 5二飛(22)
39 5五歩打
40 1三香(11)
41 3七桂(29)
42 8四歩(83)
43 6六角(88)
44 8五歩(84)
45 4五歩(46)
46 同 歩(44)
47 同 桂(37)
48 5一角(33)
49 2四歩(25)
50 4六歩打
51 5七金(47)
52 2四歩(23)
53 2二歩打
54 3三桂(21)
55 4六金(57)
56 2五桂(33)
57 5四歩(55)
58 同 銀(43)
59 5三歩打
60 4二飛(52)
61 2一歩成(22)
62 6五歩(64)
63 3三角成(66)
64 4五飛(42)
65 5一馬(33)
66 4六飛(45)
67 2四馬(51)
68 5六飛(46)
69 5二歩成(53)
70 同 金(61)
71 3四馬(24)
72 7六飛(56)
73 7七銀(68)
74 3六飛(76)
75 5二馬(34)
76 3九飛成(36)
77 6八飛(28)
78 8六歩(85)
79 同 歩(87)
80 7五桂打
81 7六銀(77)
82 8七歩打
83 8五歩(86)
84 8六銀打
85 1八飛(68)
86 8八歩成(87)
87 6八玉(78)
88 6六歩(65)
89 2五馬(52)
90 6七歩成(66)
91 同 銀(76)
92 同 桂成(75)
93 同 玉(68)
94 6六歩打
95 同 玉(67)
96 6五歩打
97 投了
まで96手で後手の勝ち
20190427今日の一手
3月9日の名南将棋大会から、UさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
銀君の交換でわずかに先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は75角54飛と持ち駒金で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手は飛角銀をさばいた(攻め駒にした)けれども左金が取り残されています。角交換振り飛車(特に中飛車)だとよくあることです。
飛車取りに銀を打たれました。飛車を逃げるのが普通で、縦に逃げると飛車先を止められるでしょう。左金を寄せて行く余裕があるかどうか。
横に逃げると飛車を成りこめそうです。後手も抵抗してくるでしょう。それに乗じてカウンターを決めれば後手玉を寄せられるのです。というのは75角が42金をにらんでるのが大きいから。どこかで42角成とする手が有効になります。
今は先手の攻め駒は3枚なのですが、25桂と使えば4枚目の攻め駒です。先手玉の薄さが気になりますが、良いところで跳ねたら一気の寄せになります。
△ 59飛は常識的な手です。
後手のねらいとしては58歩同飛57歩同飛65桂
42角成同銀としても飛金両取りなので、後手の技が決まっています。先手としては57歩を取らなければ良いのですが、少し不満です。
また58歩同飛に49銀
割打ちで先手玉を薄くされるのも嫌な展開です。
よって58歩には79飛と
かわすのでしょう。65桂には68金です。53角
素抜き筋を防いだ素抜き筋です。97角79飛成同角49飛
という攻防で、形勢互角です。
△か× 58飛や57飛では後手の思い通りですから、56飛
と逃げてみます。92角66飛65銀
飛車を取られるのはちょっと嫌です。
92角に59飛
58歩79飛47銀
後手の92角が良く働いています。面白くない展開でしょう。
△か○ 55飛ならば
65桂もないので54歩くらい。59飛65桂76歩
後手は77歩とか67歩成とかで攻めてくるのでしょうが、左金を相手にしてもらうという意味があります。先手からは(25桂42銀)53金が有効ですから、ゆっくりした攻防が好きであれば、これが一番良さそうです。
○ 横に逃げてみましょう。64飛
62飛成が厳しいですから、後手は53角が必然です。74飛75角同飛
これは73桂をピンしています。57角47金打67歩成57金同と62角
74歩同飛63金71角成74金
ちょっと嫌な感じはありますが、25桂24銀51角
25桂も含めて四枚で寄せていますから先手優勢です。
後手は57角がだめならば74歩
74同飛56角65飛65桂
上手く返されたようですが、先手は77桂同桂成62飛成と応じて、74飛に65角
飛車を追います。67成桂74角同角25桂
アクロバティックな攻防が続きましたが、先手の寄せが始まれば優勢です。
先ほどの手順が怖いと思えば56角に77飛
47銀62角72飛73角成
後手の47銀も嫌な手です。73同飛同飛成38銀成同銀48金29金
先手玉は薄いですが、後手の攻め駒は3枚だけです。71竜と入れば何か埋めさせることができますから、先手有利です。
もっとわかりやすいのは飛車を逃げずに攻めることです。53角には25桂
24銀には54歩
飛角交換は歓迎です。54同銀同飛75角62銀
先手の攻めは十分に続きます。
○ 74飛だと
56角64飛65桂が
嫌な返され方ですが、72歩を取れず(61飛成~31金)、51飛62飛成
38角成同銀59飛成25桂
後手玉は詰めろ。先手玉は詰みません。52金打と抵抗されても寄せきれそうです。
○ 84飛だと
93角74飛75角同飛というのは前にやった変化と合流します。65桂にはやはり72歩を取れず、51飛に54歩
というのがぴったりした感じです。93角には53金84角同角
これが飛取りで、61飛には43金
43同金には52銀、43同玉には62金、先手の攻めは続きます。
81飛には62角成
がぬるいようですが、後手から速い攻めはないです。71歩成から飛車を追って74角を打つ手も有効な攻め方です。
× 飛車を逃げずない手も考えられます。53飛成は
53同金同飛成が飛車取りなのですが、39角
から王手馬取りで返す手があります。39同玉59飛28玉53飛成
これは先手の駒損で、53竜の守備力が高いです。
△ 実戦は72歩でした。
この歩は取れないので打ちたくなるのですが。54銀71歩成58飛69金
飛車を取り合い、金を打って粘るのは形勢互角です。
実戦では61飛と逃げられました。
後手からの67歩成はありますが速い手ではないので、74飛~73飛成ならば先手が指せていました。でもあわてて53飛成を決行、53同金同角成42銀
後手としては39角から王手馬取りをかければ有利でしたが、銀を埋めても悪くないです。71歩成65飛97馬55飛
二枚飛車で攻められて劣勢です。
☆ まとめ
実戦のように飛車を切るというか金と交換して馬を作っても、先手玉が堅くない+78金が浮いているので面白くありません。
飛車を縦に引くと、後手から反撃を食らいます。55飛54歩59飛が一番良くて、少しゆっくりした展開です。
飛車を横に逃げるほうが怖いようにも感じますが、飛車を成って25桂~42角成と攻めていくのがかなり速いのです。4枚目の攻め駒は右桂でした。美濃囲い(高美濃や銀冠)の利点の一つですね。この寄せの構想が思い浮かべられるかが課題でした。