大正~昭和戦前期の小規模なオフィスビルにもオーダーが見られます。もちろん大手銀行のような見事なジャイアントオーダーが並ぶことはありませんが、オーダーも時代の流れに合わせ、幾何学的なモダンなデザインを取り込んで、まだまだファサードを飾る主役として健在です。
■西大須ビル/大正10年(名古屋市中区)
フルーティング(溝)付きオーダーをデザイン化したピラスター(付け柱)と円柱がファサードを飾る。
■服部記念館(旧服部工業株式会社事務所)/大正15年(愛知県岡崎市)
壁面の付け柱はオーダーをモティーフにしていますが、柱頭のデザインは幾何学的にあっさり仕上げています。
■国際資源活用協会(旧熊沢ビル)/大正3年(三重県四日市市)
オーダーは完全に壁と一体化した二次元的な装飾と化しています。
■屋上にある塔屋の出入り口の壁には、しっかり4本の円柱が埋め込まれています。
しかし石膏か粘土で作ったようなこのゆるい造形は、なかなか味わい深いものがあります。
■旧知多白木綿組合会館/大正15年(愛知県半田市)
2階分をぶち抜くかなり立派なオーダーですが、柱頭のデザインは花びらのようでかなり独創的。
■伊勢久株式会社/昭和5年(名古屋市中区)
スパニッシュ風というのでしょうか?コリント風の螺旋状オーダーが見どころです。
ところでこんな風なネジネジのお菓子、ありませんでしたっけ?