思惟石

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『金を払うから素手で殴らせてくれないか』なんだこれ

2021-03-24 17:30:58 | 日記
木下古栗(ふるくり)
『金を払うから素手で殴らせてくれないか』。

私は何を読んだのだろうか…

と思うくらい、なんだか不思議な文学です。
いや、凄いです。
凄いんですけど!!!
何を読んだんだ?ってなる笑
そんな3つの短編。

『IT業界 心の闇』
「私」による長めの一人称がおもしろくてテンポよく読んだところ、
なぜか叙述が登場して「?」ってなった上に、
友人が参加した異業種交流会にまつわる怒涛のラストで
「???」ってなった。
すごいな。
変な作者なんだな。

という新たな認識で、次の
『Tシャツ』
を読んでみた。
今度は短めのセンテンスを重ねる技法が
いい感じでまたもやサクサク読んでたらいつの間にか
まち子が大活躍する樹海みたいなパート出てきて
いつの間にか主人公っぽかった外人さんがいなくなって
オバサン2人の話になってた。
おもしろいな。
変な作者なんだな。

で、表題作。
『金を払うから素手で殴らせてくれないか』
ブラックな職場から失踪した米原正和を、
米原正和とともに探しにいく鈴木。
何言ってんだって話しだけど、本当に文字通り、
そういうことなんです。なんだそれ。
それよりも、鈴木と川原の他にもう一人、
話者っぽいのがいるようないないような。
この文章は一人称なの三人称なの?っていうミラクル。
すごいな。
すごい変な人だな、この作者。

ちなみに私、生まれ年も出身地も一緒だ。
女性かと思って読んだのだけど、男性らしい。
よかった、ドッペルゲンガーかと思った。他人だ。

2014年のTwitter文学賞 国内編1位。
Twitter文学賞、あなどりがたし。
コメント
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