岡崎建築散歩~その7
旧額田郡物産陳列所は現在旧公会堂の裏手(北側)に隠れるように建っていますが、竣工当初は旧公会堂の北側、現在せきれいホールの建つ位置に南向きに建てられていました。昭和36年勤労会館(現せきれいホール)建設に伴い、現在地に北向きにして移築されました。
建物外壁は公会堂と同じようにコーナーや窓廻りを枠取りした横板張りですが、東西と正面両翼の妻面にハンマービーム(注:1)を用い、スティックスタイル(注:2)を基調とした軽快な外観になっています。
(注:1)中世イギリスの小屋組みで用いられた壁面の頂部から室内に突き出た短い梁。室内はより高く開放的になる
(注:2)アメリカの住宅様式で、本来は構造体である木骨(軸組)を化粧として建築物のファサードのデザインに取り入れたもの
◆旧額田郡物産陳列所/愛知県岡崎市朝日町3-36-1
竣工:大正2年(1913)
設計:吉田榮蔵(愛知県土木技手)
構造:木造平屋建
撮影:2012/04/29
※国重要文化財
〈参考資料〉岡崎市郷土館パンフレット
■公会堂のルネサンス様式とは対照的なスティックスタイルを採用
切妻屋根の妻壁の半円アーチや持送り、四葉のクローバー型の採光窓などかなりおしゃれな外観です
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