この記事は表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その②(旭岳→白雲岳避難小屋)の続きです。
7月中旬に3泊4日の日程で、表大雪の旭岳からトムラウシ山までを縦走した。
(地図をクリックすると大きくなります。)
縦走2日目は白雲岳避難小屋を出発し、忠別岳(標高1963m)、五色岳(同1868m)、化雲岳(同1955m)に登頂し、ヒサゴ沼にある野営地まで行く16.7kmの行程だった。4日間の中で一番長かった。
白雲岳避難小屋キャンプ指定地を5時57分に出発した。
避難小屋の周辺で頻繁にヒグマが目撃されている。ハイカーは皆クマ鈴を鳴らして歩いている。
私はお花の写真を撮るため頻繁に立ち止まる。他のハイカーが近づいてくるのもクマ鈴で分かる。抜いてもらう場所を予め考えながら歩いていた。
お花はその日初めて観るものはたいがい撮影した。一度撮ったものは撮らないことが多かった。
この花は初めてのように思えて撮影した。名前が分からず教えてgooに頼ったが、エゾノタカネツメクサなのかエゾミヤマツメクサなのか判断がつかなかった。生育している数はエゾノタカネツメクサが圧倒的に多いらしい。
・エゾノタカネツメクサ(蝦夷の高嶺爪草、Minuartia arctica var. arctica、ナデシコ科タカネツメクサ属の多年草)
日本では北海道の利尻島、大雪山系、夕張山地、日高山地、知床山地に分布する。高山帯の岩場や砂礫地に生育する。
・エゾミヤマツメクサ(蝦夷深山爪草、Minuartia macrocarpa var. yezoalpina、ナデシコ科タカネツメクサ属の多年草)
北海道の大雪山系に分布する。
隣の植物はエゾハハコヨモギだと教えられた。
・エゾハハコヨモギ(蝦夷母子蓬、Artemisia glomerata、キク科ヨモギ属の多年草)
北海道大雪山の高山帯の岩礫地に見られる。高さ20cm程度。葉は2回掌状に分裂し、両面に絹毛が密にある。頭花は総状につく。夏に開花。
前夜の雨で草木は濡れていた。そのためレインウエアの上下を着用して歩いた。中の着衣を調整していて暑くはなかった。
・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)
・アオノツガザクラ(青の栂桜、Phyllodoce aleutica、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
・エゾノツガザクラ(蝦夷の栂桜、Phyllodoce caerulea、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
この日歩いた道は大部分が見通しの良い高原台地だったが、所々背丈を越える高さのハイマツやナナカマドの中を抜けた。
・ウラジロナナカマド(裏白七竃、Sorbus matsumurana、バラ科ナナカマド属の落葉低木)
また雪渓近くを歩く道では、お花畑が観られた。
・チシマノキンバイソウ(千島の金梅草、Trollius riederianus、キンポウゲ科キンバイソウ属の多年草)
・ウコンウツギ(鬱金卯木・鬱金空木、Weigela middendorffiana、スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木)
・チングルマ(珍車・稚児車、Sieversia pentapetala、バラ科チングルマ属(Sieversia)またはダイコンソウ属(Geum)の落葉小低木)
・キタヨツバシオガマ(北四葉塩釜、Pediculais chamissonis var. hokkaidoensis、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)
・エゾノツガザクラ
ここは左側に雪渓が続いていた。その近くでチングルマの大群落を何度も見かけた。
雪解け水が流れる側に、エゾコザクラの群落が観られた。
