素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

今、実家で不便を感じるところ

2012年09月02日 | 日記
 「45年前には考えたこともなかった」と車庫から家の玄関までのスロープを歩きながら母がつぶやいた。足の筋力が落ちてきた両親にとって10m余りの坂を上るのが苦痛になっている。家をつくった頃、40歳前後であった両親にとって歩くことが不自由になるということは想像すらできなかったという。今のようにバリアフリーという考え方も世間には広まっていなかった。

 そこそこ急な上にカーブをしていて、玄関前には庭をつくっているため緊急の時でも車を上げることはできない。もし車椅子を使わなければいけないようになった時は大変である。今のところ「リハビリやトレーニングのつもりで上っている」とゆっくりではあるが自力で上ってくれているので助かっているが、脊柱管狭窄症のためめっきり動かなくなった父を見ていると対策を講じなければと思ってしまう。

 もう1つの悔いは、平屋だったが手狭になり2階を増築した時、2階にトイレを作らなかったことである。両親2人だけの生活が多かったのでトイレが1つでも不便を感じていなかったのでコストと手間を考えてつくらなかったみたいだ。

 しかし、祖母との同居や私の家族が盆、正月に帰省した時に2階を使うとなると不便さを痛感した。子どもが小さい時は「オシッコ!」と言われてあわてて螺旋階段を下りて連れて行くのが大変であった。今は、自分が行くのが大変でほとんど2階の部屋は使わなくなった。

 冒頭の母の言葉が妙に頭に残った。大阪への帰り道、今の自分の家でも同じようなセリフを吐く時がくるかもしれないと思った。今は体が自由に動くし、車も運転できる。しかし、10年後、20年後となるとその保障はない。めっきり老いてきた両親から学ばされることが多くある。

 帰る回数がだんだん増えていくのも仕方がないこと。
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