
d-マガジンで興味深い記事を読みました。
引用します。
ニューズウィーク日本版 3月11日号
世界で炸裂するトランプの理不尽外交
__ゼレンスキーを独裁者呼ばわりし、国連総会でロシアに擦り寄り、欧州とは距離を置く――その先にあるものは?
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)
(つづきです)
黄金期という愚かな錯覚
いずれにせよ、トランプはアメリカにとって最も古く、最も豊かで、最も信頼できる欧州の同盟諸国を遠ざけようとしている。状況は既に手遅れなのかもしれない。
2月23日に行われたドイツの総選挙ではキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党となり、フリードリヒ・メルツCDU党首が次期首相になることが確実になった。その翌日、メルツはテレビ記者にこう語った。「できるだけ早く欧州を強化し、アメリカからの独立を徐々に達成することが絶対的な優先事項だ。テレビでこんなことを言う日が来るとは思わなかったが、ドナルド・トランプの最新の発言を見る限り、この男、この政権が欧州 の運命などほとんど気にしていないことは明らかだ」
トランプは信じているのかもしれない。アメリカに同盟国は必要ない、特に自分のような優れた指導者がいるなら、敵か味方かを問わず一度に1人の相手との交渉で済む限り単独でもやっていける……。
「大きく美しい海が私たちを隔てている」と、トランプはマクロンとの共同記者会見で宣言した。20世紀が始まる前後の数十年間は、まさに海がその隔たりをもたらした。ばかげたことに、トランプはその時代を平和と繁栄の黄金期と考えている。
第1次大戦の勃発により幻想は砕け散った。戦争の余波の中、多くのアメリカ人は旧世界の「力の政治」の恐怖から逃れることを切望し、孤立の夢を紡ぎ、そして第2次大戦に突入した。
プーチンはここ数週間、ロシア帝国の復活という自らの狂った夢が実現する可能性に有頂天になっているかもしれない。習は台湾を征服するという夢を実現するために、どのような教訓を生かすことができるかを熟考している。金は朝鮮半島の統一を強行する可能性を考えているかもしれない。
これに対して韓国の指導層は、トランプがアメリカの安全保障の傘を畳むのを見て、自国で核抑止力を構築すべきかどうかを考えている。
重い力学が働いている。トランプはこの状況をのんきに見過ごしている可能性があり、加えて彼の安全保障チームはアメリカ史上最も経験のない追従者たちで構成されている。
アメリカの議会と行政府の一握りの人々だけが、この事態に歯止めをかける知識と能力を持ち得る。歴史は息を潜めてその時を待つ。
【解説】
プーチンはここ数週間、ロシア帝国の復活という自らの狂った夢が実現する可能性に有頂天になっているかもしれない。習は台湾を征服するという夢を実現するために、どのような教訓を生かすことができるかを熟考している。金は朝鮮半島の統一を強行する可能性を考えているかもしれない。
これに対して韓国の指導層は、トランプがアメリカの安全保障の傘を畳むのを見て、自国で核抑止力を構築すべきかどうかを考えている。
重い力学が働いている。トランプはこの状況をのんきに見過ごしている可能性があり、加えて彼の安全保障チームはアメリカ史上最も経験のない追従者たちで構成されている。
恐ろしいことに「独裁者」トランプの周りには追従者しかおらず、彼らはアメリカ史上最も経験のない者たちだというのです。
誰もトランプの妄想を抑える人がいないとは……
獅子風蓮