こちらはエゾノツガザクラとアオノツガザクラの混群。
左側に雪渓が続いていて、ガスがかかっていた。手前にチングルマとアオノツガザクラの群落が観られた。
こちらも左側が雪渓で、手前にチングルマ、エゾノツガザクラ、アオノツガザクラの群落が観られた。
先へ進むと広い高原台地となった。地図を見ると高根ヶ原と書かれていた。礫地にコマクサ、タカネオミナエシ、エゾツツジなどが散らばって咲いていた。このような高原が長く続いた。
・コマクサ(駒草、Dicentra peregrina、ケシ科ケマンソウ亜科コマクサ属の多年草)
・タカネオミナエシ(別名チシマキンレイカ;千島金鈴花、Patrinia sibirica、スイカズラ科オミナエシ属の多年草)
・エゾツツジ(蝦夷躑躅、Therorhodion camtschaticum、ツツジ科エゾツツジ属またはツツジ属の落葉低木)
・ホソバウルップソウ(細葉得撫草、Lagotis yesoensis、オオバコ科ウルップソウ属の多年草)
大雪山系に分布する。環境省により絶滅危惧IB類(EN)の指定を受けている。
・ムカゴトラノオ(零余子虎の尾、Bistorta vivipara、タデ科イブキトラノオ属の多年草)
日本では、北海道、本州中部地方以北に分布し、亜高山帯から高山帯の日当たりのよい草地や岩礫地に生育する。
7時ちょうどに三笠新道の分岐に着いた。ここでしばらく休憩した。
今回行動食に用意したのは主にミックスナッツだった。その中でも『ハニーバターアーモンド』という商品が食べやすかった。
三笠新道の分岐を過ぎた辺りでもホソバウルップソウの群落を観た。花はオオバコと同じく下から上に向かって順に咲くようだ。
この植物の葉を観ていても「細葉」には見えない。しかしウルップソウの幅広い葉と比べると「細葉」なのだろうと納得した。
・イワブクロ(別名タルマイソウ;岩袋、Pennellianthus frutescens、オオバコ科イワブクロ属の多年草)
コマクサがたくさん咲いていた。
こちらはエゾツツジ、タカネオミナエシの混群。
ガスはまだ晴れない。予報では9時頃に晴れるという。歩くには涼しくて良いものの、この高原台地全体を見晴らせたらどんなにか素晴しいだろうと思った。
視界が悪い中、コマクサの群落があちこちで観られた。
南へ進むとハイマツの中を抜ける道となった。
そしてその先に緑の湿原が広がっていた。チングルマやミヤマバイケイソウが美しい。
セリ科の花もたくさん咲いていた。ハクサンボウフウのようだった。
・ハクサンボウフウ(白山防風、Peucedanum multivittatum、セリ科カワラボウフウ属の多年草)
北海道、本州の中部地方以北に分布し、高山帯の草地に生育する。
タカネオミナエシもたくさん咲いていた。
ハイマツの間を抜ける道は昨夜の雨で泥濘んでいて、歩きにくかった。
木道は残骸であっても水たまりを避けるのに助かった。
ハイマツの陰にマイヅルソウやゴゼンタチバナが咲いていた。
・マイヅルソウ(舞鶴草、Maianthemum dilatatum、キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属の多年草)
北海道から九州の山地帯上部から亜高山帯の針葉樹林に多く群生する。
・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)
丸石を敷き詰めたような道。これも自然の状態だと思う。
石の隙間にきれいなコマクサが咲いていた。
草地にはタカネシオガマが観られた。
・タカネシオガマ(高嶺塩釜、Pedicularis verticillata、ハマウツボ科シオガマギク属一年草)
本州の中部地方から北海道の高山帯に分布し、砂礫地や草地に生える。高さは5~15cm。茎の上部に唇形の紅紫色の花をつける。
ミヤマシオガマやヨツバシオガマに似るが、ミヤマシオガマと比べ葉の切れ込みがそれほど細かくない点、ヨツバシオガマと比べ高さが低い点などで区別ができる。
この岩の向こうはどうなっているのだろう?
