負けたほうからですが、先手番升田先生の手を考えます。
第1問
攻めの分岐点です。これが一番良さそうで、先手有利になります。
A 24同飛 B 46歩 C 51角
第2問
ちょっとしくじりましたが、後手も間違えました。またチャンスです。
A 44角 B 41角 C 33香
第3問
升田先生はここでも間違えてしまいました。正しくは?
A 86歩 B 86銀 C 67銀
第4問
またチャンスが来て、逆転です。
A 19香 B 29香 C 37銀
負けたほうからですが、先手番升田先生の手を考えます。
第1問
攻めの分岐点です。これが一番良さそうで、先手有利になります。
A 24同飛 B 46歩 C 51角
第2問
ちょっとしくじりましたが、後手も間違えました。またチャンスです。
A 44角 B 41角 C 33香
第3問
升田先生はここでも間違えてしまいました。正しくは?
A 86歩 B 86銀 C 67銀
第4問
またチャンスが来て、逆転です。
A 19香 B 29香 C 37銀
今日の棋譜20230227
1954年8月、二上達也先生(当時七段)と王将戦です。若い世代が出てきました。
升田先生の先手で角換わりです。
升田先生は腰掛け銀、二上先生は銀の動きを保留して
いましたが、相腰掛け銀に進みます。
ここで73桂に45歩と進めば先後同型の升田定跡になるかも。
でも73桂を保留しておくというのが、後手の有力な対策です。(この局面を名南将棋大会の参加者の少年たちに聞いてみると、68金右と待つ、という意見でしたが、後手も待っていれば千日手です。)
先手の48金を見て73桂を跳ねる。29飛ならば65歩と先攻して後手がまあまあでしょう。それが有力だとされていたのですが、
では先手が45歩同歩同桂(41角もあったか)と攻めたらどうなるでしょうか。45同銀同銀は難しいかもしれないけど、まあ先手もちです。42銀には41角63角同角成同銀の形であれこれ攻められそう。なので44銀が普通の受けですが、
24歩同歩51角。これは後手がまずいのか。戻って
73桂が甘いのではないかということになります。65歩同歩75歩同歩73桂というような、ちょっと無理そうな攻めを考えるのが現代的というか、今の時代の指し方だったのでしょう。
また戻って
桂取りを受けにくいし、24角成もあります。
でも46角の飛取りで返せる、というのが二上先生ののねらいだったはずです。29飛65歩は後手が良さそう。でも23歩同金が入って(23歩に同玉は29飛65歩47金~24角成)
73角成28角成82馬は升田先生の桂得です。後手玉が乱れているので先手有利ですね。まだ角換わり腰掛け銀のブームは続きそうな感じがしてきました。
後手の19馬に、升田先生の64馬(歩を取った)は乱暴です。飛を打ちおろしておくか、91香を取れば十分すぎたでしょうに。
64同馬62飛42歩64飛成、馬は取り返したけど、後手の馬は働いていなかったし、91香も取り損ねたし、後手を引いています。
18飛38桂。働きのない桂を打たされて、後手有利に変わっています。
二上先生の37香同金19角は格好いい手だけど、
46角37角成同角38竜。これは角金交換でしかありません。難しくしたでしょう。
26角63金。竜は捕獲できるけれど、駒得でもないのです。
63同竜同銀41角。これは痛くて
32桂63角成、さらに45銀同馬(44角と切られるのを嫌ったのか)、これで角銀銀と飛桂の交換は駒損です。また先手有利になりました。
86歩55馬44桂打86歩。升田先生が86歩を歩で取ったのが失敗です。銀で取れば問題がなかったのですが。
29飛の角取り、37角などでは87歩同玉89飛成が痛いのです。仕方なく48銀と受けて
26飛成39金18竜。飛角桂と銀銀の交換で駒損です。でも先手玉のほうが堅く、攻め駒は3対2、まだよい勝負でしょうか。
二上先生の85歩が甘くて、19香。27竜引には37銀打25竜28歩あるいは28銀36竜引37銀右で竜を1枚取られます。
48竜同金86歩81飛。でも銀を打たせてから切ったほうが良かったはずですが。また駒損に戻り、先手有利か優勢です。
29竜49歩25竜91馬
87銀同金同歩成同玉(同飛成が無難)に45角。これで勝負になったのか?
