テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事75~感染拡大に歯止めが掛りません、5月2日までの1週間の陽性率は6.4%(前週6.0%)。

2021年05月03日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事75~

感染拡大に歯止めが掛りません、

5月2日までの1週間の陽性率は6.4%(前週6.0%)と続伸

検査数は横ばい、感染者数が増加した結果、陽性率が上がりました、

先週の状況、

検査数は先々週とほぼ同じ、1週間の感染者数が2200人以上増加したので陽性率は上がりました、

“淡い希望的観測”として「コロナウイルスの事73」から書いてきた、

“大阪の感染者数が減少に転ずる”ことは先週も実現しませんでした、残念です、

◆大阪府の感染者数は、この3週間高原状に高止まり、これは初めての傾向です

これまで感染拡大時には比例級数的に増えてきた新規感染者数、

しかし、今回の第4波では新規感染者数がこの3週間高原状に高止まりしています、

                陽性率  検査数  新規陽性者数
3月21日  2.3% 375025  8765人 ※21日緊急事態宣言全面解除
3月28日  3.0% 364712 11211人
4月4日    4.1% 383080 16018人 ※大阪・兵庫・宮城にまん延防止措置等適用
4月11日  5.4% 381306 20536人
4月18日  5.8% 456329 26426人 ※大阪府、緊急事態宣言発出を政府に要請
4月25日  6.0% 539640 32585人   ※大阪府他、4月25日~緊急事態宣言発出
5月 2日      6.4%    542061    34811人

これは今までに無かった傾向です、

もっと比例級数的に急カーブを描いてピークに到達、そして減少に転じるはずでした、

なぜなんでしょうか?

以下のような理由が推測できますが、、、さて?他にも何かありそうな気がします、

東アジアでの感染ピークはなぜか低い

何度も書いていますが、欧米に比べるとなぜか東アジアの感染ピークは低いです、

これに助けられているのかもしれません、

仮に、大阪府の人口(約885万人)では1日@1200人程度が感染のピークとすると、

大阪府の1日の感染率0.014%=10万人に14人ということになります、

単純計算で東京に当てはめると、

東京都の人口(約1395万人)×0.014%=1953人、

東京都の1日の感染者数ピークは2000人程度?

これまでの東京都の1日当り新規感染者数は2520人(2021年1月7日)が最高

これは正月明けでやや高めに出ていると思います、

この日を合わせて2000人を越えたのは4日、

なんとなく、こんな計算も成り立つのかもしれません、

② 本来なら比例級数的に増えるところを、緊急事態宣言で食い止めている

この可能性は低いと思います、

緊急事態宣言が発出された4月25日以前から高止まり傾向は始まっているからです、

③ その他の要因があるのか?

相変わらずCOVID-19については分からないことだらけです、

他にも何かあるのかもしれません、

『欧米に比して、なぜか東アジアでの感染ピークは低い』件についての追記、

これまでの①~⑥の仮説に加えて⑦を追記しておきます、

① 初期の“クラスター潰し”戦略が功を奏した(初期の押さえ込みに貢献)
② 日本の高い衛生習慣(手洗い・マスク着用などの習慣)
③ 日本の距離のある社会習慣(握手・ハグはほとんどしない+靴を脱いで家に上る)
※36で追記 ⇒ トイレが清潔
④ BCG接種のラッキーパンチ(未だエビデンスなし)
※23で追記 ⇒ 山中教授も未だ注目
⑤ 外出自粛3密回避・都市間移動制限などの効果(絶対的効果も、実情は心もとない)
※23で追記 ⇒ 自粛なのに日本人はよく頑張りました、一部解除以降は緩んでいますが
⑥アジア人はコロナウイルス(SARS-Cov-2)に対するなんらかの免疫があるかもしれない
※37で追記 ⇒ 交差免疫の存在 東アジア人には過去の風邪体験などからCOVID-19への何らかの免疫が存在する?
日本人の60%が保持している白血球「HLA-A24」が免疫力を発揮していた
 ※75で追記
 ※逆説的に、米国カリフォルニアで拡大(2021.04現在)している変異株には、
  この白血球「HLA-A24」が免疫力を発揮できない可能性が出てきたことで注目

◆喫緊の課題、重症者病床が増やせない理由

OECD加盟国中、日本の「一人当り病床数」はトップです、

にも関わらず、入院できずに亡くなる方が続出する事態に追い込まれています、

まさしく“医療崩壊”は現実のものに成っています、

5月2日現在の死亡者数は10296人、致死率は1.7%です、

なんとしても、まずは病床の確保が有線と思われるのに、

重症者病床が増やせない現時点での理由と、

これまでの厚労省による病院政策の問題があるようです、

◆現状では、、、日本は中小の民間病院が多く、これらの病院ではCOVID-19患者に対応できない

COVID-19の重症患者を受け入れようとすると設備環境的に、一般患者とのエリア分けが必要になります、

病室はもちろん、エレベーター、集中治療室、空調設備も切り分けて使う必要がありますが、

大半の民間中小病院はこれに対応できない、ということのようです、

こちらの記事が比較的分かりやすいです ⇒

逆に云うと、日本は感染症に対応できる大型の国立公立病院の病床がもともと少なかった、とも云えます、

◆中期的には、、、厚労省の病院の再編効率化で感染病用の病床が削減されてきました

事実としては、1998年に9060床あった感染病床は、2018年には1882床まで減少しています、

これは、皆保険システムの維持=効率的な医療体制の実現(統合再編)という、厚労省の施策によるものです、

増え続ける高齢者医療費を押さえ込みたい、

との思いから、国立公立病院の統合再編成を促していました、

また、近年大規模な感染症の流行が無かったのも病床削減に繋がったと思います、

しかし、以前より『21世紀は感染症との闘い』とも云われていたわけで、

目の前の保険制度維持のための効率化に走り、感染症への根本的な対応を見誤った

という指摘は必ずしも的外れではないようです、

またもや、その機能を発揮できていないこの国の行政、

場当たり的な対応に終始し、中期的戦略的な感染症対策を怠ってきた厚労省

COVID-19の出現が想定外だったのか?

いや、しっかり『21世紀は感染症との闘い』という情報はあったはずです、

これもまた前の長期政権の残した負の遺産ですね、

◆もし、前述の感染ピーク説が正しければ、それを目標に病床を確保、関連施策を立案すべし

今のところ確証は無いですが、東京都の感染ピークが仮に1日当り@2000人だとすると、

今からそれに向けて重症者用病床の確保と、

関連する施策(救急患者の迅速な入院先確保、適切なトリアージ方法、快方に向かった患者のスムーズな病床移転など)をシステムとして構築しておくことが肝要です、

すこし先を見た施策戦略を担当する人も必要です、

今週は短めです、

できればやっと動き出した国のワクチン接種対応』について書きたかったのですが、

これは来週に回します、

(予告)
◆一向に進まない国内のワクチン接種
国がやっと思い腰を上げました、しかし遅きに失しました、
昨年末から準備できたことばかりです、

・東京大阪に大型接種会場を設置、自衛隊が運営
・河野さんはワクチン輸入担当大臣だと自覚していた?
三木谷氏・山中教授らが接種戦略を根本的に変えるよう提言
・歯科医師も接種に参加
・自治体や接種医師に支援開始
五輪開催に医療スタッフ500人要求!?接種と五輪、両面作戦は可能か?