岡崎の建築散歩~その2
駅前の服部記念館の現存を確認、岡崎駅東口前の道路を南へ向かい日清紡績針崎工場を目指します。
左手にファミリーマートがある針崎の交差点に到着、工場の入り口があるはずですが、そこには工場らしき建物は影も形もありません。
ファミリーマートがあるので場所は間違いないはずですが、6年前とあまりに風景が変わっているので、最初はとても同じ場所とは思えませんでした。
工場跡地は建売住宅の分譲地になったようで、道沿いには新築の住宅が立ち並び、中学校や健診施設なども建設中のようです。
交差点を左折して分譲住宅の方へ進むと道路沿いに案内板があり、住宅地のはずれの公園の一角に旧第二中学講堂の表記を発見!
いやあ~ ここまで来たかいがありました。
工場敷地内に保存されていた旧講堂は取り壊しをまぬがれ、分譲住宅地の片隅にその姿をとどめていました。
■2006年訪問時は上のような煉瓦造の古い倉庫や、木造のこぎり屋根の工場が広大な敷地に広がっていました。
(左端にファミマの看板がちょっとだけ確認できます)
■2012年4月29日現在の針崎の交差点~信号から向こう側一帯が日清紡の針崎工場でした
交差点を左折して進むと左手には分譲住宅街、右手には建設中の中学校があります
■分譲地の中にある「春咲れんが公園」(針崎工場の煉瓦建築にちなんでのネーミングか?)を抜けると、住宅地のはずれに古い講堂らしき建物が見えてきます
■新築の住宅が立ち並ぶ一番奥に明治40年築の講堂がひっそりと建っていました
この講堂は明治30年に創立された愛知二中(現岡崎高校)の講堂として明治40年に戸崎町に建てられました。
その後、学校が明大寺町に移転、大正14年に日清紡績が講堂を買い取り針崎工場内の現在地に移築され、昭和23年からは工場付属の竜城学園の講堂として、体育の授業や式典などに利用されました。
建物は木造平屋建、寄棟造り桟瓦葺で、西面に玄関ポーチを設け、東面に奉安室として使われた後室が付きます。
外壁は下見板張りで縦長の上げ下げ窓を並べ、木骨部分の色を淡いピンク色に塗り分けてハーフティンバー風に仕上げて、明治の洋館らしい外観になっています。
現在は岡崎市の管理となっていますが、建物はかなり傷んできているので、早急に補修し末永く地域の文化財として保存されることを願います。
◆旧日清紡績針崎工場竜城学園講堂(愛知県立旧愛知第二中学校講堂)/愛知県岡崎市針崎町字カンジ46
竣工:明治40年(1907)
構造:木造平屋建
撮影:2012/04/29
■建物西側正面~立ち入り禁止のロープがはられています
■建物北側と南側の屋根にはドーマー状の換気口?が付く
■櫛形アーチの入口上部には欄間が施され、破風には側面まで垂れ飾りが周る
■玄関ポーチ鬼瓦~太陽のようなデザイン
あのあたりも、全く面影なく変わっちゃいました。
れんが公園の煉瓦は工場の倉庫に使用されていた物をベンチなどに再利用してます。
竜城学園講堂は
現存する学校講堂で日本一 古い物らしいですね。
この建物といい、閉館した岡崎市立郷土館・収蔵庫といい、今後どうなっていくのか気がかりです。
岡崎市にはこれからの有効活用を期待したいですね。
岡崎市立郷土館・収蔵庫は重要文化財ですので取り壊しはないと思いますが、しっかり補修して一日も早く公開されると良いですね。
メジャー級を中心に東岡崎での探訪を一通り終えた後、自転車を駆って旧愛知第二中学講堂を目指しました。shortwoodさんのブログで大体の場所は分かっていたつもりでしたが、実際には少しあたりをウロウロしました。
無事に新しい住宅地の奥に発見!
これは凄い情景ですね。
古色蒼然の佇まいに思わず、ほぉーっ・・・でした。
時間をかけて見に来て本当に良かったです。
外壁の傷みなどが気になりますが、登録文化財になる(なった)ようですし、これからも大事に保存して頂きたいものですね。
ちょっと岡崎の中心からはずれますが、県立農業大学校と二中講堂は、見る価値あり!です。
レンタサイクルを利用されたようですが、近代建築めぐりは道草ができる徒歩か自転車が一番ですね。
その点岡崎のレンタサイクルは、このご時世に一日乗り放題で無料というのは嬉しい限りです。
レンタサイクルのない地方の町は、車で目的地まで行き、折りたたみ自転車を使って町巡りをするのが良いみたいです。
今年の連休は岐阜の東濃地方をめぐりましたが、もっぱらこの方式でした。
ところで、ひろ009さんのブログ拝見しました。
近代建築のほかにも手広くやられているようで、気になるカテゴリーがたくさんありました。
またちょくちょくお邪魔させていただきます。
このブログで紹介した学校の卒業生の方から良くコメントをいただきます。
青春時代を過ごした懐かしい校舎や講堂が、当時と変わらず残っているのは何よりうれしいものですね。
建物は取り壊されても、その記憶はひとりひとりの心の中に生き続けます。
これからも懐かしい記憶につながる建物を、一つでも多く紹介したいと思っています。
またぶらりと訪ねていただけると幸いです。
針崎工場には、たくさんの桜が有りました。今の春咲の桜はどうなんでしょう?
犬山の桜は、去年の春祭りに訪れましたが、1週間早すぎました。
前のエントリーの「タナカカネコ」さんとは、すれ違いのようです。S43年入社で、織布の保全課で織機のメンテナンスをやっていました。45年に藤枝工場に転勤になったので、たぶん入れ替わりかな?
なんか同じ職場にいて、年齢も割りと近い(5歳)ので嬉しいですね。
又、写真をお借りします。よろしく。