まだ高原台地が続いていた。
・エゾイソツツジ(蝦夷磯躑躅・蝦夷石躑躅、Ledum palustre L. subsp. diversipilosum var. yesoense、ツツジ科イソツツジ属の常緑小低木)
北海道、東北の高山帯に自生し、主に岩礫地や湿地などに自生する。北海道の固有種という説もある。
緩やかに登ってきた台地だが、一転して勾配の急な下りになった。せっかく登ってきたのに下るのは残念に思えたが、その先にこの光景が待っていた。忠別沼である。
忠別沼は『山と高原地図』に水場の印があるところだが、まだ十分に水は足りていた。ちなみに大雪山系にある水場はすべて「要煮沸」である。今回は高性能フィルターを持参したので、それで濾過すれば煮沸しなくても飲用できた。
忠別沼の湖畔にたくさんのお花が咲いていた。
これからの写真が鮮明に見えるとしたら、それはガスが晴れてきたからだ。天気予報通り時刻はちょうど9時になっていた。
・エゾノツガザクラ
・キバナシャクナゲ(黄花石楠花、Rhododendron aureum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)
・リシリリンドウ(別名クモマリンソウ;利尻竜胆、Gentiana jamesii、リンドウ科リンドウ属の多年草)
北海道の利尻山、大雪山、夕張山系の高山の湿った草地や砂礫地に生える。茎は上部で枝分れする。葉には厚みと光沢があり、対生する。花冠は5つに裂け、細かい切れ込みのある副片が花の内部を覆い隠す。
忠別沼で10数分休憩して再びザックを担いだ。
反対方向から沼を見下ろした。
・リシリリンドウ
・タカネシオガマ
・エゾイソツツジ
・イワヒゲ(岩髭、Cassiope lycopodioides 、ツツジ科イワヒゲ属の常緑矮性小低木)
・コケモモ(苔桃、Vaccinium vitis-idaea、ツツジ科スノキ属の常緑小低木)
日本では北海道、本州、四国、九州に分布する。亜高山から高山のハイマツなどの針葉樹林下、岩礫地などに自生する。
忠別岳の最後の登りをゆっくりと登った。
10時ちょうどに忠別岳(標高1963m)の山頂に到着した。計画より50分早い到着だった。レインウエアをどこで脱いだのか覚えていないが、それは既にザックの中にあった。
表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その④(忠別岳→ヒサゴ沼避難小屋)に続く。
7月中旬に3泊4日の日程で、表大雪の旭岳からトムラウシ山までを縦走した。
(地図をクリックすると大きくなります。)
縦走2日目は白雲岳避難小屋を出発し、忠別岳(標高1963m)、五色岳(同1868m)、化雲岳(同1955m)に登頂し、ヒサゴ沼にある野営地まで行く16.7kmの行程だった。4日間の中で一番長かった。
白雲岳避難小屋キャンプ指定地を5時57分に出発した。
避難小屋の周辺で頻繁にヒグマが目撃されている。ハイカーは皆クマ鈴を鳴らして歩いている。
私はお花の写真を撮るため頻繁に立ち止まる。他のハイカーが近づいてくるのもクマ鈴で分かる。抜いてもらう場所を予め考えながら歩いていた。
お花はその日初めて観るものはたいがい撮影した。一度撮ったものは撮らないことが多かった。
この花は初めてのように思えて撮影した。名前が分からず教えてgooに頼ったが、エゾノタカネツメクサなのかエゾミヤマツメクサなのか判断がつかなかった。生育している数はエゾノタカネツメクサが圧倒的に多いらしい。
・エゾノタカネツメクサ(蝦夷の高嶺爪草、Minuartia arctica var. arctica、ナデシコ科タカネツメクサ属の多年草)
日本では北海道の利尻島、大雪山系、夕張山地、日高山地、知床山地に分布する。高山帯の岩場や砂礫地に生育する。
・エゾミヤマツメクサ(蝦夷深山爪草、Minuartia macrocarpa var. yezoalpina、ナデシコ科タカネツメクサ属の多年草)
北海道の大雪山系に分布する。
隣の植物はエゾハハコヨモギだと教えられた。
・エゾハハコヨモギ(蝦夷母子蓬、Artemisia glomerata、キク科ヨモギ属の多年草)
北海道大雪山の高山帯の岩礫地に見られる。高さ20cm程度。葉は2回掌状に分裂し、両面に絹毛が密にある。頭花は総状につく。夏に開花。
