いくつかの選挙で驚きの結果が立て続けに出ました、
選挙素人のワタシに詳細な分析など出来ないのですが、
なにやら直感的・独酌酔言的には一つのキーワードが浮かんできました、
ので、なんとか書いてみることにします、
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キーワードは・・・
今の日本の『40代以下の有権者は幸せを実感できていない!』ということです、
出発点は米国大統領選挙、トランプ氏が復活再選を果たしました、
日本人的感覚からすれば、
(個人的感覚です)
あの虚言発言ばかりで犯罪で起訴されている人物を大統領に選ぶ米国!?
いったい米国では何が起こっているのか?という気持ちになります、
(個人的思い込みです)
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思想家の内田樹さんのエックスへの投稿を読んで、その通りだと感じました、
内田樹@levinassien
11月6日
トランプが大統領に選ばれました。アメリカがグローバル・リーダーの座から転落して、世界は多極化・カオス化し、「一寸先は闇」の時代に突入します。とりあえずアメリカでは知性と道義性が決定的な政治的価値であるという信念は失われました。自分たちが何を失ったか、彼らはいつ気づくでしょうか。
(エックスより勝手に転載、スイマセン)
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ここでの内田さんの価値観は、
『政治は「知性と道義性」によって執行されるべき』であるというところにあり、
それが失われたことへの憤りを感じる訳です、
ワタシも同感です、はい、
でも、トランプが勝利したわけですから、
「知性と道義性」を上回る価値観が米国民に根付いている、とも言えます、
それはなにか?
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トランプ氏に投票した米国民は今、経済的・自尊的な幸せの充足度が低いのでは?と感じました、
世界のリーダーとしての米国のあるべき姿と価値観を共有しようとした「知性と道義性」の民主党に対して、
トランプ氏は、直感的に必要と思われる政策提案で対抗した感じ、
結果、トランプ氏に投票した米国民は「知性と道義性」よりも、「経済的・自尊的」幸福を選んだ、
という風に見えます、
きっと彼らは今、幸福を実感できていないのです、
民主党へ投票した米国民は総じて幸福充足度が高いようにも見えました、
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次は日本の衆議院選挙、自民党+公明党が過半数割れ、
日本維新の会以外の野党各党は躍進という結果でした、
で、注目されているのが「国民民主党」、
獲得議席数から与野党双方から秋波を送られる立場で、キャスティングボードを握りました、
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ここで、SNSでの露出の多さが功を奏したことが大きくクローズアップされました、
はい、それは間違いない、
(47NEWSより転載)
これは衆議院選挙でのエックスの動向、
都知事選でも兵庫県知事選挙でもSNSが大きな役割を果たしました、
この件は後述、
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でも、独酌酔言的に注目するのは、SNS自体ではなく「国民民主党」の公約です、
(国民民主党のHPに詳しく書かれています)
すべて経済政策、それも『幸福を実感できていない』人たちへの救済的経済政策です、
同じく躍進した「立憲民主党」が政治の「知性と道義性」の立場から、
自民党の裏金問題をフーチャーし政治改革を大きく掲げたのに比べて、
「国民民主党」の政策は救済経済政策に特化していて、直感的に分かりやすかった、
なぜなら、今の日本、有権者の大半が幸福を実感できていないからです、
とくに、40代以下の若い世代は「知性と道義性」よりも「経済救済」を望んでいるように感じます、
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そして、兵庫県知事選挙、
これはまた様相が違いますが、とにかくSNSが大きな役割を果たしました、
(NHKHPより転載、以下の2枚も同様)
これは兵庫知事選挙で投票の参考にしたメディアの割合、一目瞭然、
SNSがキーだったのは間違いないようですが、
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重要なのはこちらのデータだと思います、
これは有権者が投票で重視したポイント、
当たり前ですがトップは『政策』です、
そして、当選した斎藤氏が多く支持を受けたのも「政策」と「改革」、
2位だった稲村氏がリードしたのは「人柄」、
注目すべきは「県政安定」はあまり重視されていなかった事、
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つまり、いろいろスッタモンダして、揉めて、不信任になって県政が停滞した!
というのは、県民にとっては「知性と道義性」ではあるものの、
目の前の「政策」や「改革」の実行に比べたら、今はそんなに価値はない!!という民意です、
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2位の稲村さんや他の候補が“風通しの良い県庁”とか“混乱に終止符を打つ”と訴えたことは、
県民の多くには値打ちが無かったのです、
そういう意味では稲村さんは選挙戦略を見誤った、とも言えます、
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従来の日本人の「知性と道義性」を前提に考えると、
「県政の立て直し」は今回の選挙の目玉だったように思えます、
(ワタシもそう思っていました)
しかし、SNSの影響があったにせよ、
多くの県民は「県政安定」よりも「政策」と「改革」を選んだのです、
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それはなぜか・・・
県民の、それも40代以下の多くの県民は幸福充足度が低かったからと考えます、
材料費高騰による物価高、伸びない収入、先が見えない社会保障、
そんな環境で「県政安定」という「知性と道義性」を求められても困るわ、
それよりも、政策と改革でわたしたちを経済的に救済して欲しい!!
という民の声だったような気がします、
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年代別の投票結果、
観て明らかです、「知性と道義性」と「救済経済政策」への評価です、
比較的、幸福充足度の高い年代は「知性と道義性」を持ち合わせていますが、
同時に若い世代の苦しみをもっと理解しなければいけません、
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稲村さんが『なにと闘っていたのか?良く分からない選挙だった』というような発言をされていました、
分かります、SNS勢の登場で今までの選挙とは様相が一変、
でもね、『なにと闘う?』と考えた時点で選挙戦略は間違っていたのかもしれません、
選挙の本質は相手を叩き潰すことではなく、
国民・県民が何を望んでいるのか?を見極めて、政策論争で有権者の支持を集める、
これが基盤となっていないといけなかった、
これもまた「知性と道義性」です、
議会の「全会一致の不信任」という衝撃的な目の前の出来事が、
選挙戦略を見誤る結果につながったのかもしれません、
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かたや、「知性と道義性」が不要なわけではありません、
いや、広い視野で観ると政治の本質は「知性と道義性」であるべきと考えます、
それが実現されるためにも、若い世代の幸福充足度を高めることが、
今の日本の政治の最優先課題なのです、
目の前の苦しみには、知性も道義性も無力です、
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稲村陣営のエックスのアカウントが、選挙期間中に数度にわたり凍結されたそうです、
これは、路用規約に違反したという組織的な一斉通報があったから、とも報道されています、
SNSはその情報の正確性・信ぴょう性や、公正性の維持でいろんな問題を抱えています、
稲村氏のエックスの凍結が、もし斎藤氏支援者による組織的なものだとしたら、
これはしっかり断罪されるべき犯罪行為だと思います、
もし、この事象の真相が明らかになったら、
斎藤氏もSNSの選挙利用の適正化に向けてのしっかりしたメッセージを支持者に発信すべきです、
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で、斎藤さん、
二度と議会や県職員と揉めないように、粛々と政策実現と県政改革を進めてくださいませ、
そして若い世代の幸福充足度を高めてください、
政治に「知性と道義性」を取り戻すためにも、
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