出雲の旨いもんと名湯をめぐるバスの旅(1)の続きです。
実に静かな海潮温泉の極上温泉を堪能してバス停に戻りました。ここから再び一畑バスで終点の大東を目指します。乗客はワタシのほか2人程度。
雲南市の大東は、合併以前は大東町の中心の町で、総合病院があるなど意外に大きな町です。バスは国道を外れ、その町中を走りぬけ、やがて終点の大東駅に到達。木次線の出雲大東駅は典型的なローカル線の駅で、木造平屋の駅本屋に小さな待合所がある。正面には今はもう使っていない腕木式信号機がモニュメントとして屹立しています。
プラットホームで待っていると、定刻で単行のディーゼルカーが入線してきました。車両はJR西日本の「キハ120」、ローカル線専用の小型車です。ワンマンカーの列車に乗ってさらに奥地の中国山地へ。新世代のディーゼルカーは急勾配も軽快に登って行き、木次駅で降りました。
木次は雲南市の中心地。駅前にはショッピングセンターもあり、意外に賑わっています。ここからは雲南市民バスに乗って湯村温泉を目指します。バスはふそうの「エアロミディ」。車内放送はなく、NHKラジオがかかっています。そう、これは路線バスではなく住民のためのバス。乗客のほとんどが運転手の顔見知りなので、行き先案内をする必要がないのです。なので車両も青ナンバーではなく白ナンバー。そんなバスに紛れ込んだワタシは明らかにを旅行者らしく、察した運転手が、ワタシにだけどこまで行くか聞いてきました。運転手が「着いたよー」。
何の変哲もない集落の端っこにバスが止まりました。「坂を下りたところに温泉があるから」っと教えられたとおりに行くと、実に小ぢんまりした温泉街が現れました。
翌朝は再び雲南市民バスで木次に戻ります。朝の市民バスは中高生でいっぱい。ひとつだけ空いた座席を見つけ座ると、周りから冷たい視線が…バス停で止まる度に生徒が乗ってきてワタシを一瞥して通路に立ちます。いつもの席に見慣れぬオッサンが座っているので不快なのでしょうか…木次駅でバスを降り、木次線で宍道駅に向かいます。車両は昨日と同様「キハ120」の単行。20人ぐらいを乗せた車両は中国山地を下ってゆきます。
宍道駅で山陰本線に乗り換えます。宍道湖を見ながら西に向かうと程なく松江。そのまま通りすごしたら、こんどは中海が現れます。安来駅のひとつ手前の荒島駅で降りました。
荒島駅からは安来市広域生活バスで鷺の湯温泉を目指します。車両はローカル線の定番、日野「リエッセ」です。この路線は以前は一畑電鉄バスだったのだが、乗客の減少により民間で維持できなくなって市営となったとのこと。なので、ここでも白ナンバーです。乗る際に運転手に行き先を告げました。雲南市民バスで学習したからね。
およそ15分ほどで鷺の湯温泉に着きました。この地は鷺の湯温泉より足立美術館のほうが比べようもないほど有名です。
温泉もいただいたし、せっかく来たのだから足立美術館に入館してみようと思いました。横山大観をはじめとする日本画や、見事な工芸品の数々など、値打ちの高そうなものだらけ。私の頭の中の金銭感覚はインフレ状態になりそうです。
日本画はよくわからんが、それでも庭園は見事なもの。
当初、鷺の湯温泉から路線バスで米子駅へ行くつもりだったが、米子まで美術館の無料シャトルバスがあるとのこと。あっさり初志を放棄し、このバスに乗ることにしました。普段マイクロバスに乗ることもないからね。絢爛豪華な美術館のバスだけあって、デラックスタイプのトヨタ「コースター」です。
米子駅からは特急「やくも」で岡山に向かいます。車両は381系電車。スピードを落とさずカーブを通過できる振り子電車です。
たまたま指定された席は前列にシートがない。おかげで足を思いっきり伸ばすことができます。ひょっとしたらグリーン車以上の余裕かも…あ、あれ!テーブルがない。
米子駅で買った「かにちらし寿し」。カニの身が豊富でウマウマ!テーブルがないのでお膝の上で食べる。コレが正しい駅弁の食べ方ですね。
中国山地を縦断する伯備線は天候の影響を受けやすい。以前利用したときは豪雨でかなり遅れました。今回は列車は大丈夫だったが、対岸の国道は土砂崩れで不通になっていました。山越えルートはいろいろあるもんです。
- 訪問日:2006年6月24~26日
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