昨年わたしのHPのをご覧になった方から、岐阜県美濃加茂市伊深町の古い洋風建築の情報をいただきました。
ずっと気になっていたのですが、やっと現地に行ってきましたのでご紹介します。
場所は伊深小学校の南、JAめぐみの伊深の東隣で、玄関には伊深自治会館の看板が掲げてあります。近代建築の調査書などに記載がない為、建物の詳細は不明ですが、戦前の地方の洋風建築としてはかなり立派なもので、当初は役場などの公共施設として建てられたものと思われます。
(その後国の登録有形文化財の指定を受け、旧伊深村役場の庁舎と判明)
外観は木造平屋下見板貼り、コ字型の平面の両端に切妻の屋根を張り出し中央に和風のむくり屋根の玄関を設けています。両端の切妻の破風部分は縦に板を貼り下端を山切りカットにして外観に変化を持たせています。洋風を基調に和風デザインを取り入れた和洋折衷のデザインが特徴。
2016年国登録有形文化財指定を受け、創建時の外観に復元されました。2018年6月からカフェもオープンし、現在は地域のまちづくり拠点として再活用されています。
■旧伊深村役場庁舎/岐阜県美濃加茂市伊深町字円照899-3
竣工:昭和11年(1936)
構造:木造平屋
※国登録有形文化財
■左右対称の堂々としたファサード
■窓枠と玄関ドアはサッシに変わっていますが後は当時の様子をとどめています
■玄関は数奇屋建築などに見られるゆるくカーブしたむくり屋根
■玄関の鬼瓦は「伊深」の銘が入った特注品
■玄関の柱に使われている花びらの釘隠し