前夜の雨で草木は濡れていた。そのためレインウエアの上下を着用して歩いた。中の着衣を調整していて暑くはなかった。
・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)
・アオノツガザクラ(青の栂桜、Phyllodoce aleutica、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
・エゾノツガザクラ(蝦夷の栂桜、Phyllodoce caerulea、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
この日歩いた道は大部分が見通しの良い高原台地だったが、所々背丈を越える高さのハイマツやナナカマドの中を抜けた。
・ウラジロナナカマド(裏白七竃、Sorbus matsumurana、バラ科ナナカマド属の落葉低木)
また雪渓近くを歩く道では、お花畑が観られた。
・チシマノキンバイソウ(千島の金梅草、Trollius riederianus、キンポウゲ科キンバイソウ属の多年草)
・ウコンウツギ(鬱金卯木・鬱金空木、Weigela middendorffiana、スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木)
・チングルマ(珍車・稚児車、Sieversia pentapetala、バラ科チングルマ属(Sieversia)またはダイコンソウ属(Geum)の落葉小低木)
・キタヨツバシオガマ(北四葉塩釜、Pediculais chamissonis var. hokkaidoensis、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)
・エゾノツガザクラ
ここは左側に雪渓が続いていた。その近くでチングルマの大群落を何度も見かけた。
雪解け水が流れる側に、エゾコザクラの群落が観られた。
こちらはエゾノツガザクラとアオノツガザクラの混群。
左側に雪渓が続いていて、ガスがかかっていた。手前にチングルマとアオノツガザクラの群落が観られた。
こちらも左側が雪渓で、手前にチングルマ、エゾノツガザクラ、アオノツガザクラの群落が観られた。
先へ進むと広い高原台地となった。地図を見ると高根ヶ原と書かれていた。礫地にコマクサ、タカネオミナエシ、エゾツツジなどが散らばって咲いていた。このような高原が長く続いた。
・コマクサ(駒草、Dicentra peregrina、ケシ科ケマンソウ亜科コマクサ属の多年草)
・タカネオミナエシ(別名チシマキンレイカ;千島金鈴花、Patrinia sibirica、スイカズラ科オミナエシ属の多年草)
・エゾツツジ(蝦夷躑躅、Therorhodion camtschaticum、ツツジ科エゾツツジ属またはツツジ属の落葉低木)
・ホソバウルップソウ(細葉得撫草、Lagotis yesoensis、オオバコ科ウルップソウ属の多年草)
大雪山系に分布する。環境省により絶滅危惧IB類(EN)の指定を受けている。
・ムカゴトラノオ(零余子虎の尾、Bistorta vivipara、タデ科イブキトラノオ属の多年草)
日本では、北海道、本州中部地方以北に分布し、亜高山帯から高山帯の日当たりのよい草地や岩礫地に生育する。
7時ちょうどに三笠新道の分岐に着いた。ここでしばらく休憩した。
今回行動食に用意したのは主にミックスナッツだった。その中でも『ハニーバターアーモンド』という商品が食べやすかった。
三笠新道の分岐を過ぎた辺りでもホソバウルップソウの群落を観た。花はオオバコと同じく下から上に向かって順に咲くようだ。
この植物の葉を観ていても「細葉」には見えない。しかしウルップソウの幅広い葉と比べると「細葉」なのだろうと納得した。
・イワブクロ(別名タルマイソウ;岩袋、Pennellianthus frutescens、オオバコ科イワブクロ属の多年草)
コマクサがたくさん咲いていた。
こちらはエゾツツジ、タカネオミナエシの混群。
ガスはまだ晴れない。予報では9時頃に晴れるという。歩くには涼しくて良いものの、この高原台地全体を見晴らせたらどんなにか素晴しいだろうと思った。