31銀33玉26歩同竜41飛成。升田先生は銀取りを放置して寄せに出ます。
67角成52銀で詰めろ。
25歩46馬35歩。この図はかなり難しくて、
43銀成同歩78金、升田先生は一回受けに回ります。
86歩同銀34馬
42竜24玉32竜、この辺りが甘いのでしょう、
85歩同銀86歩同玉33金打。後手玉が堅くなっていて
62竜78馬、金を取られて先手劣勢です。84銀は入玉を目指しているのですが、後手に金銀3枚を持たれているので望み薄です。
36竜82馬67馬69香。この香は犠打で
68歩同香同馬85玉と逃げだします。
あとは先手玉が捕まるかどうかなのですが、
この81歩が良い手で、
81同馬64竜83歩に85銀も好手。85同玉93歩同銀不成75歩では捕まっているようです。
93玉に63竜同馬同馬同竜91銀。上下の詰めろです。
95銀81桂84玉76銀。詰めろではないけれど
61飛27角。この角が良く働いています。
64歩93金74玉73歩。75玉には74香86玉63角成・・・
73同竜に72香。もう望みがなくて
63歩成73桂77桂
67飛72と同角成まで。
二上先生には終盤力があるし、若いので粘りも利きます。体力のない升田先生が攻め急いで失敗したら勝てないです。
さて角換わり腰掛け銀では、昨日並べた将棋の後手の待機策以外にも、本譜の待機策があるということがわかりました。だけど本譜のほうは先手に対抗策があると見て良いでしょう。なので角換わり腰掛け銀は、主流ではないけれど、まだ続くようです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/08/20(金) 00:00:00
棋戦:王将戦
戦型:角交換腰掛銀
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:二上達也
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 3八銀(39)
14 5二金(61)
15 6八玉(59)
16 4一玉(51)
17 7八金(69)
18 3三銀(22)
19 4六歩(47)
20 6二銀(71)
21 5八金(49)
22 6四歩(63)
23 1六歩(17)
24 1四歩(13)
25 3六歩(37)
26 6三銀(62)
27 4七銀(38)
28 5四銀(63)
29 3七桂(29)
30 7四歩(73)
31 7九玉(68)
32 9四歩(93)
33 9六歩(97)
34 3一玉(41)
35 5六銀(47)
36 4四歩(43)
37 6六歩(67)
38 2二玉(31)
39 8八玉(79)
40 4三金(52)
41 4八金(58)
42 7三桂(81)
43 4五歩(46)
44 同 歩(44)
45 同 桂(37)
46 4四銀(33)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 5一角打
50 4六角打
51 2三歩打
52 同 金(32)
53 7三角成(51)
54 2八角成(46)
55 8二馬(73)
56 1九馬(28)
57 6四馬(82)
58 同 馬(19)
59 6二飛打
60 4二歩打
61 6四飛成(62)
62 1八飛打
63 3八桂打
64 3七香打
65 同 金(48)
66 1九角打
67 4六角打
68 3七角成(19)
69 同 角(46)
70 3八飛成(18)
71 2六角(37)
72 6三金打
73 同 龍(64)
74 同 銀(54)
75 4一角打
76 3二桂打
77 6三角成(41)
78 4五銀(44)
79 同 馬(63)
80 8六歩(85)
81 5五馬(45)
82 4四桂打
83 8六歩(87)
84 2九飛打
85 4八銀打
86 2六飛成(29)
87 3九金打
88 1八龍(38)
89 6七銀(56)
90 8五歩打
91 1九香打
92 4八龍(18)
93 同 金(39)
94 8六歩(85)
95 8一飛打
96 2九龍(26)
97 4九歩打
98 2五龍(29)
99 9一馬(55)
100 8七銀打
101 同 金(78)
102 同 歩成(86)
103 同 玉(88)
104 4五角打
105 3一銀打
106 3三玉(22)
107 2六歩打
108 同 龍(25)
109 4一飛成(81)
110 6七角成(45)
111 5二銀打
112 2五歩(24)
113 4六馬(91)
114 3五歩(34)
115 4三銀成(52)
116 同 歩(42)
117 7八金打
118 8六歩打
119 同 銀(77)
120 3四馬(67)
121 4二龍(41)
122 2四玉(33)
123 3二龍(42)
124 8五歩打
125 同 銀(86)
126 8六歩打
127 同 玉(87)
128 3三金打
129 6二龍(32)
130 7八馬(34)
131 8四銀(85)
132 3六龍(26)
133 8二馬(46)
134 6七馬(78)
135 6九香打
136 6八歩打
137 同 香(69)
138 同 馬(67)
139 8五玉(86)
140 6七馬(68)
141 9四玉(85)
142 6六龍(36)
143 6四歩打
144 4五馬(67)
145 6三桂打
146 8一歩打
147 同 馬(82)
148 6四龍(66)
149 8三歩打
150 8五銀打
151 9三玉(94)
152 6三龍(64)
153 同 馬(81)
154 同 馬(45)
155 同 龍(62)
156 9一銀打
157 9五銀(84)
158 8一桂打
159 8四玉(93)
160 7六銀(85)
161 6一飛打
162 2七角打
163 6四歩打
164 9三金打
165 7四玉(84)
166 7三歩打
167 同 龍(63)
168 7二香打
169 6三歩成(64)
170 7三桂(81)
171 7七桂(89)
172 6七飛打
173 7二と(63)
174 同 角成(27)
175 投了
まで174手で後手の勝ち