第20回ツアー・オブ・ジャパン2017(UCI2.1)第7ステージ伊豆
5/27(土)9:30
日本サイクルスポーツセンター周回コース
12.2㎞ x 10周 = 122.0㎞
出場選手:入部正太朗・木村圭佑・湊諒・西村大輝・横山航太
日本最大のステージレース「NTN presents ツアー・オブ・ジャパン」、5月27日(土)は第7ステージ伊豆。コースは静岡県伊豆市の自転車のテーマパーク「日本サイクルスポーツセンター」の5kmサーキットと競輪学校を含む園内外の道路をつないだ1周12.2kmで、これを10周する122.0km。つねに上りと下りを繰り返し、テクニカルなコーナーも連続、総獲得標高は3750mに達し、総合順位が入れ替わる可能性のある最終決戦となる。
シマノレーシングは、キャプテン入部正太朗のUCIポイント獲得圏内(総合25位以内)である総合24位を守ることを最低限の目標として、さらなるチャンスを狙っていく。また高校時代からここで練習していた野寺秀徳監督にとっては、地元ステージとなる。
前日の雨が上がり、絶好の観戦日和となったこの日。遠くには富士山もくっきり見え、2万0,200人のファンがコース脇の芝生などでレース観戦を楽しんでいた。4日ぶりの日差しの下でのレースに、選手たちはスタート前に体に水をかけて冷やして備えた。
▲前日まで姿を隠していた富士山がハッキリと見える晴天
レースがスタートした1周目、山岳賞トップの初山翔とダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)、クリス・ハーパー(アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス)の4人が、逃げを決める。
▲スタートを待つ選手たち
メイン集団は、リーダージャージのオスカル・プジョルを抱えるチーム右京が落ち着いたペースでコントロールし、タイム差は5周目に最大4分15秒まで広がる。
集団内で勝負どころに備えていたシマノレーシングの選手たちだが、4周目にトラブル発生。木村圭佑の後輪がパンクしてしまう。すぐさま大久保メカがホイール交換を行ったが、この大会期間中に調子が上がらない木村はなかなか集団に復帰できず、無念のリタイアとなった。
▲木村圭祐がパンクトラブル。コンディションが万全でない事もあり、パンクトラブルの遅れを取り戻すことができなかった。
レース後半に入った6周目になると、NIPPO・ヴィーニファンティーニがメイン集団の先頭に出てペースを上げ、タイム差を2分30秒まで一気に縮める。落車のケガを抱えて走る西村大輝、横山航太はこの動きに耐えられず脱落。25人ほどに絞り込まれた集団に、シマノレーシングは入部正太朗、湊諒の2人だけを残すことになった。
▲無線で選手に状況を伝える野寺監督
入部も集団から遅れかける場面があったが、湊のアシストでなんとか集団に食らいつく。7周目には、そのメイン集団から今大会ステージ3勝のマルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)がさらねる勝利を目指して追走開始。8周目には元台湾ロード王者のフェン・チュンカイ(バーレーン・メリダ)がカノラに合流して、2人で先頭4人を追走する。
しかし、追走2人もメイン集団もなかなかタイム差を縮められない中、9周目に先頭4人からマルコス・ガルシア(キナン)がアタック。結局、1周目から逃げていたガルシアが、残り2周を独走し、ステージ優勝を飾った。
▲逃げ集団から単独アタックを成功させステージ優勝を飾ったマルコス・ガルシア選手(キナンサイクリングチーム)
また、リーダージャージのオスカル・プジョル(チーム右京)は4分17秒遅れのメイン集団内でゴールし、総合優勝をほぼ確実にしている
粘りの走りを続けていたシマノレーシングの入部と湊は、最終周でメイン集団から約1分遅れるも、それぞれ27位、29位でゴール。入部は総合順位を一つ上げ23位に、湊も総合32位からUCIポイント獲得圏内にあと一歩の26位にまで浮上。ここまでのステージで何度となく厳しい場面を経験しながらも、全力を尽くしてチームとして設定した目標を達成した。
明日28日はTOJ最終日の東京ステージで、完全にフラットな大井ふ頭の周回コースで争われる。昨年は先頭集団が逃げ切って入部が4位に入ったが、例年集団スプリントで決することが多い。シマノレーシングも再びチーム一丸で上位を目指していく。
■コメント
湊諒
「終始きつかったですね。僕が前にひとりで(集団に)くらいついてもタイムが縮まることはないし、入部さんの隣にいてずっとサポートすることを考えていたので、力になれてよかったです」
▲苦しい場面で入部をアシストしタイムロスを最小限に抑える働きをした湊諒
■リザルト
第7ステージ伊豆 122.0m
<ステージ順位>
1 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)3時間30分53秒
2 クリス・ハーパー(アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス)+1分39秒
3 マルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)+1分52秒
4 フェン・チュン・カイ(バーレーン・メリダ)+2分51秒
5 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+3分08秒
6 初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+3分54秒
7 キャメロン・ベイリー (アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス)+4分17秒
8 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ)+4分17秒
9 ロビー・ハッカー(アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス)+4分17秒
10 ラックラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア・プロフェッショナルCT)+4分17秒
27 入部正太朗(シマノレーシング)+5分13秒
29 湊諒(シマノレーシング)+5分28秒
45 横山航太(シマノレーシング)+15分19秒
64 西村大輝(シマノレーシング)+18分48秒
DNF 木村圭佑(シマノレーシング)
<個人総合順位 第7ステージ終了時点>
1 オスカル・プジョル(チーム右京)16時間45分48秒
2 ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ・チーム)+1分42秒
3 ネイサン・アール(チーム右京)+1分52秒
4 ホセ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+2分35秒
5 ラックラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア・プロフェッショナルCT)+2分58秒
6 ティモシー・ロー(アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス)+3分08秒
7 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ)+3分19秒
8 ベンジャミン・プラデス・レヴェルテル(チーム右京)+3分20秒
9 ミルサマ・ポルセイェディゴラーホル(タブリーズ・シャハルダリ・チーム)+3分29秒
10 マルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)+3分30秒
23 入部正太朗(シマノレーシング)+12分12秒
26 湊諒(シマノレーシング)+17分36秒
46 横山航太(シマノレーシング)+39分37秒
55 西村大輝(シマノレーシング)+49分13秒
Photo&Text&Movie : Mitsuishi (OCN)