クラシックな音楽的生活

日々、家の中にヴァイオリンとピアノの音が流れています。

悔いがない

2015-03-24 | 下の娘ごと

吹き抜けになっている3階のテラス席で、

ひたすら落ち着かない気持ちで待っていました。

長い渡り廊下の一番奥に制服姿の女子生徒がヒョコッと現れると、

そのままこちらに向かって走って来ました。

その姿を見て、言葉を待たずともすぐにわかりました。

あぁ、上手く弾けたんだな。

息を切らして私の前に立った下の娘。

その顔は、笑顔ではありませんでした。

初めて見るような顔。

なんだろう。

茫然としているような、びっくりしているような。

信じられないことが起きた・・・って感じの顔かな。

そして、なかなか言葉を発しない。

じっと娘の顔を見つめて、黙って待ちました。

その見開いた大きな目から、涙がこぼれました。

こういう種類の涙も初めて見る。

私の目からも同様に涙がこぼれました。

「弾けた! 間違えなかった! やりきった! すごい満足感がある!」

涙をぬぐうと、興奮した様子で一気に話し始めました。

そんな感情を剥き出しにしたしゃべり方、表情も初めて見る。

娘のその言葉は、まさに私が何よりも聞きたかったもの。

1回目の実技試験を終えた後のあの心折れた状態から、

よくぞ立ち直り、逃げずに果敢に立ち向かったね。

「やりきった!」と誇らしげに言えるくらいの演奏ができたんだね。

本当に強くなったね。

自分の演奏を振り返り、

「悔いがない。」と言い切りました。

不合格になったとしても、やり切ることができたから悔いがないと。

良かった。

それこそが大切。

今の自分の精一杯を出しきれたこと。

心の底から満足感を得られたこと。

努力が報われた瞬間を味わうことができたこと。

あぁ、本当に良かった。

激しい緊張から解き放たれた娘は、しばらく放心状態でした。



いつぞやの、ママ友3人でお茶。














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