まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

【沈黙の詩型】行間に《うた》を詠み込む・・俳句の精霊たちと出逢う/新俳句入門(41)

2018-01-25 10:17:29 | 新俳句入門

もう雪と呼べぬ儚さ迫り来る   まほろば  最新作

週明けの22日の東京は大雪でした。その後、晴れが続きましたが、今朝はマイナス4度まで下がり、実に48年ぶりのことでした。6時半からのラジオ体操に参加しましたが、あまりの寒さに息が苦しくなりました。それから、3時間以上が過ぎ、やっと今日一日が始められそうです。日曜に埼玉に出張った際に、たまたま市民センターで開かれていた色紙展で、当地の俳句連盟会長(歴史的結社幹部)のM先生(80歳代)と歓談しました。その後、2度自宅に電話をいただき、最終日の明日の打ち上げにお誘いいただきました。まだ出席出来るかどうか微妙ですが、出来るだけ出たいと思っています。何故かと言うと、この先生方はすでに【俳句の精】ともいうべき《定型》を超えた流れ動くハレの世界に一歩を踏み込んでいるからです。もし出席出来れば、句会自体1年ぶりとなります。勉強会の後、5句を持ち寄り句会となるようですが、さてどんなことになるか楽しみです。・・・《続く》

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いつか見た空/新雑句雑感(284)~プロローグ5の終わり

2018-01-23 07:12:28 | 新雑句雑感

九十歳のモヒカン頭冷たかろ  生きて死ぬただそれだけの雪だるま  雪のオ-ラ空の白さに焦がれをり  雪背負ふただ一本の獣みち  火を養ふ夜空と雪のものがたり  もう雪と呼べぬ儚さ迫り来る  いつか見た空を引き寄せ枝垂雪  雪掻きの背後に未到の空ひとつ  ソロモンの栄華を極め雪つのる  その墓標屋上にあり雪しまく(愛犬ライフ)

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小豆澤英輝(あいき)カバー 『言葉にできない』(原曲 小田和正)

http://www.dailymotion.com/3e7ed806-b249-4310-a513-0878616baa8d


キリストの民/新雑句雑感(283)~プロローグ5の終わり

2018-01-22 09:05:51 | 新雑句雑感

橋の上に人間のゐる寒さかな  雪が降る雪とは違ふ白さ満つ  雪つのる泥より人は生まれしか  故郷の父よ母よ真冬を疾走す  降雪の記憶キリストの民となる 

 

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悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう(マタイ5章1-48節)。


【型を超える】定型にピタリ重なる瞬間・・新世紀カラオケの天才《堀優衣》の越境!/J-POP論・POP詩の宇宙

2018-01-22 00:45:48 | J-POP論/POP詩の宇宙

言葉が今 時を越えて 永遠を突き抜ける ―『明日への扉』(原曲 川嶋あい)より

THEカラオケバトルは凄い!得体の知れぬマシンに無心に激突してゆく《うた》ー〈発語〉と〈肉声〉の境界が激しく揺れ動き、未知の《自我》の表現域をシミュレートする。その時、私の輪郭は遠く喪われてゆく。21世紀の言霊と言ってしまえば実にアッケナイが、認識も概念も放棄して、ただあるがままの感性と《発語》を重ね合わせれば充分に達成される世界観をこそ【ニューカラオケ】と呼ぼう。その時、マシンは偶然を装って何を語っているか?それは、あきれ返るほど明解な自由だ。私が私であること、あなたがあなたであること、そして私があなたへ一歩踏み出すことの自由である。・・・《続く》

 

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堀優衣カバー 『雪の華』『明日への扉』 

https://youtu.be/WpWWPegFWuc?t=163

少し幅の違う足で 一歩ずつ 歩こうね

二人で歩む道 でこぼこの道

二つ折りの白い地図に

記す小さな決意を

正直に今 伝えよう 


【金子兜太を取り戻せ】おおかみに蛍が一つ付いていた 金子兜太/一句観賞

2018-01-20 22:53:26 | エッセー・評論
【渾身作】おおかみに蛍が一つ付いていた   金子兜太 2001
日本国において、狼はすでに死滅している。本当にそうだろうか。10年以上前に、四国で日本狼が発見されたという真偽不明のニュースが流れたと記憶している。ところで《狼》とはいったい何ものか?作者によれば、その狼に【蛍】が一つ付いていたという。狼というそもそも存在の不確かなものに、何故か【蛍】が寄り添うように従っていた。この表現上の配置だけで、作者の意図は明らかである。狼は、もはやこの国のどこにも存在せず、ただ【蛍】が個体として作者の眼前に漂っていたのだ。同時に、蛍なる何ものかが、私たち人間にとって決して忘れてはならないものをこの世界に導き、この闇もろともに照らし出した。おおかみとは、作者が魂の源郷と位置付けた《秩父》の地にあって、いまもその存在の威を荒々しくさらけ出して止まないものであろう。そのことを、作者はおのれを【蛍】の実在に託し、わずか17音の定型詩において渾身の力を込めて私たちの前に明らかにした。・・・《続く》