名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20181023今日の一手(その773);ゼット

2018-10-23 | 今日の一手

20181023今日の一手

7月14日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀歩歩と桂の交換で馬を作っています。先手の駒損ですが、終盤なので損得なしくらいに考えておきます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は71飛73馬と持ち駒桂で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒飛銀で2枚。

総合すれば先手有利です。

何手で詰めろかを見てみると、後手玉はすぐに詰めろがかかりそう(瞬間ならば54桂とか63馬とか)で2手すきくらい。
先手玉は79飛~57歩~58銀での詰めろは4手すき。35金で27角成を見れば詰めろ、2手すきですね。
先手番ですから先手有利です。

☆ 大局観として
先手玉はほぼゼット(何枚渡しても詰まない形)です。桂馬を渡さなければ完全にゼットですね。
後手の35金には63角を取ればよい(だいたい詰めろ逃れの詰めろになるでしょう)ので実際は2手すき対4手すきで先手番、寄せ合いは3手違います。
だから正解も多いでしょうが、わかりやすく勝ちたいです。42玉~33玉から粘られないように寄せましょう。


△か× 実戦は63馬と角を取って63同歩73桂

で銀を取る順を選びました。42玉61竜33玉

というのは後手玉を逃しています。粘られているうちにとん死してしまいました。

戻って63馬同歩には54桂

としばるほうが良さそうです。これが詰めろ。(問題図の後手玉は確かに2手すきでした。)後手の粘りは62角で、同桂成同玉

飛車当たりです。91飛成81歩54香72銀打84角73桂

先手が悪いわけではないけれど、粘られています。


○ 64歩は

2手すきです。42玉~33玉と逃げるならば角銀を取れるので寄せられるでしょう。
41角54桂は必至です。
54角には61飛成同玉63桂

63同角同歩成で必至です。桂馬1枚渡しても先手玉は詰まないです。

桂を渡すのが嫌ならば61飛成同玉に52銀

71玉63歩成同角同銀成というのもあります。



○ 61飛成を先にすると

61同玉に64歩

角を逃げれば前の変化に合流します。51玉63歩成42玉

52歩成33玉51角

合駒するしかありません。42銀同と24歩(42同金は53と)43と23玉

こういうのは駒を取り返しながら追いかけているので多少長引いても大丈夫でしょう。


○か× 64桂は

63馬をねらっています。後手は逃げ出すしかないでしょう。42玉61飛成33玉62馬54角52歩成35金

詰めろをかけられて39金とか受けたらまだまだではありますが、怪しくなっています。

正しくは62馬ではなく52歩成で

(54角には53と を用意しています)35金の詰めろに63馬同歩51角44玉66金

とすれば寄せきれそうです。45金に33銀が利きます。


× 52歩成は

問題図の直前で53歩を打って51玉だったので単なる1歩損ですが、問題図だけ見ていれば考えますね。52同角53桂

42玉61桂成44歩62成桂43角

銀を取ったとはいえ、角に逃げられて面白くないです。先手有利には違いないですが。

52同玉に64桂

のほうも銀を取れます。51玉72桂成42玉62成桂

銀を取らずに成桂を寄るのがよくて、62同銀同馬54角51飛成33玉54竜

桂と角銀を交換したという取引です。粘られるにしてもこれならばまあまあ。
(問題図の前の53歩では64桂から追いかけるのもあったという話です。)


△ 91飛成は

駒損を解消して攻め駒を増やしました。72銀打が嫌ですが、72同馬同角64桂

63角61竜同玉52銀71玉73玉

とすれば寄り筋です。

後手としては角を逃げられず42玉

72桂成同銀52歩成同玉54香53歩41銀

42玉32銀成同玉53香成81歩

93竜から寄せていけば何とかなります(が難しい変化でした)。

72銀打のほかに81歩もあって

64香54角66桂

ちょうど角を取れるので、42玉から逃げ出されてもまあまあ指せます。


× 他には66桂か。

74桂~62桂成ねらいです。72銀打には同馬同角52銀

桂を使ってしまったので銀を打ちこむしかないです。42玉61銀不成94角

これは逆転模様です。


☆ まとめ
63馬同歩54桂が良さそうな順で、後手玉は詰めろ。簡単だと思ったら62角で粘られて難しいのです。

先手玉がほぼゼットなので何を渡しても良いということに気がついたら、61飛成同玉とすると42玉~33玉の逃走ルートから遠ざかるのだなあとわかるかもしれません。
64歩54角61飛成か、61飛成同玉64歩か、どちらも正解のようです。

背景には35金の詰めろに63角を取れる形にしておくことが詰めろ逃れの詰めろになるということがあります。詰めろが途切れるならば、それでもゼットは保たねばなりません。


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