思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

読了『最初の悪い男』コマドリさんではなかった

2021-07-02 18:45:38 | 日記
序盤で主人公シェリルのなかなかな
「痛い!いたたたたた!他人事じゃない!!!!」
と良い感じに悶絶しまくってましたが。

中盤以降で、
居候のビッチ娘クリーとの関係性が変化し始めると、
長編小説として人生と物語も変化せざるを得なかった。

クリーとちょっと近づいたかなと思ったら
(なかなかクレイジーなコミュニケーションで
これはこれでおもしろいのだけど、まあ、続かないよな)
シェリルの発情期というかメンタル的どん底の
良くない悪循環期というかを経て遠ざかった挙句に
妊娠出産という超イレギュラーライフイベントで
さらに関係性が超展開へ。
物語も忙しいし、シェリルも忙しい。
読んでるこちらの気持ちも忙しいよ!!
そしてシェリルはがんばり始めた!!
そうだ、フィリップはダメ男だ!!
シェリルの「正しい行動をとったのだ」は、
まあ、後付けだと思うよ!でも良いんじゃないか?
と。
コマドリさんじゃないじゃん、シェリル…。

なんだかんだで、ダメ女に悶絶する話ではなかった。
良くも悪くも。
ちゃんとした長編物語です。
結局、一気に読んでしまった。
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『最初の悪い男』アメリカ版のコマドリさんか?!

2021-07-02 10:47:10 | 日記
なんか、凄いのを読み始めてしまった笑
ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』

主人公の独身女性43歳シェリルの物語なんですが。
シェリル、凄いわ。ヤバイ人だわ。
でも止まらないわ、読んじゃうわ…。

60歳上司への片思いをこじらせた末の恋愛妄想。
見知らぬ赤子たちを通じて交信する
自分だけの愛らしい存在クベルコ・ボンディとの会話。
そして家に転がり込んできたビッチ・クリーとの
(クレイジーすぎる)人間関係の取り方。

読みながら悶絶する!!

シェリルよ、お前はアメリカのコマドリさんか?!

とはいえ、コマドリさんほどの
「他人事じゃない!」感じではないんだよな。
人種というか所属する社会が違うからかな。
悶絶するけど。

『コンビニ人間』っぽい感じもあるかな。
でも、あんなにサイコパスじゃないんだよね、シェリル。
もっと生々しい。
なによりも、コンビニ人間にはツッコミ係の常識人
(妹も、非常識ぶった常識人な白羽さんも)がいるけど、
シェリルの隣にいるのはクレイジービッチのクリーで
ふたり揃うことで混沌に拍車がかかっているんだよな。
それがおもしろいし、話の主旨なんだけど。

『あの子の考えることは変』
ダメ女によるダメ女との同居話も連想する。
巡谷と日田みたいな若年性クレイジーというわけでもないのだけど。
ちなみに『あの子の』には「他人事じゃない!」感は無いけど、
かと言って「私の人生とは100%関係ないね!」とも言えない。
20代女子のハシカみたいな感じかな。
笑ってられないけど。

ところで、ミランダ・ジュライという作家名に
覚えがあったんですが、読んでましたね。
『変愛小説集2』に収録されていた短編「妹」
これもヘンテコな主人公のヘンテコ妄想炸裂な話だ。
そして、このときも「お前、さてはアルマンだな?!」って思ってる笑
(こちらはダメ男メイカー、エマニュエル・ボーヴ
『きみのいもうと』の主人公)
「他人事じゃない」というより、
ダメダメな主人公に謎の愛着か何かを覚えていて
読書で追い求めているらしい笑
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