『優しい地獄』
イリナ・グリゴレ
ルーマニア出身の作家による
日本語エッセイ。
そう、邦訳じゃないのよ!
そしてめちゃくちゃ文章が詩的でうまいのよ!!
という褒め方は、作者が望むところではないと思うけれど、
読みながら風景が見える、素敵な文章がたくさんあります。
作者は84年ルーマニア生まれ。
当時のルーマニアは第二次対戦後に社会主義国家となったものの
実情はチャウシェスク独裁政権。
幼少時の国全体や、彼女をとりまく社会環境の閉塞感は
前半の大部分を占めています。
チャウシェスク大統領は1989年に革命で失脚。
クリスマスである12月25日の、裁判からのスピード処刑の様子が
ルーマニアではテレビで何度も放映されたそうで、
このエピソードも、繰り返しエッセイに登場します。
彼女の考え方は私と違う部分が多いと思ったのだけれど、
その違いがどこから来ているのか、
すごく考えさせてくれるエッセイでもありました。
現在は津軽地方に住みながら研究と育児をされているそうで、
後半の近況を綴るエッセイも興味深かった。
遠くて近いようで、近くて遠いような、不思議な人だな、と。
イリナ・グリゴレ
ルーマニア出身の作家による
日本語エッセイ。
そう、邦訳じゃないのよ!
そしてめちゃくちゃ文章が詩的でうまいのよ!!
という褒め方は、作者が望むところではないと思うけれど、
読みながら風景が見える、素敵な文章がたくさんあります。
作者は84年ルーマニア生まれ。
当時のルーマニアは第二次対戦後に社会主義国家となったものの
実情はチャウシェスク独裁政権。
幼少時の国全体や、彼女をとりまく社会環境の閉塞感は
前半の大部分を占めています。
チャウシェスク大統領は1989年に革命で失脚。
クリスマスである12月25日の、裁判からのスピード処刑の様子が
ルーマニアではテレビで何度も放映されたそうで、
このエピソードも、繰り返しエッセイに登場します。
彼女の考え方は私と違う部分が多いと思ったのだけれど、
その違いがどこから来ているのか、
すごく考えさせてくれるエッセイでもありました。
現在は津軽地方に住みながら研究と育児をされているそうで、
後半の近況を綴るエッセイも興味深かった。
遠くて近いようで、近くて遠いような、不思議な人だな、と。