「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

錯覚の罠

2010-10-10 21:35:00 | 雑感
「政府・民主党は9日、沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突した様子を撮影したビデオ映像について、全面公開を見送る方針を固めた。」(時事通信)と報じられた。
誰もが予想のとおり、最後の拘束者の解放との交換条件とみていいだろう。

最近は国交が正常化に向かいつつあると喜ぶ論調もあるが、明らかに錯覚だ。
4人の人質で船長解放ばかりかビデオ非公開まで得た中国に対し、日本はどうか。
元々、今回の悪化を招いた原因は相手の不法行為にある。
それを不問にし、外交の弱さを見せ、国家としての自尊を捨てた上、日中交流が元に戻りつつあるといって何の喜びがあろう。
しかも、問題の根源は残ったままだ。

同じことが間もなく起こる。
明日から知事が第3回目のふじのくに3776友好訪中団を率いて訪中する。
尖閣問題の影響で相手方要人との会談や交流協定の調印式出席などが中国側に問い合わせても未定のままとのことだが、それが外交というものだ。
向うに行ってから、さも尽力の上の実現としてアピールすれば、馬鹿な日本人政治家は喜び、借りと思って御帰国なさるだろうと分かっているからだ。
尖閣問題がなければ当たり前のように思われたものが、価値あるものに変質する錯覚が起ることを計算しているということだ。

外交音痴の日本人と後ろ指さされるようなことのないふるまいを期待したいが、・・・無理だろう。

圧力に屈せず権威を守ったノーベル賞

2010-10-09 20:35:00 | 雑感
ノーベル平和賞に中国で政治犯として拘束中の劉暁波氏が選ばれた。
日本人の受賞もうれしいが、こちらも引けを取らない。

受賞に当たっては選考段階から中国の政治的・経済的圧力があったわけであるが、これに屈することなく権威を守った姿勢は、さきの日本外交の敗北との対照が際立つ中で、うらやましい限りである。
ノルウェー政府はノーベル賞委員会が独立機関であることを説き政府に圧力をかけることの無意味を主張しただけでなく、首相自ら中国との良好な関係継続を説きつつ劉暁波氏の受賞を祝福し、その拘束に異を唱えたことは毅然とした態度であり、日本政府は学ぶべきであろう。

今日は報復で拘束されていた日本人の最後の一人が釈放されたそうだが、それにしても中国リスクの大きさをよく認識する機会としてもらいたいものだ。
中国では橋や駅であっても軍事施設であることもある中では、観光客でさえ今回のように拘束されてもおかしくない。
いわば、常時中国に人質を取られている状態だということだ。
政府は観光を含めて中国リスクの存在をはっきり明示し、そのリスクにおける自己責任を説かねば、今回と同じ理不尽な譲歩を迫られ続けることになる。

いまだ、今回のノーベル平和賞報道の遮断のように情報統制が敷かれる中国では、政治と経済は一体のものである。
経済であっても、まったく違う国家であることをよく知った上で警戒を怠らずに付き合うことが肝要だ。

異議申立て案件答申

2010-10-07 21:35:00 | 近況活動報告
昨日、静岡空港南側民有林の誤伐採等に係る監査結果等の部分開示決定に対する異議申立て(諮問第166号)に対する静岡県情報公開審査会答申の写しが送付されてきた。いわゆる、一部容認の結果である。(枚数が多いので結論部分だけUPする)

半年前のことではっきりいって、時ここに至ってはリアリティーがないが、過去の経緯は以下を参考にしていただきたい。

http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/528.html
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/531.html
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/558.html

監査委員といえば、数日前に県議会に対して政務調査費の黒塗りの部分の情報公開を促したそうだが、自分ができていないことをよく平然と言えるものだと違う意味で感心する。
不思議なことに監査となると事務所の幹部連中が過剰に気を使うのだが、元々威厳もないのがさらにみっともないったらありゃしない。
どうして現場も知らない、ろくに事務もできない、隠蔽に加担して成果も出せないような連中に気を使うのか。ざるとはいえ、事業仕分けの方が県民のためになっている。
監査委員には行政執行権限はないのだから、指摘だろうが何だろうが意見として聞いた上で、「承っておく」とだけ言ってお帰りいただけばいいだろうに。
船長無条件釈放の土下座外交と同じで士気を下げるだけだ。
現場のリーダーならばもっと毅然としてもらいたいものである。

平成25年に100万人の静岡空港利用者という県の目標

2010-10-06 22:54:00 | 静岡空港
どんな根拠?といいたくなるような目標が県から発表された。

・旅客数を開港5年目の平成25年に100万人(ちなみに、初年度は約63万人)
・航空貨物は25年に5千トン(ちなみに、初年度は約100トン)
・見学者はエアメ[ト楽座整備で年100万人以上

これは5日開催の「空港ティーガーデンシティ構想策定のための地元検討会」の中で県が発表したもので、産経ニュースが報じている。
夢を見るのはいい。
5年後には買い続けた宝くじが当たって億万長者だ、というのも個人ならいい。
しかし、行政としてそれでは無責任だ。
税金をそのために年々投じ続けるわけであるからだ。
とはいっても、責任を取らないのが行政。馬の耳に念仏でしかない。

その県行政のトップ川勝は来年、地域外交としてアメリカのロードアイランド州ニューメ[トを訪問することが固まったらしい。
はや、友好を深めて御満悦の姿が目に浮かぶが、その時に県内の雇用や景気はどうなっていることやら。

公約どおり1期4年のつもりで税金旅行・税金親交を個人的に満喫して逃げ切るつもりとしか思えない。
結局、5年後に目標未達成でも、いないから責任なしということなのだろう。
これでは石川嘉延と同じだ。

おかしなプライオリティー

2010-10-05 22:47:00 | 雑感
高度成長期に整備された多くのインフラが老朽化していることが社会問題になっているが、県内も例外ではないようだ。

県議会産業委員会で明らかにされたところによれば、「県管理の工業用配水管のうち総延長の約3割が耐用年数(40年)を超え、すべて交換すると約524億円かかる」(毎日新聞10月5日朝刊)そうである。水道用水用配管と合わせると約600億円だという。
県は当面緊急性の高い配水管を選んで2013年度まで(約3年半の間)に16億円分修復するそうだが、桁が違うのではないか。

空港事業で年40億円も費やし、その中には空気を運ぶバス(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/636.html)やら県職員や県民の万博観光旅行まで税金で支援する状況を放置しながら、600億の補修のうちの16億とは、プライオリティーがおかしいだろう。
これでは100年かかっても更新できない。

役人は今後の消費税増税で何とかなると思っているのだろうが、高齢化で医療福祉歳出の圧力が増す中で、あれもこれもと賄えるわけではない。
生活必需でもなく投資効果も無い事業には早く見切りをつけるべきである。