in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

2014.08.06 DIR EN GREY“TOUR14 PSYCHONNECT -mode of "GAUZE"?- mode:26”at 新木場STUDIO COAST

2014-08-27 11:58:26 | ライブレポート
行ってきました、GAUZEツアー。
19:00(開演時間)に新木場駅に着いて、内心ダメもとだったんですが、走ったら頭から観られました…!



このツアーに対する期待感がそのまま反映されたかのように、ソールドアウトした会場内は超満員。19:00を少し過ぎたころに暗転し、あの金属音から始まるSE「GAUZE -mode of adam-」が響き渡ります。と同時に、オーディエンスのものすごい歓声。曲に合わせてオイ!オイ!と無数の拳が突きあがりました。スクリーンにはもちろん当時のCGのPVが。

ステージにはトラスが組まれていました。「GAUZE -mode of adam-」には檻をカンカンと叩く音が入っているので、ちょっとリンクするものがあります。

メンバーがステージに姿を現し、赤い文字でツアータイトルが映し出されると、場内はさらにヒートアップ。京さんは学生帽をかぶり、黒いワイドパンツを履いていたのでバンカラのようでした。Shinyaさんだけ白いシャツ姿で、ほかのメンバーはみんな黒い服。


この日の1曲目は、アルバム『GAUZE』の収録順どおり「Schweinの椅子」。“Geist Seele Wille Zelle”のシャウトコーラスは観客の声も大きくて鳥肌が立ちました。“再生不能な”“-DNA-”の掛け合いも気合いがすごい。いつも1曲目は緊迫した空気が漂っていますが、この日はまさにお祭り感があったように思います。

ですが、ところどころで京さんのマイクにトラブル発生。最初は歌詞忘れかな?と思ってしまったのですが、よくよく観ると歌っているのに声がマイクを通っていない。まさかコーストでこんなトラブルが起きるとは。

「raison detre」でもそのトラブルは続き、京さんはマイクをドン!と2回ほどぶつけていました。楽器の出音も大きくなったり小さくなったりしていて、序盤からこれはヤバイ!とかなりハラハラ。ステージ上もフロアも、テンションが少しずつ右肩下がりになっていくような雰囲気を感じました。

SE(トラブルがなかったら本来はここではさむ予定ではなかったのかも)をはさみ、「THE FINAL」へ。音響は直ったものの、ライブはどこかぎこちないまま進んでいきます。ですが、曲終盤の“I can't live”の部分で、京さんが空気を切り裂くようにマイクを横にさっと振り、オーディエンスが呼応するように歌う場面があったのですが、ここでグンと持ち直したように見えました。気のせいかもしれないですが、純粋に「声」の力ってすごいなと。

「LOTUS」では天井付近から客席へ放射状に照明が広がり、まるで水中にいるようでした。京さんが“愛せるの?”の歌詩を“愛してますか?”に替え、語りかけていたのが印象的でした。帽子はこのあたりからもう脱いでいたような。

「304号室、白死の桜」では、当時のPVが映し出されていました。が、メンバーの顔は映らないよう絶妙なトリミングがなされているという。
この曲でのShinyaさんは、頭を振りながら叩いていてかなりノリノリ。このあたりから、もしかしてこのツアーをいちばん楽しんでいるのはShinyaさんでは?と思えてきちゃいました。
反対に、京さんは「みんなの娯楽のために」というような雰囲気で、自身は楽しめているのかは、観ただけではわかりません。

「mazohyst of decadence」は、個人的にトラウマ楽曲なのであまり聴きたくはなかったのですが、メロディも歌詞もアレンジされていたので、グロさは感じずに聴くことができました。

そういえば、今回のツアーではINWARD SCREAMは行なわないんですね。
「mazohiyst~」「蜜と唾」というコンボでダークゾーンヘは堕としていきましたけれども。「蜜と唾」は、歌詞が浮かび上がるいつもの映像はなしでした。やはりこの曲の見どころはShinyaさんの“死姦”のときのショットですね。Toshiyaさんも一緒にのけぞってました。

