スパゲティ症候群なんて言葉があったっけ。
gooの辞書によれば、「病気の治療や救命処置のために、たくさんの管や電線などをからだに取りつけられた状態」って書いてあった。
おしっこの管、点滴の管、気管内の管、心電図のラインなどなど…。
緩和ケア病棟でも、状態が悪化して症状緩和のためにラインが多くなりがち…。
そうそう、金本さん(仮名)の体からもたくさんのラインがにょにょにょんと出ています。
でも、かつての??スパゲティ症候群とは違ったお姿。
もちろん、治療のためのラインも致し方なく出てます。
おしっこの管、点滴の管(これは必要な時だけ)、胃管(鼻から胃までの管)、持続皮下注射のライン、酸素の管…。
これくらいなら、なんてことないのですが…。
金本さんがお風呂に入る日。
私が担当でした。
お風呂にお連れして帰ってきたのですが、そのあとにひどく時間を要しました…。
それは…。
金本さん、人生を歩んで60年以上、彼は「ハイテク?電子機器」をこよなく生活の友とされているお方だったのです。
iphone、ipad、ポケットモバイル?、ノートパソコン…などなど。
この電子機器たちはいつもコンセントにつながれています。
枕元にはこれらの機器がずらりと並び、その機器のラインときたら…。
顔には前述の酸素のチューブ、胃管のほかに、ヘッドフォン。
体から出る、そして体を取り巻くラインの数が半端ない!!!!
ラインの多くは、機器が落ちないようにベッド柵にぐるぐると固定(実際はからまっている感じ…)されており、お風呂に入るために外したベッド柵にライン類を元通りにするのにすんごい時間がかかってしまった…。
おそろしや…。
元通りにするのに一応、少しはこれはこれくらいの位置…と記憶しておいたのですが、数が多すぎて間に合わない…。
すると、やや(いえ、かなり)こだわりの強い金本さんは、
「違う!」「あ!それは電源とったらあかん!!!!!」
お叱りを受けること多々…。
お風呂の後に機器類のラインを戻すのがどんなに大変だったか…。
・・・・ということが主旨ではないのに、ひどく時間がかかったことを伝えたくて、こんなに書いてしまった。
閑話休題。
以前なら…、昔なら、今の金本さんみたいな状態は見られなかったこと。
60歳代の金本さんでこんな感じですから、これからの患者さんは、このような状態になる方もたくさんいらっしゃるのでは…、と思いました。
もちろん、こんなに体がラインに取り巻かれることになるのも、患者さんがベッド上で生活しているからというのもあります。
この状態、なんと呼ぶ?
セルフスパゲティ状態?
ラインライン状態?
ラインフル状態?
ライン・ベイスド・ライフ?
はー、なんのこっちゃ。
携帯電話やパソコンがベッド上の生活を余儀なくされる患者さんにとっては欠かせないアイテムであることには間違いありません。
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