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※一部脚色につきフィクションとしてお読みください。
我が社は現場をいくつか持っていて、日頃はメンバーはそれぞれに分かれて作業をしている。
本日は土曜日で某現場のメンバーが休みとなっていて、いつも仕事をしている本現場に出社早々、そちらに向かってほしいとのお達しがあった。
メンバーの休みくらい事前に把握できていそうなものだが、今日の今日、しかも今すぐという話は全く予想外のことでさすがに当惑した。
積み込み先の車両は先に着いて待っているだろうとのことで、一も二もなく会社の車でそちらに向かった。
車両は案の定先に着いていて荷物の段取りも含めてずいぶんお待たせすることになったが、何とか無事にお役目を果たして午後の早いうちには再び本現場に戻ることができた。
すると、日ごろ私が作業をしているエリアが大量の入荷物で「侵犯」されていて、土曜当番の他のメンバーが運搬しているさなかであった。
ハケてしまわないとこちらの残務が片付かないので手伝いに入ろうとすると「ジャマだから入るな」と言われるので後はホッタラカシにしていたが、これがまあ遅い遅い。
いつまで経っても荷物はハケずこちらは待ちぼうけを食らうばかりであった。
恐らくは私が朝一番から別の現場に行ってしまったので夕方まで帰ってこないだろうとタカをくくって私の作業エリアに大量に並べておいたものが、私が案外早く戻ってきたので大あわてで片付けだしたというのが真相だろう。
しかし、入るなとまで言われてなお手伝いに入るほど私もお人好しではないので現場の床掃除などをして時間をつぶしていた。
ここ数回はいつもそうなのだが、大して忙しくもないこの土曜日に定時ギリギリまで作業をして、結局定時には終わったもののやりたいことを最後まで終わらせたようには見えず、定時が来てしまったから仕方なく終わったように見えた。
あまりにも愚かだと思うのは、手伝いに入れる人間がひとりいるのにそれをあえてハブって、結局作業が定時に間に合わなかったことだ。
態度だけは大型新人である私がさぞかし煙たいだろうことは承知の上だが、いざ完全に私にバックレられてしまえば全く大したことのない土曜の仕事さえ時間内に終わらせられない。
つまらない意地を張ったところで、ひとりをハブって仕事を回せるほどの能力はないことが完全にバレたのである。
こんなメンバーでももう一方の班よりははるかにマシという状況では、これからやってくる「黒船」(我が社は近日に部門譲渡されることが決まっているのでその譲渡先のこと)にはとても対抗できない。
ザイゴ(田舎)の中小に長年いて染みついたナアナアの風情のままでは、東証プライム上場企業を親に持つ会社のやり方には絶対についていけないと断言する。
もとより経営者の変更となれば、受け入れ会社側は自社の精鋭を送り込んで「従来の従業員など全員即刻クビ」が当たり前であるところ、事業の継続性を重んじてあえて私を含めた従来のメンバーを「事情を分かっているから」ということで受け入れるという大甘の提案をしてくれている。
そのありがたみを全く分かっていないように映るのは同じ現場のひとりとして甚だ残念と言わざるを得ない。
一定の期間、食い扶持を稼がせてもらったことには感謝できても、我が社がいかなるものであったかは十分に身に染みたし、恐らく事態が落ち着くまでにはもうひとふた波乱はある。
いかに他社との係争が原因とは言っても、現役の管理職が一時的とはいえ身柄拘束などということがあった会社はさすがに初めてである。
もう間もなくすれば、いかにも素性の悪そうなギラギラの装飾を施した庸車が出入りすることはなくなり、銭湯お断り系の絶対に半そでにはなれない人間の出入りもなくなる。
そんな文化はまっぴらゴメンであり、それ系のものに触れることが今後なくなっていくとすれば私個人としては非常にいい流れが来ていると言えるのだろう。