■城山荘/岐阜県各務原市鵜沼南町城山
竣工:大正末~昭和初頃(1926)
※2002年取り壊し
木曽川に架かる犬山橋の北詰(各務原市側)にひときわ目を引く小高い岩山があります。
室町から安土桃山時代にかけて鵜沼城という城が建っていたため、城山と呼ばれたこの岩山の頂上に、数年前まで「城山荘」と言う古びた建物がたっていました。
大正の終わり頃、地元の名士により別荘として建てられた城山荘は、その後昭和40年代頃までは料理旅館として営業されていましたが、火災をきっかけに廃業され、長い間そのまま放置されたため廃墟同然の姿になっていました。
それでも何とか取り壊しをまぬがれ、長年にわたり犬山橋とともに大正~昭和の時代を偲ぶランドマーク的存在として人々に親しまれてきましたが、管理していた都築紡績の経営不振のため、すぐ上流にあった後藤家木曽川別荘とともに取り壊されました。
昭和の初から木曽川観光の拠点「日本ライン」として名を馳せた犬山橋周辺には、多くの別荘や旅館、観光施設が造られましたが、城山荘の撤去を最後に当時の様子を語る建物は全て姿を消しました。
■在りし日の城山荘(対岸の愛知県犬山市から望む)
■廃墟と化した城山荘~エレベーター用の塔が時代を語る
■城山荘の下を行きかうライン下りの船(2000年4月撮影)
■城山荘が撤去された城山(2010年2月撮影)
撮影場所/愛知県犬山市善光寺山公園