超難解と言われている本作、観に行って来ました。
いろいろなレビューで
「さっぱりわけがわからない」だの
「ストーリーも意味不明」だの言われていて、各々の解釈が書かれている状態なので、今回はおきて破りの
“ネタバレ解説読破後の鑑賞”というのをやってみました。
頭まっさらで理解できるわけもなく、2度観る余裕もないので苦渋の決断です
だけど……
解説そのものが難解でした~
そこで、公式HPの袋とじ(←何それ)で監督が言っていた言葉を鍵に鑑賞した結果、自分なりに解釈できてわりと
すっきりしました
観る前は、監督が何を言ってるのかもわからなかったけど、観た後はその言葉の意味がなんとなくわかった気がします。
結局、ネタバレ後の鑑賞でよかったと思ってます。
以下自分なりの解釈を混ぜた簡単レビューですので、読みたくない方はご注意
↓ ↓ ↓
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監督の言葉
「浮気をしている既婚男性の話で、彼が浮気相手から妊娠している妻のもとへ戻るまでを潜在意識の視点から描いた作品なんだ」
この映画は最初から最後まで、アダムの
心象風景で、現実に起こっていることではありません。
(もちろん、現実に起こっていることも反映されてはいますが)
なので、いきなり流れをぶった切るような映像だったり、とりとめもないシーンの連続だったりという編集がされていますが、人の心っていうのは得てしてそういうものなんで、そう考えると納得です。
意味不明なシーンも(心象風景の映像化だから)と考えれば、実にシンプルに観ることができるのです。
公式HPから、もうひとつヒントをもらっていますが、画面に出てくる
蜘蛛が“母性の象徴”とわかれば、納得できます。
妻と浮気相手(恋人)どちらにも自分という相手が必要なら、もう一人自分がいればいい。
自分の複製がもう一人いれば、妻の相手も恋人の相手もできる。
ただし、オリジナルの自分は恋人の方に行きたい。
というようなことで、アダムは恋人と一緒に住んでいるのです。
だけど、どうやら妻は妊娠しているらしい。
そういうことも関連して、オリジナルの自分は妻の方に戻りたい…戻らなくては…と思い始めるのです。
そこで終盤、複製の自分と交代するように自分は妻の元に戻り、複製のアンソニーは恋人と車で事故死するのです。あくまで心象風景なので、これは恋人と別れたことを意味します。
自分が2人も必要なくなった時点で、複製のアンソニーは消滅します。
ベッドの上で妻に言った「ごめん」という言葉は、“浮気したこと”に対する謝罪でしょう。
ラスト、妻に「君は出掛けるのか」と声をかけて部屋を見たら、部屋いっぱいに膨れ上がった巨大な蜘蛛がいて、それを見たアダムがあきらめたような顔をします。
これは、妻が母親になった(自分を支配する存在になった)ということに対しての溜息だったのかもしれません。
その他にも“親展”と書かれた手紙に入ってた鍵などの謎はありますが、正直、この鍵が何の鍵なのかはわかりませんでした
他の人のレビューも見てみて、また自分なりに解釈したいと思います。
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ところで、『複製された男』の映画チラシには、
暗示的なセリフやキーアイテムをちりばめた緻密な映像世界の果てに衝撃と驚愕のクライマックスを迎えた時、あなたは一度で真実を見抜くことが出来るだろうか
とか、
本作は緻密に計算された珠玉のミステリーです。ラストは決して口外しないでください
だの書いてありますが、これじゃまるで“どんでん返し”系ミステリー映画の煽りです。
実際に、そういうつもりで観に行ったら「だまされた」と思われること請け合い。
観に行かれる方は、こういうキャッチコピーに惑わされないように