なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事76~
先週の陽性率は7.8%と跳ね上がりました、
大阪府はピークアウト? 東京は踏ん張りどころ、 全国的に感染が拡大中です、
、
5月2日までの1週間の陽性率は7.8%(前週6.4%)と跳ね上がりました、
感染者は横ばい、検査数が減ったため陽性率が跳ね上がりました、
、
7.8%という陽性率はとても危険な兆候です、
今後、全国で大きな感染拡大が起こる可能性を示唆しています、
残念ながら、すでに大阪府は医療崩壊と云っても良い状態です、
少なくとも18人が医療を受けられずに死亡した、というショッキングなニュースが流れました、
神戸や門真の高齢者施設でも、入院できずに施設内で亡くなる方が多数、、、
もう、医療崩壊といって良いと考えます、
、
この問題を解決するのは病床の増床が一番的確なのですが、それが出来ない日本の事情、
(前回のコロナ75に書いています)
歯痒く辛いですが、“なんとか病床を増やしてください”としか云えません、
、
◆先週の状況、大阪府はピークアウト?東京は踏ん張りどころ、全国的に感染が拡大中
全国的には1週間の感染者数はこの3週間ほぼ横ばい、
検査数がガクンと減ったので陽性率が跳ね上がりました、
陽性率 検査数 新規陽性者数
3月21日 2.3% 375025 8765人 ※21日緊急事態宣言全面解除
3月28日 3.0% 364712 11211人
4月4日 4.1% 383080 16018人 ※大阪・兵庫・宮城にまん延防止措置等適用
4月11日 5.4% 381306 20536人
4月18日 5.8% 456329 26426人 ※大阪府、緊急事態宣言発出を政府に要請
4月25日 6.0% 539640 32585人 ※大阪府他、4月25日~緊急事態宣言発出
5月 2日 6.4% 542061 34811人
5月9日 7.8% 457873 35802人 ※緊急事態宣言5月31日まで延長・地域拡大
,、
少々、複雑な状況なので整理していきましょう、
◆なぜ?検査数が減ったのか?
先々週の検査数542061回 ⇒ 先週の検査数 457873回
およそ20%も検査数が減りました、感染者が引き続き多いのになぜ検査数が減ったのか?
、
大阪府の感染拡大がややピークを越えたように見えるので、
大阪府の検査数が少し減ってきていますが、20%も減ってはいません、
、
以下の2つの可能性があります、
① 現在、感染拡大が始まっている名古屋・福岡他の地方都市でのPCR検査が追いついていないような気がします、
今後、地方でのPCR検査数はまた増加する可能性があります、
② 前述のように、高齢者施設や学校などでの大型のクラスター発生が多く見受けられます、
比較的閉鎖された空間で大型のクラスターが発生しているのが第4波の特徴でもあります、
なので、市中感染時のような大規模な広く浅いPCR検査が少なくなっているのかもしれません
まだまだ推測の域ですが、とりあえずPCR検査数は20%減少しました、
、
◆3週間高原状に高止まりを経て、大阪府はピークアウトしつつあります、
この3週間高原状に高止まりしていた大阪府の新規感染者数、
やっと減少傾向に転じたように見えます、
大阪府の新規感染者の推移、
今までに無かった3週間の高止まり傾向、
指数関数的に急カーブを描いての急峻なピークではなく、なだらかな高原状のピーク、
変異株の感染力の強さも関与して、もっと大きなピークになってもおかしくなかったのですが、、、
、
その大きなピークをも押さえ込んでいるように思えるのが、
何度も書いていますが、『なぜか低い東アジアの感染ピーク』という事象、
、
大阪府で、1日の新規感染者数のピークは10万人当り14人ほど、
フランスがもっとも多かった3月末頃の1日@新規感染者数(7日間平均)が10万当り88人ほど、
同じく英国の1月のピークで90人、
ピークが違いすぎます、、、なぜだろう?
、
今回も再掲します、東アジアでの感染ピークはなぜか低い要因の可能性
① 初期の“クラスター潰し”戦略が功を奏した(初期の押さえ込みに貢献)
② 日本の高い衛生習慣(手洗い・マスク着用などの習慣)
③ 日本の距離のある社会習慣(握手・ハグはほとんどしない+靴を脱いで家に上る)
※36で追記 ⇒ トイレが清潔
④ BCG接種のラッキーパンチ(未だエビデンスなし)
※23で追記 ⇒ 山中教授も未だ注目
⑤ 外出自粛3密回避・都市間移動制限などの効果(絶対的効果も、実情は心もとない)
※23で追記 ⇒ 自粛なのに日本人はよく頑張りました、一部解除以降は緩んでいますが
⑥アジア人はコロナウイルス(SARS-Cov-2)に対するなんらかの免疫があるかもしれない
※37で追記 ⇒ 交差免疫の存在 東アジア人には過去の風邪体験などからCOVID-19への何らかの免疫が存在する?
