今回は、クエンティン・タランティーノを一躍有名にしたあの映画。
『パルプ・フィクション』です。
映画館で初めて予告編を観ました。“カンヌ国際映画祭グランプリ受賞”と冠されていたものの、その映像ときたら…
めまぐるしいわ、バイオレンスだわで、「変な映画~
」という雰囲気でした。
「これは別に観たくないな」ということで落ち着いたはずなのに、結局観に行ってしまいました
その頃、TVや新聞などでもこの映画が取り上げられ評価がよかったこともあるのですが、あの
変な予告を何度も観るたびに、
「あれ、意外と面白いのかも…?」という感じに思えてきたからなのです。
ここで余談。こういう感覚、案外ばかにできないのです。
同じ予告編を何度も何度も観ていると、映像の内容は全然変わらないのに、最初に受けた印象と違い、その映画の本質が見えてくるのです。
同じく、初めて予告を観たとき「なんか変な映画~」という印象を受けた『ピンポン』
何度も観ているうちに「いや、これは面白いような気がする」と思い直し、観に行ったところ
大正解という経験もありました。
(『ピンポン』については後々語る予定)
逆に、最初は「うわぁ、すげ~面白そう」という印象を受けながらも、予告編を観るうちに、
「いや、もしかしたらこれはとんでもない失敗作かも…」
と感じるようになった『パ○○ハ○バ○』(好きな人がいるかもしれないから伏字
)
一応観に行ったけど、散々でした
理由はないのだけど、最近はこういう感覚を大事にしています
閑話休題
結局観に行った『パルプ・フィクション』 肝心の感想はというと…
「おもしろい!」
いやあ、観に行ってよかった。もちろんバイオレンスてんこもりだし、変な話なんだけど、時間軸が前後する構成や、ストーリーに
全然関係ないおしゃべりがおかしかったりで、意外に楽しかったのです。
今までの映画を観る視点と一味違う視点が身に着いたような不思議な感覚でした。
あと音楽。タランティーノの映画は、すべて既成曲を使っているのに、なぜかその映画のオリジナルかと思わせるようにピッタリはまってます。
『パルプ~』では『ミザルー』
逆に『ミザルー』を聞いた途端、『パルプ~』を思い出すぐらい相互関係ができあがってたりします。
『キル・ビル』も同様。この映画のタイトルを聞くだけで布袋寅泰さんのあの音楽が頭に浮かぶでしょ?
キャストもすごい。前作『レザボア・ドックス』に続き出演したハーヴェイ・カイテルをはじめ、ブルース・ウィリス、ユマ・サーマン、サミュエル・L・ジャクソン、クリストファー・ウォーケン…
長い間停滞期を送っていたジョン・トラボルタは、この映画でアカデミー賞にノミネートされ復活しました。
この豪華なキャストにつられてみるのも一興かと…
そういえば、ある映画館に“来場者の感想ノート”らしいものが置いてあったのですが、それをパラパラと見るとこんな感想が…
“評判になっていたからパルプ・フィクションを見に来ましたが、全然面白くありませんでした。有名な映画祭で賞を獲ったからって評価しすぎです。みんな本気で面白いと思ってるんですか?もっと素直になりましょうよ。前に見に来たスピードはすごく面白かったです”
『スピード』は確かに面白いし、私も大好きです。でも『パルプ・フィクション』がつまらないっていうのは違う。これを書いた人も、いろいろな映画を観て経験値を積んだ後にもう一度『パルプ・フィクション』を観たら、その面白さがわかるんじゃないかと思うのです。(でもつまらないと思った映画は二度と観ないか
)
そういう私もあと半年ぐらい早くこの映画に出合ってたら、この人と同じ感想を持ったかもしれないな~…
まあ、つまりそういう映画