https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181029-00010009-newsweek-int略
その結果、鼻呼吸で休息した被験者は、口呼吸の被験者に比べて、明らかに記憶の想起が優れていた。研究チームでは、この実験結果について「呼吸が記憶の保持に直接影響していることを示しており、『認知機能は呼吸周期によって調整されている』という見解を裏付けるものだ」と評価している。
■ 瞑想やヨガで強調されてきた呼吸の重要性
嗅覚をつかさどる「嗅球」の受容体は、臭いだけでなく、気流の変化も検知し、吸気と呼気で脳の異なる部分が活性化するとみられているが、呼吸と脳の働きとの同期がどのように起こり、これが脳や行動にどのような影響をもたらしているのかは、まだ明らかになっていない。
研究論文の筆頭著者であるカロリンスカ研究所のアルティン・アーシャミアン准教授は「呼吸している間に脳で何が起こっているのかを調べることが次のステップだ。現在、電極を脳に挿入せずに、嗅球の働きを測定する新たな手段を開発している」と述べている。
長年、瞑想やヨガなどの分野では、呼吸の重要性が強調されてきたが、この研究結果はこの作用を科学的に示したものとして、注目されている。