ただの備忘記録

忘れないように記録を残します。忘れるから記録に残してます。そして、その記録が役立つといいかな。

映画「運命じゃない人」

2008年06月01日 | 映画

まもなく内田けんじ監督の映画「アフタースクール」が上映されるので、前から気になっていた同監督の初映画「運命じゃない人」を借りてきました。
カンヌ批評家週間で4つの賞を取った作品として数年前に紹介されていて、ブックマークを残していました。

公式サイト:http://www.pia.co.jp/pff/unmei/index.html

最初は地味に始まります。一人の女性が大きな荷物を抱えてアパートを出ると、持っていた鍵をポストに入れます。そして、婚約指輪を質屋に持ち込み、喫茶店に入ります。そこで、次なる二人の登場人物と出会います。
次に優しい男をカメラはクローズアップします。話は少し時間を戻します。そうすると、先の映像と同じ部分が出てくるのに、見えていなかった部分が見えてきます。
まだ、この時点では話の展開が静かに行われます。
次に優しい男の友人にカメラが移動します。また時間が少し巻き戻され、これまで静かだった話の裏で、かなりの事件が起こっていることが判ります。それまでのみんなの行動に別の意味が隠されていたことが明らかになって、面白くなってきます。
そして、更に別の人物の目線に切り替わり、また時間が巻き戻され、全てが明らかになり、違和感のあった部分が何もかも明らかになります。この手法は見事でした。
そして、最後にまた最初の女にカメラが戻ります。そして、また地味にエンディング・・・と思ったら、うやむやのまま終わったりはしませんでした。
最後に少しだけハッピーな予感が待ち受けています。

見終わってちょっと得した気分になれる映画です。時間を巻き戻し、同じシーンを別の視点で見ることで、別の意味が出てくるところはとても面白かった。無駄なシーンがあるなと思っていたら、それらが全て必要なピースだったという発見が、にやりとさせてくれるのです。
映画という映像作品だからこそ面白い作品として、映画の楽しさを再発見させてくれました。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