■愛知県庁大津橋分室(旧愛知県信用組合連合会)/名古屋市中区丸の内3丁目4-13
竣工:昭和8年(1933)
設計:県営繕課
施工:北川組
構造:RC造3階、地下1階
撮影:2010/3/14
10数年ぶりに丸の内から栄界隈の近代建築を訪ねました。
この地域は、庁舎やオフィスビル、銀行、デパートなどが建ち並ぶ戦前から賑わった名古屋の中心地で、名古屋の近代建築探訪の定番コースの一つになっています。
なかでも県庁、市役所の前を通る大津通に並んで建つ愛知県庁大津橋分室(下の写真向かって右)と伊勢久(株)は、戦後周りの風景が激変してゆく中、昭和初めの大津通の様子を今に伝える貴重な存在です。
愛知県庁大津橋分室は当時流行の表現主義風のデザインを採用、お約束の茶褐色のスクラッチタイルに角を丸めた外壁や彫りの深い装飾と丸窓など見所いっぱいで、昭和初期のモダンデザインをじっくり堪能できる近代建築ウォッチングには最適な建物です。
■名古屋市内では2軒並んで戦前の洋風建築が保存されている貴重な例
■角のゴシック風付け柱のある階段塔が特徴
■正面入り口の上やバルコニーに施された彫塑的装飾
■北側入り口の上の三連の丸窓
■外壁の角は丸みが付けられ軒下にもしっかり装飾が
■階段塔の北側にも付け柱と丸窓があります
■当時のままのスクラッチタイルが今も美しい表情を見せてくれます