視界が悪い中、コマクサの群落があちこちで観られた。
南へ進むとハイマツの中を抜ける道となった。
そしてその先に緑の湿原が広がっていた。チングルマやミヤマバイケイソウが美しい。
セリ科の花もたくさん咲いていた。ハクサンボウフウのようだった。
・ハクサンボウフウ(白山防風、Peucedanum multivittatum、セリ科カワラボウフウ属の多年草)
北海道、本州の中部地方以北に分布し、高山帯の草地に生育する。
タカネオミナエシもたくさん咲いていた。
ハイマツの間を抜ける道は昨夜の雨で泥濘んでいて、歩きにくかった。
木道は残骸であっても水たまりを避けるのに助かった。
ハイマツの陰にマイヅルソウやゴゼンタチバナが咲いていた。
・マイヅルソウ(舞鶴草、Maianthemum dilatatum、キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属の多年草)
北海道から九州の山地帯上部から亜高山帯の針葉樹林に多く群生する。
・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)
丸石を敷き詰めたような道。これも自然の状態だと思う。
石の隙間にきれいなコマクサが咲いていた。
草地にはタカネシオガマが観られた。
・タカネシオガマ(高嶺塩釜、Pedicularis verticillata、ハマウツボ科シオガマギク属一年草)
本州の中部地方から北海道の高山帯に分布し、砂礫地や草地に生える。高さは5~15cm。茎の上部に唇形の紅紫色の花をつける。
ミヤマシオガマやヨツバシオガマに似るが、ミヤマシオガマと比べ葉の切れ込みがそれほど細かくない点、ヨツバシオガマと比べ高さが低い点などで区別ができる。
この岩の向こうはどうなっているのだろう?
まだ高原台地が続いていた。
・エゾイソツツジ(蝦夷磯躑躅・蝦夷石躑躅、Ledum palustre L. subsp. diversipilosum var. yesoense、ツツジ科イソツツジ属の常緑小低木)
北海道、東北の高山帯に自生し、主に岩礫地や湿地などに自生する。北海道の固有種という説もある。
緩やかに登ってきた台地だが、一転して勾配の急な下りになった。せっかく登ってきたのに下るのは残念に思えたが、その先にこの光景が待っていた。忠別沼である。
忠別沼は『山と高原地図』に水場の印があるところだが、まだ十分に水は足りていた。ちなみに大雪山系にある水場はすべて「要煮沸」である。今回は高性能フィルターを持参したので、それで濾過すれば煮沸しなくても飲用できた。
忠別沼の湖畔にたくさんのお花が咲いていた。
これからの写真が鮮明に見えるとしたら、それはガスが晴れてきたからだ。天気予報通り時刻はちょうど9時になっていた。
・エゾノツガザクラ
・キバナシャクナゲ(黄花石楠花、Rhododendron aureum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)
・リシリリンドウ(別名クモマリンソウ;利尻竜胆、Gentiana jamesii、リンドウ科リンドウ属の多年草)
北海道の利尻山、大雪山、夕張山系の高山の湿った草地や砂礫地に生える。茎は上部で枝分れする。葉には厚みと光沢があり、対生する。花冠は5つに裂け、細かい切れ込みのある副片が花の内部を覆い隠す。
忠別沼で10数分休憩して再びザックを担いだ。
反対方向から沼を見下ろした。
・リシリリンドウ
・タカネシオガマ
・エゾイソツツジ
・イワヒゲ(岩髭、Cassiope lycopodioides 、ツツジ科イワヒゲ属の常緑矮性小低木)
・コケモモ(苔桃、Vaccinium vitis-idaea、ツツジ科スノキ属の常緑小低木)
日本では北海道、本州、四国、九州に分布する。亜高山から高山のハイマツなどの針葉樹林下、岩礫地などに自生する。
忠別岳の最後の登りをゆっくりと登った。
10時ちょうどに忠別岳(標高1963m)の山頂に到着した。計画より50分早い到着だった。レインウエアをどこで脱いだのか覚えていないが、それは既にザックの中にあった。
表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その④(忠別岳→ヒサゴ沼避難小屋)に続く。