散歩者goo 

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昨日記160510火 (セミナー「没後100年 宮川香山」の見どころ)

2016年05月11日 16時41分48秒 | 日記(昨日記・今の思い考え・行動・情況)
雨  最高/最低℃ =21.2  15.6
昨日は夕方から、梅田のグランフロント大阪北館のカフェラボに行った。
ナレッジキャピタルのセミナー『特別展「没後100年 宮川香山」の見どころ』に参加した。
特別展は、現在大阪市立東洋陶磁美術館で開催されていて、重富滋子学芸員から、各作品についての説明があった。

解説を聞いて宮川香山の事は少し理解できた。
職人芸とすれば、天才的な技巧を身につけ作品を生み出した。
今回のセミナーでは、ジャポニズムとの係わりや、いつも海外を(万博や清や欧米の高級品消費者のマーケットの流れやマイセンその他ヨーロッパの工房等)を意識していたことも知った。
その中で、40歳の頃から磁器の制作を始めたという。
その動機の説明の一つには、陶器は壊れやすいので、半年や1年かけて制作した作品も輸送途中で壊れることがあり、そのリスクを減らそうとしたことも考えられるという。

いろいろ作品の解説を聞きながら、ガレとかその他ヨーロッパの工房と、アールヌーボーの流れと、香山との関係が気になった。
そのことについては、一部昨日の昨日記160509で触れた。

時代は全く違うが、江戸時代の絵師には、ヨーロッパ絵画に触れた者(司馬 江漢)もおり、一部浮世絵師は、ヨーロッパの絵画の知識もあった可能性がある。(遠近法の使用)
又若冲のように当時最新の絵の具をヨーロッパから入手できた者もいるところを見れば、ヨーロッパの最新美術状況の知識が、多くの絵師の間にあったのかもしれない。
そうしたことと比べると陶芸の方では、ヨーロッパへの輸出は盛んで、多分進んでいたライバルとしての中国の陶芸は意識しただろうが、美術・芸術という観点からの陶芸としてのそうした動きや考え方はなかったのだろうか。
帰宅は、10時近くになった
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昨日記160509月 (アールヌーボーと日本の工芸と美術史の流れ)

2016年05月11日 15時55分46秒 | 日記(昨日記・今の思い考え・行動・情況)
雨  最高/最低℃ =19.4  14.7
この日は午前中、FBのリンク先で見つけた芸術論の長編の論考メモを読んだ。
メモとはいうものの、多くの文献を引用した論文に近いものである。
ブリコラージュについて語っているが、文科系の論文を読んでいて、いつも思うのだが、これだけ長い言説が必要かと思う。
たとえ美学であっても、事実の基づいた論証でなければならないと思っている。
論理の上に論理を積み重ねた、形而上学的な論理展開もよく見受けられるが、多くの場合論証しようとしていることが明確に見えない場合も多い。
極端に言えば、仲間内の暗黙の了解による共同幻・思い込みや信仰に近いものさえある。
そうしたこともあって美術芸術関係の論文を読むときに戸惑うことが多い。
(思想・哲学や社会学・心理学・文化人類学や歴史・考古学・・は、論理展開が明確である。)

そもそも芸術は価値観の絡んだ問題と思っているが、価値観は個人の属性により変化するので、価値観が違えば、異なった価値観で議論評価することは困難になる。
例えば西洋美術の文脈で日本の伝統工芸を議論することは難しい。

余談になるが、日本の浮世絵や、陶芸や服装はヨーロッパの美術やファッションに影響を与えジャポニズムが広がったことはよく知られ、過去に何度かジャポニズム関連の展覧会も開かれていて、工芸でもガラスや陶芸に影響を与えたことは、関係者の間のみならず、すでに一般にもよく知られていることである。
ヨーロッパの美術では、日本の美術に接した時、印象派の作家を始め、美術家がその技法や表現方法が取り入れている。
しかし、当時のヨーロッパでは、西洋美術の文脈の中で新しい視点や表現手法・技術の一つとして取り入れられたのであり、同時に日本の風景や風俗にあこがれを持ったが、日本の精神を取り入れたのではない。(戦後は日本文化への理解が進み、同時に日本人作家も欧米で活躍していて、和のテイストや感覚もいろんな分野で浸透している。)
事実、工芸面では、アールヌーボーの流れでもわかるように、それまでの西洋美術の文脈の歴史的流れを意識して制作しているように見える。(ガレ等の装飾的工芸)
逆に、ヨーロッパに影響を与えた日本の浮世絵を含む作家達のほとんどは、西洋美術史の文脈についての知識や意識はなく、陶芸も、明治中期までは、西洋美術史の文脈とは無関係に伝統工芸の職人としての技術の発展的展開にこだわって発展させたように見える。

さて、午後以降は、ペットの鳥関連の事を調べたり、考古学関係の本を読んだり、特記することはなく1日を終えた。


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参考ブログ集 散歩者gooより
(参考ブログは、数週間に1度追加削除しています。数か月以前のものは分野別<芸術 健康 エッセイ 歴史宗教思想 情報機関> に分類しています。)

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