JR和歌山線の笠田駅から徒歩で5分のところ、新しくできた複合施設の「野半の里」があります。ここは地元の酒造会社が酒蔵を改装し、自前でボーリングをして温泉を掘り当て、地ビールの開発やレストランを開くなど、複合的に観光を興そうとしている新しい施設です。
施設内に、別の酒蔵を移設して温泉施設としたのが「老鶴館」です。酒蔵らしい太い柱や梁は磨かれていて黒光り。この温泉では泉質にはかなりこだわっており、加温はしていますが掛け流しです。施設のパンフレットには泉質について詳しく解説し、情報公開を積極的に行っていることに好感が持てる半面、いささかくどいような気もします。
さっそく温泉に入ってみると浴室には二つの浴槽があり、それぞれ泉質の異なるお湯が満たされています。透明なほうはとりたてて特徴のない湯だが、主浴槽はやや緑がかった鶯色で、かに味噌を酒で溶いたような色。ヌメリ感は感じられないが、注ぎ口には飲泉用のひしゃくも置いてある。恐る恐る飲んでみたら結構美味い。浸透圧に近い塩気なためか、グビグビ飲める。
露天もあって、ここは無色の湯。打たせ湯が流しっぱなしにしてある。これほど湯を贅沢に使っていて循環なしとはにわかに信じられない。賛否両論、塩素臭がきついとの話しも聞くが、このときはそれほど気になりませんでした。
平日なので空いていたが、休日は結構混んでいるとの事。この設備と泉質で入浴料750円とはまあまあ安いと思います。施設内には地元の物産店や食堂も充実しています。観光バスで訪れる団体さんも多いのでしょうね。ただし、セルフの食堂は若干割高かな。
- 泉質:含二酸化炭素・鉄‐ナトリウム・塩化物炭酸泉 23.1度
- 場所:JR和歌山線・笠田駅
- 訪問日:2006年11月13日
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