⑦日本人の60%が保持している白血球「HLA-A24」が免疫力を発揮していた
※75で追記
※逆説的に、米国カリフォルニアで拡大(2021.04現在)している変異株には、
この白血球「HLA-A24」が免疫力を発揮できない可能性が出てきたことで注目
、
◆東京は踏ん張っています
緊急事態宣言を早めに出した東京都は踏ん張っています、
1月の第3波の時には1日@2500人まで増えた新規感染者数も、最近は多くて1000人程度、
もし、このまま押さえ込む事が出来れば、緊急事態宣言は成功と云えます、
、
仮に、大阪府の人口(約885万人)では1日@1200人程度が感染のピークとすると、
(何らかの原因で東アジアはピークが低い、のが各都市に適用されると)
大阪府の1日の感染率0.014%=10万人に14人ということになります、
、
単純計算で東京に当てはめると、
東京都の人口(約1395万人)×0.014%=1953人、
東京都の1日の感染者数ピークは2000人程度が想定されますが、
現在まではその半分程度で押さえ込まれている、ということです、
これだけ見ると、やはり“緊急事態宣言”は一定の効果があるのかもしれません、
、
◆これからは地方へ感染が広がっていきます、
全国の陽性率(先週7.8%)を見る限り、これからは間違いなく地方への感染拡大が広がります、
病床逼迫、医療崩壊を未然に防ぐための目安は(ラッキーな)上記のなぜか東アジアでは低いピークです、
大阪府の実績から、人口当りの1日@感染者数のピークを予想すると、
人口 1日@予想感染ピーク これまでの1日@最高人数
愛知県 752万人 1052人 575人
福岡県 513万人 718人 529人
北海道 527万人 734人 506人
宮城県 229万人 321人 200人
まだまだ感染が拡大する可能性があることが分かります、
自治体は大変でしょうが、上記感染ピークでも耐えきれる病床数を確保することが喫緊の課題です、
、
大阪府、東京都、その他の都市と、それぞれ異なったシークエンスにあります、
そして、それぞれが非常に危険であるということも、これもまた第4波で初めて経験する状況です、
、
緊急事態宣言の個別の施策が、ほんとうに効果があるのか?無いのか?は、置いておいて、
当面、この緊急事態宣言の解除はあり得ない状況です、
個別の施策への意見もあります、これは次回にでも書きたいです、
、
◆無策、失政と云わざるを得ない国内のワクチン接種の進め方
5月7日に菅さんがワクチン接種“1日100万回”をぶち上げました、
7月末までに高齢者3600万人への接種を終える、という公約です、
、
リーダーが明確な目標を示すことは大変重要なことです、
が、、、残念ながら菅さんの目標設定は無謀、と云うか思慮が足りないとしか思えません、
、
おそらく五輪を意識しての事でしょうが、
“1日100万人”にどのようにして接種するのか?
その全体イメージを示さずに、ただ、五輪のための目標を自治体に押しつけるのは、
リーダとして大きな判断ミスを犯していると感じます、
、
ちなみに2月から始まったワクチン接種、
約3カ月の接種実績は医療従事者で約432万回、高齢者で約42万回、
(首相官邸ページ、5月10日現在)
、
この3カ月で500万回にも満たないのに、
明日から1日@100万回もどうしたら打てるのか?
まさか、ワクチンを自治体へ送り届けて、
あとは自治体の責任です、と云うつもりではないと思いますが、、、
、
我田引水で恐縮ですが、
2月2日コロナ62で、ワクチン接種は一大イベントであり、専門家の投入を指摘しています、
4月27日コロナ74では、単純計算で1日@80万回の接種が必要であると書きました、
(この後、4月28日に山中教授や三木谷さんも同様の試算1日@80万人接種の必要性を公表、政府に提言しています)
これは、四則計算が出来れば出せる数字です、
高齢者3600万×2回÷90日=1日@80万回 です、
(4月末時点での計算)
、
菅さんが発言した5月7日には、7月末までにもう80日しかありません、
なので単純計算で100万回と上乗せしただけ、
(もともとは五輪開催までに高齢者接種終了って云ってたのですが、ま、7月末でも完了すれば上々です)
、
ただ、100万回という回数、それだけの発表、
肝心の『どのようにして1日@100万回接種するのか?』についての言及がありません、
接種促進の全体イメージは?どうなっているのでしょう、
、
いまのところ、自衛隊による東京・大阪の大規模接種会場の設営運営(各1日@1万回)が菅さんの目玉ですか?
