獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

池田大作の功罪 (その3)

2023-12-07 01:04:46 | 創価学会・公明党

d-マガジンで、池田氏死去にともなう特集記事を読みました。
引用します。

 


サンデー毎日 2023年12月10日号

倉重篤郎のニュース最前線:
池田大作
創価学会名誉会長
戦後最大の宗教指道者の功罪

池田大作創価学会名誉会長が、11月15日に死去した。様々な評価があり得ようが、戦後最大スケールの宗教指導者であったことは疑い得ない。創価学会を巨大化させて世界宗教に育て上げ、公明党を創立して権力を構成するまでに至った。池田氏が戦後日本に刻んだものは何か? 破格のカリスマの功罪を、3人の論者が忖度なしで語る。

(つづきです)

言論封殺と自公政権の罪
佐高信

池田大作氏という人は戦略的な幅を持つ人だった。1975年に結ばれた創共協定では、仲の悪かった共産党の宮本顕治委員長となごやかに会談、相互理解や敵視政策の撤廃で合意した。 言論・出版妨害事件の批判をかわすためとはいえ、宮本共産党と結ぶ可能性もあった。一方で、創価学会はもともと自民タカ派の岸信介氏とのつながりが深く、2代目会長戸田城聖氏の葬式に岸氏の名代で安倍晋太郎、洋子夫妻が参列、学会側がこれを多とした。田中角栄氏とも近く、言論・出版では火消しを頼み、日中国交回復では露払い役もした。池田学会の振幅の大きさは、さまざまな集団、人を糾合していくためのよく言えば度量、悪く言えば手管ということになるだろう。あそこまで急速に組織拡大できたのは池田氏のある種フェロモン (刺激活性物)だったと思う。宗教人としての評価では、たとえば大本教の出口王仁三郎の方がスケールの大きい宗教人だったと思う。出口は戦中の国家弾圧の中で拷問に近い取り調べを受けても、裁判では悠然と反論し、時に裁判長を唸らせるようなこともあった。国会に証人喚問されても国会議員をそこで説得するくらいの存在感があった。池田氏は豪放磊落を気取る半面、根っこは臆病で、証人喚問を極度に恐れた。そのためさまざまな綻びが出て、それを糊塗するために綻びがさらに広がったようなところがある。
その意味では宗教者というより、希代のオルガナイザーだと思う。組織者としては長けていた。そのポイントは女性を掴むことだった。組織の活力は、労組でも宗教団体でも婦人部の活発度にある。学会の場合、選挙での戦闘力もまさにそこにあった。池田氏の場合は、スキャンダル報道もあったが、女性層を掴んだと言える。
やはり、池田学会問題の原点は69年の言論・出版妨害事件だろう。政治評論家の藤原弘達氏の『創価学会を斬る』という本の出版を公明党・学会側が妨害、国会でも議論になった。驚くのは藤原氏がその時点で自公両党が将来くっつくだろうと書いていることだ。学会の強烈な批判者は藤原氏と毎日新聞記者の内藤国夫氏で、この2人は奇しくも東大で丸山眞男(政治思想史専攻の政治学者)門下生。学会は、言論、批判の自由を重視する側とは相容れなかった。信じることを重視した学会は、疑うことの大切さを軽視した面がある。
私が心服した作家の城山三郎氏と池田氏は同年輩だったが、その2人が個人情報保護法(03年5月成立)をめぐり鋭く対立したことがある。私と城山氏は、個人情報保護の名を借り、権力者が自分の都合で言論の自由を封殺する新法だとして反対、自公連立が押し切った。公明が注力したこの法案は、私から言わせると、池田氏のスキャンダル報道をさせないためのものだった。城山氏が鬼気迫る勢いで反対し、これに賛成した人の名前を刻み、『言論の死の碑』を建てると語ったのを思い出す。
池田氏死去後、学会が生き残る道は、原田稔会長ら党官僚と、婦人部を軸とした平和支持層とが分かれて、後者が野党勢力に戻ることではないか。組織の原点であったはずの平和をどう位置付けし直すかが問われている。自公連立に合わせて外交安保政策で妥協を重ね過ぎたツケが喉元まで来ている。大阪が維新に蚕食されているのも、自公連立が自民と公明双方の魅力を減じたからだ。学会も公明党も出直しを迫られている。学会・公明党の影の部分を指摘してきたが、光がないわけではない。中国との国交回復は、彼らの露払いがなければ田中角栄氏も大変だったと思う。問題は、今の中国に言うべきことを言ってないことだ。池田氏が健在なら中国側にもっと直言したのではないだろうか。

(つづく)

 


解説
池田氏死去後、学会が生き残る道は、原田稔会長ら党官僚と、婦人部を軸とした平和支持層とが分かれて、後者が野党勢力に戻ることではないか。組織の原点であったはずの平和をどう位置付けし直すかが問われている。自公連立に合わせて外交安保政策で妥協を重ね過ぎたツケが喉元まで来ている。

創価学会・公明党を批判的な目で見つめ続けてきた佐高氏ならではの建設的な提言だと思います。

 

学会・公明党の影の部分を指摘してきたが、光がないわけではない。中国との国交回復は、彼らの露払いがなければ田中角栄氏も大変だったと思う。問題は、今の中国に言うべきことを言ってないことだ。池田氏が健在なら中国側にもっと直言したのではないだろうか。

佐高氏の意見に賛同します。

 

 

獅子風蓮



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