昨日静岡空港を視察した前原誠司国土交通大臣でさえ「予測事態がめちゃくちゃ。もっと国がきっちりと関与すべきだ」(産経ニュース)と言わざるを得ない県の138万人需要予測。
過去の経緯を知っているものからすれば、国が関与してそうなったんだろうと言いたいところだが、政権が変わったことで前政権時代の国の行為は例え大臣であっても他人事なのだろう。
無責任で済む国の役人からしたら渡りに船の政権交代だったということになる。
さて、この需要予測に関して、6月10日に読売新聞が特集した中に静岡空港の需要予測を監修した専門家である屋井鉄雄(東京工業大学教授)の予測外れの現実に対する言い訳が載っていた。
屋井曰く「需要予測には日本航空の経営破たんもリーマンショックも入っていない。予測が過大だったというより、需要があまりにも少ないということ」だそうだが、おまえは素人かと言いたくなるような分析だ。
彼の予測と実績、それに中止の会の予測を加えた比較は既報http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/595.htmlのとおり
各予測・実績比較
札幌線 県(屋井鉄雄)予測 50万人、中止の会予測 14万人、実績 12万人
福岡線 県(屋井鉄雄)予測 24万人、中止の会予測 15万人、実績 14万人
沖縄線 県(屋井鉄雄)予測 15万人、中止の会予測 7万人、実績 7万人
問題は構成比だ。
屋井の説では、なぜ、札幌便だけが予測の4分の1以下にまで減るのか説明ができまい。
答えは、中止の会の予測と実績が示すとおり、構成割合さえも無視して2500m滑走路とするのに必要な50万需要路線を創出(水増し)の結果と見るべきだ。
そもそも、羽田より安い札幌便の価格設定http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kusp1-2.htmlなど常識から考えてもおかしいだろう。それを自身で是とした常識のなさを反省する気はないのだろうか。
加えて屋井曰く「需要予測は、本来ならこれくらい飛んでもいいだろうというポテンシャル(潜在能力)を出しているにすぎない。」
これも当時の状況を知っているものから見れば厚顔もはなはだしい言い訳だ。
平成13年5月に出された総務省の勧告http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/so_010524_2.htmを受けて、より実態に近づけるべく需要予測がされるべきと注視される中で静岡空港の需要予測が行われたことを忘れたのだろうか。
このような学者がいまだに国の専門家として幅を利かせている限り良識ある専門家は育たない。
専門家なら結果に責任を取るべきである。