早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和四年八月 第八巻二号 俳句

2021-05-24 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和四年八月 第八巻二号 俳句 

  櫻寧會 於編集所
南大門はしがうつりて菱の花

野に立ちて裸すべすべ星かむる

旅ゆけばあしたに燃えて誘蛾灯

   草の實
草の實や来る人も人も溝を飛ぶ

   早春七月本句會
雨はれて紫蘇一條や植田ぞひ

夏かすみ乙鳥とぶ町のうち

夏かすみかさなりて皆小山かな

   早春社中央句會
蝉なくや草もいましの雨しずく

   早春社神戸句會
あじさいや暮れになずみてまぎれなし

茶屋の裏青田すこしに湖ひろし

   早春社尼崎句會
藁塔のくずれ散乱瓜の花

   早春社浪速句會
百合咲いて六地蔵より墓の山

石浮いて水輪もよろし青あらし

  早春社上町倶楽部例會
虻うらゝ高く干衣のひるかへる

菜の花や城あとかたも村たかし

佇めば日高いくなり水の裏

葉の一ツ流れて行くに日高なし

羅のかげや水には燈もゆるる

  早春社大鐘例會 萬亀庵
燈に見へて池に降るなり梅雨の宵

端居人木屑のありて皆行きぬ

   南 劤水氏歓迎句會 四ツ橋光西寺
岬鳥の燈の明けうすれ南風吹く

石一枚架したるに蓮の浮葉哉

   柳の会
町はてゝ柳しばらく川の闇

風のいろ柳うごいて窓に来る

   編輯所寓座
若葉山暮れのしばらく鳥めたつ

アスターの花のしげきを蚊に渡る

星ぞらを立てば仰がれまどの夏

   打出句會
大鯰桶に二つが巴かな

   中央同人句會
人の燈の夕ぐれ集ふ業平忌 

芝の上の浮人形や日がな陽に

   清和倶楽部句會
藪の穂をしらめて遠し夏の月

夏の月遠村祭あるらしく

  



 


 


 

  










   


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