<ストーリー> 映画.comより抜粋
「マンガ大賞2010」「第14回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞したヤマザキマリの同名コミックを阿部寛主演で実写映画化。古代ローマ帝国の浴場設計師ルシウスが現代日本にタイムスリップし、日本の風呂文化を学んでいく姿を描くコメディドラマ。生真面目な性格で古き良きローマの風呂文化を重んじる浴場設計師のルシウスは、ふとしたきっかけで現代日本にタイムスリップ。そこで出会った漫画家志望の女性・山崎真実ら「平たい顔族(=日本人)」の洗練された風呂文化に衝撃を受ける。古代ローマに戻りそのアイデアを用いた斬新な浴場作りで話題となったルシウスは、時の皇帝ハドリアヌスからも絶大な信頼を寄せられるようになるのだが……。
原作のマンガが好きなので、どういう風に映像化されているか興味があったのと、単純に笑いたいのとで観てきちゃいました
ローマ人の主要キャストは、すべて日本の俳優が演じるということに一抹の不安があったのですが、みなさんローマ人の中に混じっていても違和感ありませんでしたね
やや、阿部寛さんの肌が西洋人にしては黄色いなとは思いましたが。
お風呂がテーマなので、全裸のシーンが多かったのですが、そこは工夫を凝らして自然と局部が隠れるように撮られていたのがうまい
肝心のストーリーといえば…
前半、観客もよく笑っていました。が、後半あたりからだんだん笑いも少なくなり…
思えば、笑えるシーンはすべて
原作そのままのシーンの部分なんですね。原作を忠実に再現すれば笑えるのは当たり前といえば当たり前。
けれど、映画版オリジナルの展開になるとどうも笑えない…
マンガを原作にした邦画にありがちなことなのですが、原作のテイストを無視した展開に走るため、いささか白けてしまうのです。
『テルマエ・ロマエ』は
ギャグマンガ
始終ギャグに徹すればいいのに、後半無理やり
感動を入れようとしたため、クサくなってしまったのです。
しかも
「あきらめちゃダメ」なんて、あまりにも安っぽすぎるお説教を盛り込んだものだから、観客のみなさんテンションDOWN
まあ、この根本原因はわかっていたんですが…
上戸彩さん
彼女が悪いわけではないし、演技がどーのこーのいうわけではないのですが、
すみません
はっきりいって、彼女の役
要りませんでしたね
男ばかりの話じゃ
華がないから、とにかく
女優を入れろと言わんばかりの、無駄な設定。
一晩でラテン語がペラペラになるなんてナンセンスな話も、ギャグなら全然気にならないけど、シリアス路線の中ではリアリティがなさすぎて
おいおい…という感じ。
映画製作陣はもういい加減、女優さんありきで設定付け足すのはやめましょうよ
あとは、とにかくエピソード
詰め込み過ぎ
物語に関係する重要なエピソードだけ抜粋すればいいのに、原作本1巻から3巻を網羅するほどの話を詰め込んでいる。
面白そうな話を、ただ数だけ詰め込んでいるため、ひとつひとつの演出が雑になってます。
“金精様”のエピソードにいたっては、原作読んでない人は唐突過ぎてわけわかんないでしょう。必要性もゼロだったし。
タイムスリップの条件もなんかめちゃくちゃになってましたね。
ルシウス個人の能力だったのに、温泉旅館の人々までタイムスリップしちゃうし。
いつの間にか温泉
にタイムスリップの場ができちゃったみたいになってました。
挙句に、元の世界に帰る原因となるのが●●●とは…ちょっと茫然
原作にもない、そんな無理やりな後付け要らんでしょ
それから、温泉旅館が閉館の危機に…!という話が提示されたのに回収されないままでした。
馬鹿馬鹿しいのは大いに結構!というより、それを求めているのに変にドラマチックにしてしまうのが邦画の悪いところですね~。
ふざけるのならもっと
徹底的ににふざけてもらいたいものです
その点では、ルシウスがタイムスリップする時のあの
謎のオペラ歌手の存在が面白いですね。
のんびりお茶飲んでる時に「あれ、出番!?」みたいな感じで、急いで歌う姿は笑えました
あと、チケットを買う際に貰った、ヤマザキマリさんの「テルマエ・ロマエ-特別編-」が読めたのは大きな収穫でした
監督:武内英樹
製作:亀山千広、市川南、寺田篤、浜村弘一
プロデューサー:稲葉直人、菊地美世志、松崎薫
原作:ヤマザキマリ
脚本:武藤将吾
撮影:川越一成
音楽:住友紀人
製作国:2012年日本映画
上映時間:108分
<キャスト>
阿部寛
上戸彩
北村一輝
竹内力
宍戸開
笹野高史
市村正親
キムラ緑子
勝矢
外波山文明
飯沼慧
岩手太郎
木下貴夫
神戸浩
内田春菊
松尾諭
森下能幸
蛭子能収