四年前の5月に北海道に行きました。ハロプロヲタになってから初めての北海道だったので、観光しがてら滝川に行ったり、札幌にある某メンバーの父親がバーテンダーやっている店に行ったり(店は休みだった)しました。今日は、7月23日。今回の記事は723の日企画という事で、その時に訪れた室蘭の話です。。
旅の目的は、北海道の5月の風景の写真撮影にあった私は、一眼レフとデジカメを抱えて一日目は函館、二日目は大沼と余市と小樽、三日目は滝川と赤平、という感じで町歩きを楽しみながら写真を撮り、四日目は室蘭にやってきた。室蘭駅前で昼食したあと、バスでやってきた地球岬は地平線が丸く見える壮大なスケールの場所だったが、広い駐車場がある割には観光客は少なく、一眼レフを肩に掛けているいで立ちな私は目立つため、女の子の観光客に「すいませんシャッターお願いします」などとカメラマン役を任されたりしていた。
アイヌ語の「チキウ」から名付けられた地球岬は、町のすぐ近くにこんな大きな断崖の岬があるという不思議な立地条件に感心させられる場所。帰りは室蘭駅には向かわず母恋(ぼこい)駅前で降りた。
町の中心地からははずれた所にある母恋駅は、一見無人駅風でありながら、おばさん駅員がいて「ホッキめし」という駅弁を販売している。おばさん駅員と母恋という駅名は、なかなか良い組み合わせだけれど、母恋とはアイヌ語で「ホッキ貝が多い所」という意味から来ているのだそうだ。
母恋からディーゼルカーに揺られ、東室蘭へとやってきた。製鉄所や港の風景で町並みも少し古い室蘭駅付近に対して、東室蘭は後から発展した住宅地という感じに見える。東室蘭は室蘭市の玄関口と言える場所で、列車の乗りつぎなどでホームに降りた事はあったが、駅の外に出るのは初めてだ。
駅前には商店が点在するものの商店街と呼べるようなものは見当たらず、とりあえず海に向かって歩いていくと、やがて小学校に辿り着いた。モーニング娘。の本であらかじめ予備知識があった、なっちの出身小学校だ。学校の横には、校舎くらいの高さの小山があり、校庭は広々としている。学校の裏はすぐ海岸になっているので、私は海岸に出てみた。
砂浜には水鳥が列を作って羽根を休め、その砂浜を太平洋の少し高い波が洗う。空は水色でも紺色でもないブルーそのものの青さで、海の色は更に青の濃さを増していた。
私は、なっちの曲には「空」を歌ったものが多い事を思い、この空の青が安倍なつみそのものなのだと、空の色を見続けていた。
海岸から再び住宅地の中に入り、次はなっちの出身中学校に行ってみる。海岸から10分ほど歩いて着いた学校の周りを、部活の生徒達がランニングしている。私は、ランニングの列が切れるのを待ってデジカメを構えて校門を撮影した。撮り終えた瞬間に、校舎から女子生徒二人組が現れた。こちらを見て口元が緩んでいる。「また、モーヲタが来たか」と思われたのだろう。それでも、騒ぎ立てる訳でも、大声で笑う訳でもなく、横目で見ていくだけだ。ヲタがデジカメで学校を撮影などは、見慣れた光景なのかもしれない。
わざわざ北海道まで訪れるなっちヲタがどのくらいいるのか想像がつかないけれど、なっちがデビューまでを過ごした町を見てみたいという私のような人は、それなりの数がいるのかもしれない。午後の明るい日差しに包まれる室蘭の町、なっちも歩いたかもしれない道を歩きながら、物好きな自分に苦笑しながらも、この青空とあの青い海岸の風景を思い出して、来て良かったと思うのだった。
今回のBGM 空 LIFE GOES ON / 安倍なつみ