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普通の生活の中での、思いついたこと、考えたこと。何かを表現したい、書いておきたいと思った時に、ココで発散しています。

夕方の電車の中で☆

2020-08-08 23:04:34 | ひとりごと。
子どものころ、電車に乗ると
「お外」をずっと見ていたかった
立っていても 座っていても 座ったときには靴をぬいで窓の方をむいて、
すごい速さで流れていく景色を 目をまん丸くして見ていたものだ
電車の窓に、かじりつくようにして。

1週間の仕事が終わった金曜日の帰り
最近は電車も結構すいているので 座ることができた
ほっと一息、あとは・・・・スキマ時間の習慣、スマホをいじる
そして 5分もしないで、寝てしまうだろう・・・

目の前の席に、小さな女の子とお母さんが座った。
女の子はさっさと靴を脱ぎ、窓の方をむいて座った
お行儀よく、正座で。お母さんはそっとくつの向きをそろえる。
えらいなあ、きちんとしてるなあと思いながら 
電車は発車した。
そのとたん 女の子が「わぁ!ママ、見て見て!」と話し出した。
「見て、あの電車すごく早い!どっちが早いかな。あっちからも来た!ねえ、ママ、」
ママは、「ちいちゃん、しぃ。」と言った。
ちいちゃんは、静かになったけど、たまに何か言いたそうにしてママの方を向く。
ママはスマホを見ている。ちいちゃんは窓を見る。
流れる雲 すれ違う電車 高層ビルや線路際のマンション たまに見える大きな木や公園
もうすぐスカイツリーも見えるだろう。

乗っている電車の中に、ちいちゃんの他には子どもはいない
大人は全員スマホをいじっている 一人、目をつぶっている人がいる 耳にはイヤホン。
電車のなかで退屈そうにスマホを触っている大人たち
電車の窓にかじりついて外の景色に心奪われる小さな子ども。

何かに興味を感じれば、胸が躍る。
目の前に広がる世界も自分にとってはムダなことだと考えれば、心が動かない。

それは電車の中だけではない、と思った

ムダだと思えば、そこから喜びを見いだすことは難しい。
感動的なことも心に響かない。刺激的なことでも退屈を紛らすことができない。
スカイツリーが見えた・・・としても、「見えた」と思うだけ。それが今。
電車の窓にかじりつく子どもはたぶん、幸せ。
知らない街の人々や、空に浮かぶ雲の上のお城を空想する。夕焼けの空の向こうにある未知の場所。
心のなかで世界は広がりつづける。そして、その心は世界を素直に映しだす。

窓の外の景色なんてつまらないと、外の世界に対する興味を失いながら、退屈と隣り合わせに生きていくよりも
窓の外の世界に夢中になっていた子どものように、いつまでも好奇心を持ちつづけて生きていけたらいいな。

私はスマホを見るのをやめて、ちいちゃんの後ろ姿と、その向こうに流れていく夕景の街並に目をやった。

電車は、一日の喧騒と倦怠と 静かに下を向く大勢の人たちと 夏の熱気をはらんで走っていく。

次の駅で、ちいちゃんとママはおててをつないで降りて行った。
私は心の中で、「ちいちゃんバイバイ」とつぶやいた。

「ママ、さっきすっごい大きな雲があったんだよそれでね」と、ちいちゃんの声が聞こえた。
ドアが閉まって、電車はまた走り出す。
ママと手をつないだちいちゃんの姿は、もう見えない。

換気のために少し開けてある窓から、夕方の風が入ってくる
気持ちがいいなぁ・・・と思う。眠くなってきた。。。。。。。。

でも
降りる駅についてしまった
たくさんの人たちが降りて、乗って。 熱気の中に、放り出される。
誰かと手をつなぎたいなあ、と思った。



(@^^)/~~~

コメント
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