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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽

2023-04-18 05:05:48 | 映画
日本映画を積極的に見て行こうと言う企画で視聴した作品。
言わずと知れた太宰治の『斜陽』の映画化である
商売柄一応原作は既読ですが、学生時代に読んでるのでもうほとんど覚えていませんが
ヒロインがデカダンスな作家と一夜を共にしただけで妊娠し、今で言うシングルマザーとして戦後を生きて行こうって言うくらいしか覚えていませんでしたが・・・
 
斜陽の表題が示す通りヒロインは戦後解体された貴族の娘で
東京から庶民として伊豆に新居を構え叔父からの僅かなお金をもらい農家を手伝いながら生きていたものの
戦地から生還して来た弟が極貧生活を嫌いデカダンスの太宰治をモデルにした様な流行作家の元でクスリと酒にうつつを抜かす怠惰な生活をとがめに行って
 
過去に惹かれていた作家に再会し心ときめかせて
っていうか作家の妻子への当て付けなのか一夜の欲情に身を任せてしまうことで身篭ってしまうものの
母と弟の死を乗り越えて、結核で客死した作家と同じ日に男子を産み
母として女として作家の女房に勝った気でシングルマザーとして生きていくことを選択するお話
 
まぁまぁこうやってストーリーを書くとちょっとドロドロした感じになるんですが
ヒロイン演じてる宮本茉由さんの美貌と爽やかな演技によって
没落貴族のお嬢様が愛を貫いたことで女として強くて生きていく術を得ていくって言う様な作品に映画はなっている様で
太宰治がこの作品を上梓した戦後直後の昭和の女っていうよりは
平成を経て令和って言う時代の女としてヒロインを捉えた作品になっていた様な
 
見終わって調べてみたら白坂依志夫と増村保造の未発表の脚本を
増村保造の助監督を努めていた近藤明男が今の時代に合わせた女性像のヒロインに脚本を時代に合わせたように手直しして自らメガホンをとって完成させた作品
今でも太宰治ファンは引けも取らないってことでの映画化でもあった様ですが
私的にはなんで今更太宰なのって思ってしまうし
この『斜陽』は五社自身がプログラムピクチャーを量産していた映画界では一度も映画化されていなかったんですね
って言うことで白坂・増村脚本は脚本段階で企画は通っていなかったってことだったんですね
そう言う意味でも、なんで今更って思えるんですよね私には・・・
 
でも初めて宮本茉由さんって言う女優さんを得ての映画化って言う意味ではある意味成功であったって言うのも事実ではあるような・・・
今後日本映画を積極的にっていう企画の中で宮本茉由の名を見つけていければって思ってしまいました。
 
2022年製作、日本映画、「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」製作委員会作品
太宰治原作、白坂依志夫・増村保造原案脚本、近藤明男共同脚本・監督作品
出演者:宮本茉由、安藤政信、水野真紀、奥野壮、田中健、細川直美、白須慶子、三上寛、柏原収史、萬田久子、柄本明、尾崎右宗、菅田俊、緒方美穂、岡元あつこ、春風亭昇太

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