BLUE/ブルー
<あらすじ>
誰よりもボクシングを愛する瓜田(松山ケンイチ)は、どれだけ努力しても負け続き。
一方、瓜田の誘いでボクシングを始めた小川(東出昌大)は、抜群の才能を見せつけ勝ち続け、いまや日本チャンピオンに王手をかける。
評価がとても良い作品で監督は吉田恵輔
その期待通り、観てみたらめちゃくちゃいい作品でした!!
これはボクシングを通して描かれる青春映画。
試合の勝ち負けが重要なのではなく、ボクシングに人生を賭ける者たちの姿を描いた作品なのでした。
けっしてドラマチックではなく日常の目線でリアルに見せてくれるので、映画全体がすごく自然な雰囲気なのが良かったですね。
演じる人も誰もが素晴らしかったし、ボクシングに対する強い情熱も伝わってきました
監督は長年ボクシングをやっていたということで、こんな作品を撮りたかったんでしょうね。
瓜田の熱い気持ちを表すラストシーンも静かでシンプルなんだけどとてもいいです。
春江水暖(しゅんこうすいだん)
<あらすじ>
再開発のただ中にある杭州市の富陽地区。
顧家の家長である年老いた母の誕生日を祝うため、4人の息子や親戚たちが集まる。
しかし祝宴の最中に母が脳卒中で倒れ、命は取り留めたものの認知症が進み、介護が必要になってしまう。
飲食店を営む長男、漁師の次男、ダウン症の息子を男手ひとつで育てる三男、気ままな独身生活を楽しむ四男ら、息子たちは思いがけず、それぞれの人生に直面することになる。
雄大な美しい風景とそこに暮らす人たちの日常。
借金や介護など安易には答えが出ないような問題を絡ませながら家族の姿が描かれていました。
兄弟、夫婦、親子それぞれの諍い…人間の醜い部分も包み隠さずリアルに表わされ、見ていていいもんじゃないなぁ~と思いつつ、でもこういうもんだよね、わかるわぁ~と共感してしまう部分も。
そんな中で、上( ↑ )の写真の二人が出てくるシーンは心安らぐところでもありました。
でもこの二人も結婚反対の壁にぶち当たるんですけど…。
どんな人も生きているだけで厳しい現実はつきまとうし悩みは尽きません。
そういうことがよく伝わる作品。
それでも最後は穏やかで清々しい気持ちになれてホッとしました。
シカゴ7裁判
<あらすじ>
1968年、シカゴで開かれた民主党全国大会の会場近くに、ベトナム戦争に反対する市民や活動家たちが抗議デモのために集まった。
当初は平和的に実施されるはずだったデモは徐々に激化し、警察との間で激しい衝突が起こる。
デモの首謀者とされたアビー・ホフマン、トム・ヘイデンら7人の男(シカゴ・セブン)は、暴動をあおった罪で起訴され、裁判にかけられる。
その裁判は陪審員の買収や盗聴などが相次ぎ、後に歴史に悪名を残す裁判となるが、男たちは信念を曲げずに立ち向かっていく。
Netflixでの配信作品。
でも、これを映画館で観られて本当に良かったです。
映画の内容も全然知らなかったのですがアカデミー賞にも関わっていたこともあって、これは良さそうだな~と。
それに何といっても裁判ものだし、アーロン・ソーキン脚本だし。(←それならハズレはないだろうとの勝手な見解)
この裁判は最初からいかに有罪とするかを前提としてるので、そのあくどいやり方に腹立ちます。
(その象徴が判事なんですけど、この役をフランク・ランジェラが演じているところがいいですね。ピッタリ!)
シカゴ7といいつつ、起訴されているのは実は8人。
でもこの8人目の黒人ボビー・シールはデモに参加すらしていないのです。
では何のために起訴され、この席にいるのかを知ると愕然とします…。
こんな裁判が実際にあったことに驚きを隠せないし、よくこの状態で検察側と戦ったなぁと思うばかりです。
この作品は人物描写もいいしテンポもいいし、映画としての見せ方もおもしろい。
とても良くできていると思います。オススメ。