『覇権帝国の世界史』
世界史の全体を俯瞰しようという
なかなか難しい課題に取り組んだ一冊。
西世界、東世界、イスラム世界の三つの「ユニヴァース」に分けて
世界の流れを描いています。
あとがきで著者が触れていますが、
この三分類が正解とか唯一の解釈ではなくて
こうやって見ると俯瞰しやすいという一例である、と。
確かに流れや対立構造が分かりやすかったです。
東の系譜は、東ローマ帝国(ビザンツ)からロシアに繋がるのだけれど、
「そうかな?」と思った部分があったり、
「そうかも」と思う部分もある。
唯一史観を主張されるよりもファジーで良いんじゃなかろうか。
私の長年ふんわり抱えていた疑問
「なんでギリシャって偉そうなん?」とか
「ラテン語とギリシャ語の違いは何?」とか
「ヘレニズムって何ですか…」とか。
見事に解決しました。
佐藤先生ありがとう!
アレクサンドロス大王がガーっと広げた大帝国は
あっという間に分解したけれど
ギリシャ文化はガッツリ広がりヘレニズムになる。
当時の国際言語はギリシャ語。
キリスト死後、ローマ帝国内でめちゃくちゃ広まったのは
布教をがんばったパウロがローマの市民権を持っていて、
且つ、ギリシャ語が話せたから。
どこにでも行けて、誰とでも話せる人だった
ユニヴァーサル人材だったから。
ここらへんのキリスト教が拡大した理由とか、状況とか、
なるほどですし、なんか現代もそういうとこあるよね。
(『聖☆おにいさん』のパウロは超絶高学歴だったな…
私は漁師兄弟を応援するよ)
ローマ帝国が元々は「辺境国」だったのもなるほどだし、
大帝国となり滅びた後、地中海をイスラムに奪われて
西世界の中心がローマから内陸に移ったのもなるほどです。
佐藤先生は、その移動の理由を
「ゲルマン大移動とか言ってるけど、
本当に理由はイスラムに押されたから」
的なことを書いていた。
イベリア半島(スペイン)も長らくイスラムだったし。
なるほどみ。
そんなイベリア半島のレコンキスタ(再征服)が終わったのが
1492年。
コロンブスが新大陸発見した年ですね。
行き場がなくなったレコンキスタ兵士たちが、
新大陸に続々と渡ってコンキスタドールになったわけです。
あ、そこ、繋がってたんだあ。
(ピサロもコルテスも、レコンキスタ兵だったらしい)
国内統一した後の社会問題としての「元兵士」って
フランスの歴史でも散見されたけれど
(戦後リリースされた傭兵が賊になる流れ)
歴史あるあるなんだな。
世界史の最初の一冊としてもおもしろいのかもしれません。
私はあちこちの歴史書をつまみ食いした後に読んだので
コネクト感が楽しめて良かったです。
世界史の全体を俯瞰しようという
なかなか難しい課題に取り組んだ一冊。
西世界、東世界、イスラム世界の三つの「ユニヴァース」に分けて
世界の流れを描いています。
あとがきで著者が触れていますが、
この三分類が正解とか唯一の解釈ではなくて
こうやって見ると俯瞰しやすいという一例である、と。
確かに流れや対立構造が分かりやすかったです。
東の系譜は、東ローマ帝国(ビザンツ)からロシアに繋がるのだけれど、
「そうかな?」と思った部分があったり、
「そうかも」と思う部分もある。
唯一史観を主張されるよりもファジーで良いんじゃなかろうか。
私の長年ふんわり抱えていた疑問
「なんでギリシャって偉そうなん?」とか
「ラテン語とギリシャ語の違いは何?」とか
「ヘレニズムって何ですか…」とか。
見事に解決しました。
佐藤先生ありがとう!
アレクサンドロス大王がガーっと広げた大帝国は
あっという間に分解したけれど
ギリシャ文化はガッツリ広がりヘレニズムになる。
当時の国際言語はギリシャ語。
キリスト死後、ローマ帝国内でめちゃくちゃ広まったのは
布教をがんばったパウロがローマの市民権を持っていて、
且つ、ギリシャ語が話せたから。
どこにでも行けて、誰とでも話せる人だった
ユニヴァーサル人材だったから。
ここらへんのキリスト教が拡大した理由とか、状況とか、
なるほどですし、なんか現代もそういうとこあるよね。
(『聖☆おにいさん』のパウロは超絶高学歴だったな…
私は漁師兄弟を応援するよ)
ローマ帝国が元々は「辺境国」だったのもなるほどだし、
大帝国となり滅びた後、地中海をイスラムに奪われて
西世界の中心がローマから内陸に移ったのもなるほどです。
佐藤先生は、その移動の理由を
「ゲルマン大移動とか言ってるけど、
本当に理由はイスラムに押されたから」
的なことを書いていた。
イベリア半島(スペイン)も長らくイスラムだったし。
なるほどみ。
そんなイベリア半島のレコンキスタ(再征服)が終わったのが
1492年。
コロンブスが新大陸発見した年ですね。
行き場がなくなったレコンキスタ兵士たちが、
新大陸に続々と渡ってコンキスタドールになったわけです。
あ、そこ、繋がってたんだあ。
(ピサロもコルテスも、レコンキスタ兵だったらしい)
国内統一した後の社会問題としての「元兵士」って
フランスの歴史でも散見されたけれど
(戦後リリースされた傭兵が賊になる流れ)
歴史あるあるなんだな。
世界史の最初の一冊としてもおもしろいのかもしれません。
私はあちこちの歴史書をつまみ食いした後に読んだので
コネクト感が楽しめて良かったです。