休止要請を解除された5月25日の天王寺公園「てんしば」。青空とハルカスビルの下、くつろぐ姿はやっぱりほっとする。
曖昧だった事が顕在化し、想像していた5年ぐらい先が一機に進んだように思う。外的要因がないと、自ら変わらない・変われない日本に課せられた試練なのか。
そんな中、私達消費者の自粛中での日常はどのような姿であったか。2020年6月1日現在、私達の買い物行動をみつめ、変わったこと、変わらないことをまとめた。
●この3か月間、食品の買い物に行ったお店
「ステイホーム」は時間がたっぷり。手間のかかる料理にも挑戦したから食材購入量も増えた。「新型コロナで困っています」食材の取り寄せ応援もした。ストアコンパリゾンが目的でなく、自分の生活スタイルに合った信頼できるお店が営業を続けてくれて有難かった。
「主婦っとサーベイ」伯井・網島の行きつけスーパーの開示⁉
・ライフセントラルスクエア北畠店
・いかり王子店
・いかり南海なんば店
・パントリー近鉄あべのハルカス店
・近鉄上本町店生鮮市場
・成城石井上本町店
・成城石井キューズモール店
・阪急梅田店
・阪神梅田店
・大丸梅田店
・万代天美我堂店
・万代美原店
・デイリーカナートイズミヤ 南田辺店
・デイリーカナートイズミヤ 松原中央店
・大阪いずみ市民生協 コープ和泉中央店
・サンプラザ三宅店
・近商松原店
・近商ハーベス上本町店
・あすかてくるで 羽曳野店JA ファーマーズマーケット
・農産物直売所「愛彩ランド」JAいずみの
・よってって てんしば店
・木津卸売市場
2月中旬は上京し、幕張メッセで開催された「スーパーマーケット・トレードショー2020」で、新商品、スーパーマーケットの改善事例、未来のスーパーマーケットについてなどに注目し、学んでいたのだった。
しかしながら、2月下旬から刻々と変わる状況。4月7日には、政府から発表された特別措置法に基づく「緊急事態宣言」により大型商業施設、百貨店も食品売り場以外は閉められ、街中にも人が少なくなる。
2月下旬には、不安感を必要以上に煽るワイドショーなどのテレビ放映などにより、買い占めによる品薄や欠品、混雑が続く。トイレットペーパーやティッシュの紙類、お米まで店頭から無くなる店もあった。製造元やスーパーマーケットが、商品は潤沢にある事を告知しても、すぐに店頭から無くなる様子を見た時には、30年近く前の石油ショックと同様の騒動が繰り返されるのか、と・・・。消費者は歴史から学ばないのか。
●全国スーパーマーケット協会公式Twitterの呼びかけ
当初スーパーマーケットに家族連れで買い物に行っていた人達も多くいた。『食料品を買いに行くための外出』は制限ナシとされていたため、気分転換の外出の場として使われていたようだ。
4月10日 全国スーパーマーケット協会の公式Twitterの呼びかけがあった。
『(お客様へ)週末はスーパーの混雑が予想されます。「不要不急」には当たらないとされていますが、家族総出で行く「要」や「急」は、あるでしょうか。スーパーは遊び場、レジャーランドではありません。さらなる規制強化を避けるためにも、今は入店人数を抑えるよう、ご協力ください。』【4.8万リツイート、5.8万 いいね】
こうして、家族で出かけるリスク、従業員へのリスクを適切に伝えて下さったおかげで、運転手として来た方は駐車場で待機し、店内での買い物は最小人数で済ませる事に。買い物メモを持ち、短時間で要領良く。 同時に3密回避のため、買い物頻度を3日に1回程度に減らせば1回あたりの購入量は増える。それは「適量の買物」であり「買いだめ、買い占め」とは違うという発信もされた。ある部分だけ切り取り報道される懸念にも対処された。お客と従業員の安全を守るため、発信を続けられ、行政機関やマスメディアへの提言、牽引役、コントロール役としての役割を。このような有事には特に重要。消費者にも買い物に行く時の指針となり、とてもありがたかった。
●店内入場制限
開店後に高齢者や妊婦、障害者が優先的に買い物をできる時間帯を決めたお店や、立地や来店手段によって、優先時間を午後からにしたお店もあった。また、顧客の年代構成を調べた結果、優先時間を決めると、かえって密になると判断され優先時間を作らなかった企業も。
レジカゴやカートの数で人数調整。入口に告知や「密を避けるための」店内放送もあり、お客も納得した。本部の方と思われるスタッフの誘導も多く見かけた。不慣れな様子ではあったが、そこはお客も納得。実際、入場制限を実施している店内は普段以上に空いており、カートも無理なく快適に押せ、おかげで買い物がスムーズに出来た。
●出入口に消毒液の設置(ペーパーは不要ではないか)
●チェッカーさんとの間には、透明フィルムの仕切りが出来た
●レジ前では、足型のシールに沿ってソーシャルディスタンスを保って待つ
後方からレジカゴで押される事がなくなった。
レジ列にごまかして割り込む人がいなくなった。
●パン・惣菜売り場のトングでのセルフ売り場がなくなった
過去、意図せず服の袖や、抱いている子供の靴が触れている状況を見る事もあったし、落下菌についても不衛生で気になるという事を言い続けてきた。不特定多数が触れるトングについても危惧をしてきた。パック詰め、個包装の売り方になり、どうしても変わらなかった売り場が一変した。
●お客にも個々のスーパーマーケットの企業姿勢がはっきり視えた
お客はポイントやチラシの販促ツールがなくても自分の生活スタイルに合った信頼できるスーパーマーケットに行く事を選んだ。
特定の曜日に店内が混雑することを避けるため、「ポイント倍セール」や「優待パス 5%OFF」といったサービスなどの一時休止を理由と共に告知していたスーパーは多かった。自店の中止理由を「大阪府知事の要請によりセールを停止している」と、店内放送でエンドレスに流すお店もあった。しかし、混雑する事が予想されるにも関わらず、特売、チラシ配布や、ポイントセールを続ける店もあった。
ネットでの宅配も増え、商品を届けて下さるシステムが大きく崩れず運営された事や、「日々の食べ物を買いに行く・行ける」がどれだけ大切であり、提供されている事が有難いかという事も改めて認識した。
一息ついた今、チラシやポイントセールが再開されたら、お客はまたそれを目指して行くだろう。その行動は以前と変わらない。しかし出入口の消毒液や、ソーシャルディスタンスは続けて欲しいと思っている。もちろんパン・惣菜売り場の個別包装も。スーパーマーケットからの変化を受け入れて買い物をする事が、消費者の「新しい生活様式」の一部になった。