「アクロの丘」ではフロア上部にステンドグラスの映像が投影されていました。武道館で使われたものと同じだと思われます。スクリーンには、夕日に照らされオレンジ色にきらめく草原と、そこを歩く女性のストーリーでした。銀色の指輪や、女性が寝かされた棺桶にたくさんの百合の花が手向けられるなど、ノスタルジックかつ耽美な世界でした。

聴かせる曲のひとつなのに、Toshiyaさんはいつの間にやら黒いタンクトップ姿になっていて、そのミスマッチ感に少し笑ってしまいました。
薫さんのギターソロは、ところどころ1音抜かしでタメながら弾いていました。過去楽曲は薫さんがリードギターを弾くことが多かったんですよね、そういえば。あと、Dieさんのアコギパートはアップストロークだったそうだった!と謎の納得をしてました。実際にライブで観ると、ああそうか~と思うことがいろいろあります。
京さんは“君と眠りたくて”の部分を、音階を駆け上がるようなメロディに変えていたのですが、それがとても切なくてよかった。

「ゆらめき」では京さんが帽子をかぶり直します。京さんにとっての「帽子」は気持ちの切り替えスイッチのようなアイテムなんですかね? sukekiyoのときも女性目線の曲ではかぶるという行動をしていたので。
「MASK」もPVが映し出されていたのですが、こちらはメンバーの目に黒い線が入って容疑者のようになっていました(笑)。

そしてまさかの「蜜と唾」旧バージョン! アレンジ板が先に披露されたので、旧版はきょうは演奏しないか、とあきらめていたので、心の中でありがとうございますありがとうございますを連呼してました。
“1・Sad・Sexually・2・Sad・Sexually”の部分では、オーディエンスとの掛け合いもあり、一体感が生まれていました。京さんは指を立てていたりも。

本編ラストの「残」は、過去と現在の融合をいちばん感じました。むしろ旧バージョンか新バージョンか一瞬判断がつかずで。新バージョンもかなり演奏されているので、すっかりいまのDIR EN GREYに取り込まれたのかもしれない。

アンコールは「予感」からスタート。
後半部分でDieさんのギター1本になるセクションがあるのですが、そこで無音になり、オーディエンスが合唱。そういう演出なのかな?と思っていたのですが、どうやらまたもトラブルだったようで! ある種レアな一場面でした。

新曲は、薫さんの短いアルペジオにDieさんのカッティングが入っていくミドルチューン。途中でShinyaさんのドラムだけテンポが上がります。『GAUZE』収録楽曲よろしく薫さんがギターソロを弾いていたので最近ではめずらしいパターンだなと思いました。サビの歌詩は“大地を蹴り進め”というような力強いものでした。

「俺の言いたいことわかるよな?」「お前らの汚い声、響かせてくれ!」という煽りから、ラストは「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」。
終演後は京さんも長くステージに残っていて、着ていたTシャツ?を客席へ投げたのですが、センターへ「いくで?」というように投げるそぶりをしつつ、下手へひょいっと投げたのがおちゃめでした。

総括するとトラブルが多すぎて、東京公演がこれで終わりだったらかなり煮え切らない思いをしたと思います…。
過去の曲と現在の曲を組み合わせたセットリストは、まだまだやりなれていないというかなじんでいないような気がしました。再び東京へ戻ってきたときに、どのように変貌を遂げているのか楽しみではあります。それをきょうのZeppで確かめたい!



ちなみに、BAR付近の奥まったところに電気椅子(Schweinの椅子)が展示されていました。フォトコンテストも開催されていて、実際に座ることもできます。




それと、東京限定グッズ。コンチョ付きへアゴムと言っていいんですかね? ¥500です。



シンプルでリーズナブルで実用的だと思います。手首につけるだけでもかわいいですしね。

チャーム部分アップ。「14」の数字は2014年だから、ということでよいのですかね?


オリジナルの袋に入ってました。



【SET LIST】
SE_GAUZE -mode of adam-
01_Schweinの椅子
02_raison detre
03_Cage

04_THE FINAL
05_LOTUS

06_SUSTAIN THE UNTRUTH

07_304号室、白死の桜
08_mazohyst of decadence
09_蜜と唾(2011 ver.)

10_アクロの丘
11_ゆらめき
12_MASK
13_蜜と唾
14_残(2009 ver.)

-EN-
15_予感
16_新曲
17_蒼い月
18_羅刹国
19_激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