それでも1日@1万回です、、、
、
他にもワクチン接種従事者への支援金制度も創設するみたいですが、これはインサイトを突いていません、
今、医療従事者のモチベーションを上げるのはお金じゃないでしょう、
、
ご存じの通り、多くの自治体で接種予約を巡って混乱が生じています、
国民からの非難囂々の中、今頃になって国は総務省に自治体支援センターを設置、自治体をサポートしていくと胸を張る菅さん、
って、遅すぎます!
少なくとも5か月前には立ち上げておくべき組織です、
今頃何をやっているのでしょうか?
(正直、この国の行政組織の未熟さにあきれます)
、
自治体レベルでも様々な工夫が始まっています、
大阪府市では独自の大規模接種会場の設置を目論んでいますし、
各地で歯科医師の動員も検討されているようです、
、
あの手この手を考えて、1日でも早くワクチン接種のスピードを上げなければなりません、
これが政府の仕事でした、
(国内製造能力が無いので)如何にワクチンを輸入するか?
そして、一大国家事業の2億5000万回にも及ぶワクチン接種を如何にスムーズに迅速に行なうか?
この2つがワクチン担当大臣の仕事でした、
、
が、河野さんは自らを“ワクチン輸入担当大臣”だと勘違いされていたようで、
2021年1月18日に就任以来、発言発表はほとんどが“ワクチンの輸入配布の目処”についてのみ、
接種方法(全体イメージ)については、野党からも国として指針を示すべきとの指摘があったにもかかわらず、
“自治体の課題”と丸投げにしてきた河野さん、
ほぼ3カ月以上の時間をドブに捨ててしまいました、もったいない、
、
自衛隊の大規模接種会場の成否についても、
1日1万人接種の実現は“自衛隊次第”と、ことの真髄をまったくご理解されていないご様子、
まさに“丸投げ”です、
、
話は飛びますが、丸川さんが五輪の感染対策を問われて『東京都から報告がない』と不快感を表わされましたが、
いやいや、それも大臣アナタの仕事でしょう、と唖然、
、
今の内閣には自分のアタマで物事を考える人はいないんでしょうか?泣きたいです、
、
と、残念ながらワクチン接種は戦略戦術共に無し、
五輪開催に向けて、ただひたすら前に突き進むのみ、という様相です、
、
まるで旧日本軍の組織的欠陥をそのまま引き継いでいるようです、
現実的な中期戦略の不在(収束へのプラン無し)
戦力の逐次投入(小出しの施策)
兵站・情報戦の軽視(病床不足・政策現場に専門家不在)
不正確な彼我戦力評価(自兵力の過大評価 敵兵力の過小評価)
う~ん、なるほど、そうとう近似していますね、
、
◆自衛隊が大型接種会場運営を丸投げ!?
という記事がありました、
またも!丸投げか!!と、波に乗った記事のようですが、
これはまったく的を射ていません、
、
自衛隊が医療従事者の確保や接種予約の運用に関して、外注するのは当り前です、
自衛隊は日本の防衛を担う組織です、現在では災害被害に備える組織でもあります、
日本になくてはならない組織です、
、
その性格上、今回のような緊急時の運用にはたしかに耐えられるでしょう、
接種会場の設営や統合的な全体運用は出来ると思います、
、
でも、医師看護師の調達や、接種予約のノウハウはありません、
ノウハウがないのに自前でやろうとすると、今回、接種予約で失敗した自治体のような混乱を招きます、
、
ノウハウがないなら、ノウハウがある会社に外注するのが得策です、
これは“丸投げ”とは云いません、
“丸投げ”とは、業務を外注した後に、その成否の行方にまったく責任を持たない態度のことです、
(河野さんみたいに、、、)
、
自衛隊はそんなことはしないでしょう、
常に任務の遂行に責任を持つことを信条としているはずです、
、
コロナのお陰で、この国の行政に非常時の政策実行力が無いのはよく分かりました、
なので、外部に委託するのは得策です、
、
問題は、、、
自治体の仕事、自衛隊次第、東京都の責任と平然と発言する人たちです、
これが“丸投げです”、
やはり、泣きたくなってきました、
、
、