シネマと虎とグルメたち

犬童一心監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」があった。オイラは「観た映画が面白くて、美味いもの食って阪神が快勝」を望んでる。

abさんご

2013年02月27日 | グルメ・他
「abさんご」は言わずと知れた今回芥川賞を受賞した黒田夏子さんの作品で、僕はこの作品に対して批評するほどの読解力を持ち合わせていない。
ページを開いた第一印象は案外と漢字が混ざっているなだったが、読み始めると実に読みづらい作品だと感じた。
<受像者>での"前夜むかれた多肉果の紅いらせん状の皮"とか、<しるべ>における"しるべにつるすしきたりのあかりいれ"などという表現には興味をそそられたが、何だか文字を追い掛けているだけの自分がいて、気がつけば全くといいほど中身を消化していないことに気付いた。
やはり伝えられるとおり、普通の文章に比べると圧倒的にひらがなが多い文章なのだ。

そこで僕は知らされた。
日本語の文字はなんと素晴らしいものであるかと。

表意としての漢字、表音としてのひらがな、外来語等へのカタカナを有している素晴らしさを気づかされた。
この表現の多様性と、季節と自然の豊かさが素晴らしい日本人を生み出しているのではないかと思わせるのである。
時にして日本人の曖昧さと揶揄される微妙なニュアンスの表現は、これらの複合物が生み出す宝物ではないかとさえ思ってしまう。
そんなことを思わせた作品だったが、回転速度が鈍ってきた我が頭脳をもってすれば、再読どころか三読は必要な作品の様な気がする。
コメント
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