早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和四年九月 第八巻三号 近詠 俳句

2021-05-24 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句「早春」昭和四年九月 第八巻三号 近詠 俳句

道秋や黍のかなたの夕炊き

草の花東道露を拂ひけり

秋の聲舟はものいふ燈の会圖

住む町や展けのこされ地蔵盆

燈も星も夜にさだまりて秋かはづ

蟲籠を書架の小闇に置きにけり

走行を薄茅萱のへだてけり

安治川や流行るコレラに雨の渦

脊戸の花きのふは芒剪りし哉

露じみて行人に媚ぶや牛の顔

   風光る
萩生ひて枯れをしのぐや風光る

みち草の春は黄な花風光る

草立ちて水さす鳥や風光る

   文房具禮讃 同人吟
用不要秋風にゆれ筆屏風

   早春社八月本句會
夏の燈に桔梗白きつぼみ哉

丘畑に夏の一燈乾きけり

植込みをくゞって仰ぐ夏燈し

船虫の這ふて干網風のすそ

   早春社中央句會
膝の上に飛び来て虫のひげ涼し

雲涼しうすれて星の高き哉

朝顔の地に這ふ白はよごれけり

   早春社神崎例會
夜の水のふく蝙蝠ひるがへり

蝙蝠や早苗降りに出す假渡舟

蝙蝠や巳に燈して町ふるし

   早春社無月会例會
僧出でゝ魚板を打てり青嵐

薫風に書の蛍のうごきけり

   観心亭
夕顔に立つて往来をなつかしむ

  
   打出句會
夏旦野びるの球の色に染む

女貞花こぼれて風は竹にあり

雷に廣々蓮の浮葉かな

   早春同人句會
夕立のあふれてたり金魚鉢











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